今年の安田記念、香港からは3頭の遠征馬が来ることになった。
戦績やレーティングを見ても分かるように、3頭それぞれにかなり実績のある馬たちだ。ブリッシュラックはさすがに歳をとった感があるが、それでもまだまだ元気である。
ただ、この3頭のうち2頭は、ひとつの傾向と戦わなければならない。
その傾向とは、「2回以上来日した馬は、初回来日時のパフォーマンスが最良であることが多い」である。
最初に断っておくと、ブリッシュラックは既に一度この傾向を覆している。05年の安田記念で4着→06年1着であった。
ただ、これが珍しい事例であるうえ、ブリッシュラックは9歳である。また、グッドババは新たにこの傾向に挑むことになる。
これまで、日本で2走以上して、そのうち1回以上馬券に絡んだカク外馬(平地のみ)は、全部で21頭いる。ただ、例えば京成杯SC→安田記念のように一度の来日で2走以上した馬もいるので、それを除くと14頭となる。
そのうち、インディジェナス、オリエンタルエクスプレス、ケープオブグッドホープ、ザイーテン、サラファン、ジョイフルウィナー、ナチュラリズム、フェアリーキングプローンの8頭は、はっきりと2回目(馬によっては3回目も)の来日時に成績が落ちている。
ハートレイクは2回の来日がいずれも1勝1敗だが、大目標の安田記念を取りこぼしているだけに、2回目のほうが良いとは言えない。アヌスミラビリスは、2回目の来日でも鳴尾記念で3着しているが、初回が毎日王冠1着だから若干のトーンダウン。サイレントウィットネスは安田記念3着→スプリンターズS・1着→翌年のスプリンターズS・4着で最後は下がっている。
純粋に2回目で良くなったのはブリッシュラック、ウィジャボード、エルナンドだが、後の2頭は2回目も3着だからだいぶ地味。全体としてはリスク面のほうが目立つ。
今年のグッドババは臨戦過程としては昨年より遥かにいいのだが、この「傾向」に勝てるかどうかがポイントだろう。