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【最終回】元JRA馬相手に健闘!桜花賞(SI)回顧&読者の皆様へ感謝の言葉

  • 2018年03月26日(月) 18時01分
ギャロップ翼

▲『ギャロップ翼』最終回に、笹川騎手の思いは?(撮影:高橋正和)


昨年4月から始まった1年間の密着期間が終了し、『ギャロップ翼〜TCK笹川翼の成長記』が最終回を迎えます。取材前の浦和開催では、騎乗機会4連勝を含む計7勝を挙げたほか、南関東牝馬三冠の1つ、桜花賞(SI)でも見せ場十分の逃げ粘りを見せるなどまさに絶好調。その理由を最後まで浮かれることなく冷静に自己分析したのち、読者の皆様への感謝の言葉と熱いメッセージを発信します。(取材・文:赤見千尋)


騎乗機会4連勝も!好調の理由を自己分析


――まずは浦和の桜花賞について振り返っていただきます。5番人気のアンジュキッスで逃げて2着に粘りました。初騎乗でしたが、どんな印象でしたか?

笹川 これまでのレースを見ていて、逃げ馬なんですけどガーッと行くタイプというより、ちょっとフワフワしているのかなという印象があって、初めてのマイルでも持つだろうなと思っていました。スタートはすごく速くてダッシュ力もあって、楽に逃げることができたんですけど、やっぱり3コーナー辺りで少しフワフワして。いつもそんな感じらしいので、そこは頭に入れていたので想定内でした。外から来る馬に被されないように、馬の気持ちを切らさないように気を付けて乗りました。

――そこから、4コーナーではいつの間にか後続を突き放しましたね。

笹川 あの辺りで後ろを見たら2馬身くらいあったので、一瞬「やったかな」と思ったんですけど、勝った馬(プロミストリープ)は強すぎました。もう並ばれた時には交わされていたので。でもアンジュキッスもよく踏ん張ってくれて、グラヴィオーラとの接戦を制して2着に残ってくれました。勝ちたかったですけど、今の段階で出来ることはやれたかなと思います。

ギャロップ翼

▲「一瞬“やったかな”と思ったんですけど、勝った馬が強すぎました」(撮影:武田明彦)


――笹川騎手といえば追い込みのイメージが強いのですが、重賞で逃げ粘るという新たな一面を見せてくれましたね。

笹川 そこは僕がどうとかよりも、馬に合わせてなので。特に追い込みにこだわっているわけではないです。ただアンジュキッスに関して言えば、逃げ馬なんですけど、逃げ馬に乗っているような感覚があんまりないんですよね。さっきも言いましたけど、道中フワフワしているので。まだまだ伸びしろがある馬だし、今後がすごく楽しみです。

――そして、浦和開催(3月19日〜23日)は7勝と絶好調でしたね! 特に20日には騎乗機会4連勝! 以前のインタビューで、「浦和はコースも展開も難しい」と仰っていましたが、その浦和で固め打ちできたことは大きいのでは?

笹川 まずはいい馬に乗せていただいているというのが一番ですけど、浦和がどうとかではなくて、馬とのコンタクトというか、騎乗している感覚がすごく上手くいっているので、自信を持って騎乗できていることが結果に繋がっているのかもしれません。

――具体的にはどんな部分が上手くいっているんですか?

笹川 馬の上での重心、バランスが、しっかりといいところで乗れるようになっているかなと。馬の背中から見て、後ろに自分の体重が残っているんじゃなくて、前に前に居続けることを意識して乗っていて。そのいいバランス、いいポイントにいられる時間が増えたんじゃないかなと思います。

――どのように改善していったんですか?

笹川 例えば中央の競馬を見ていて、レースはもちろんですけど返し馬も意識して見ているんです。やっぱり上手い騎手はそこのポイントを取るのがすごいなと思っていて。(クリストフ・)ルメール騎手や、(戸崎)圭太さんとか、徹底しているように見えます。そこに着眼点を置いて、どうやったら自分もいいポイントで乗れるだろうと考えた時に、まず返し馬から意識していったら、レースでもそのポイントで乗れる時間が増えたかなと。

 実は今、レギンスの色もルメール騎手と同じベージュにしているんです。自分とどこが違うかっていうのが、後から見た時にわかりやすいので。

――相変わらず意識が高いですね。

笹川 他にもいろいろな方を見て勉強させてもらっているんですけど、以前福永(祐一)さんの騎乗を見ている時には、同じエンジのレギンスにしてました(笑)。そうすると本当に違いがわかりやすいんですよ。もちろん、まだまだ全然及ばないですけど。

――昨年の後半は悩んだ時期があったと仰っていましたが、今は本当にいい流れですね。

笹川 でもまたそういう時期が来ると思います。悩む時期がないと、そこを克服しないと上には行けないので。それを繰り返しながら上を目指したいです。

「まだまだ伝えたいことがいっぱいある」


――今回で1年間の連載が最終回を迎えます。

笹川 淋しいですね。初めてコラムの連載をさせていただいて、とてもいい経験になりました。やっぱり言葉で伝えるのってすごく難しい世界なので、かみ砕いて話すことによって自分の勉強にもなりましたし、こういう場を作っていただいてとても有難かったです。1年の中でSI(東京プリンセス賞)を勝つこともできましたし、たまたまではなくて毎年勝てる騎手になりたいです。

――コラムに対する反応はありましたか?

笹川 ありましたね。見てくれた方から声を掛けていただきましたし、オーナーや厩務員さんからも「見ているよ」と言っていただいて。たくさん反響をいただいて嬉しかったです。

――では最後に、ユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。

笹川 1年間ありがとうございました。まだまだ伝えたいことがいっぱいあるので、またこういう機会をいただけるように頑張ります。今後も一生懸命努力していきますので、僕が成長していく姿を皆さんに見ていただけたら嬉しいです。本当にありがとうございました!

ギャロップ翼

▲「またこういう機会をいただけるように頑張ります。本当にありがとうございました!」



(了)

1994年7月17日生、新潟県出身。2013年4月7日に米田英世厩舎(大井)からデビューすると初年度から43勝を挙げ、NARグランプリ優秀新人騎手賞を獲得。重賞勝利に勝島王冠(15年)、船橋記念(16年)、ハイセイコー記念(16年)。

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