一昨年の高松宮記念優勝馬オレハマッテルゼと、昨年の優勝馬スズカフェニックスについて、共通項を指摘することのできる競馬ファンは多いことだろう。
この2頭は、ともにサンデーサイレンス産駒であり、高松宮記念が芝1200m初挑戦だった。昨年は2着のペールギュントも1200mがはじめてのSS直仔である。
これらの好走例は死してなお直仔で影響力を残すサンデーサイレンスという種牡馬の偉大さを示すものだが、一方で、現在のスプリント界が若干「空き家」状態になっているということでもある。
今年は新たに距離短縮に挑むSS直仔はいないので昨年・一昨年と全く同じ形を望むことはできないが、なんらかの形で「1200mの専門家ではないタイプ」を狙うことはできるだろう。
そこで今回は、「芝1200mへの距離短縮に強い種牡馬」を調べてみた。「初の芝1200m」という形で調べるのは大変なので、単純に前走距離が1200mより長いということとし、1400mは単に1200mと往復している馬も多いので、「前走芝1500m以上→芝1200m」という馬のみを対象とする。さらに、未勝利戦などは馬の地力で決まることも多いので、古馬1000万条件より上のクラスだけを対象としてみた。
2003年以降のデータをもとに結論を出すと、注目はフジキセキ。連対率ではサンデーサイレンスに劣るが、中穴を出した馬が多いぶん、回収率では単複ともにプラスとなっている。最近では淀短距離Sのファイングレインが、デビュー戦以来の1200mだったが4番人気で優勝した。
個人的には、規定打数不足の組からロドリゴデトリアーノも推したい。もともとローカルの1200mには強く、距離短縮の形では04年函館スプリントSのゴールデンロドリゴなど、3頭がそれぞれ5、6、8番人気で2着している(他は12番人気以下が3頭いてすべて着外)。なかなか利用する機会はないのだが、今回はスーパーホーネットが登録してきてくれた。