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距離短縮組に注目

  • 2008年03月24日(月) 23時50分
 一昨年の高松宮記念優勝馬オレハマッテルゼと、昨年の優勝馬スズカフェニックスについて、共通項を指摘することのできる競馬ファンは多いことだろう。

 この2頭は、ともにサンデーサイレンス産駒であり、高松宮記念が芝1200m初挑戦だった。昨年は2着のペールギュントも1200mがはじめてのSS直仔である。

 これらの好走例は死してなお直仔で影響力を残すサンデーサイレンスという種牡馬の偉大さを示すものだが、一方で、現在のスプリント界が若干「空き家」状態になっているということでもある。

 今年は新たに距離短縮に挑むSS直仔はいないので昨年・一昨年と全く同じ形を望むことはできないが、なんらかの形で「1200mの専門家ではないタイプ」を狙うことはできるだろう。

 そこで今回は、「芝1200mへの距離短縮に強い種牡馬」を調べてみた。「初の芝1200m」という形で調べるのは大変なので、単純に前走距離が1200mより長いということとし、1400mは単に1200mと往復している馬も多いので、「前走芝1500m以上→芝1200m」という馬のみを対象とする。さらに、未勝利戦などは馬の地力で決まることも多いので、古馬1000万条件より上のクラスだけを対象としてみた。

 2003年以降のデータをもとに結論を出すと、注目はフジキセキ。連対率ではサンデーサイレンスに劣るが、中穴を出した馬が多いぶん、回収率では単複ともにプラスとなっている。最近では淀短距離Sのファイングレインが、デビュー戦以来の1200mだったが4番人気で優勝した。

 個人的には、規定打数不足の組からロドリゴデトリアーノも推したい。もともとローカルの1200mには強く、距離短縮の形では04年函館スプリントSのゴールデンロドリゴなど、3頭がそれぞれ5、6、8番人気で2着している(他は12番人気以下が3頭いてすべて着外)。なかなか利用する機会はないのだが、今回はスーパーホーネットが登録してきてくれた。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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