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ハピネスダンサー、エキストラエンド、フィエロなどフローラS、マイラーズC、福島牝馬S分析

  • 2014年04月23日(水) 18時00分


◆週末に行われる3重賞の最終追い切りの内容を解説

 今週はG1がお休み。来週が天皇賞・春になりますが、人気上位を形成するだろう3頭、キズナ、ゴールドシップ、ウインバリアシオンが、みなCコースで追い切りました。その内容に関しては、今朝のトレセンニュースで更新させてもらいましたが、どの馬も順調そのもの。昨年の同レース覇者フェノーメノなど、美浦所属馬の追い切り内容は未確認ですが、実力馬が順調なので、本当に楽しみなレースになりそうです。

 ここでは、週末に行われる3重賞の最終追い切りの内容を解説したいと思います。どのレースも、春G1に出走してくるだろう馬だけに、その前哨戦でどのような走りをするか、これもまた楽しみなレースとなるでしょう。

【フローラS/ハピネスダンサー】

 前走ミモザ賞を勝ったことで、関東圏への輸送をクリア。賞金的に心配もなく、レースに出走する態勢を整えることができるのは、繊細な3歳牝馬にとっては、大きなアドバンテージになるはず。この中間も意欲的に追い切り本数をこなしており、権利取りに万全を期するといった感じ。

 最終追い切りはCコースでマイネルティエラを追走する内容でしたが、最後は相手をぶっち切って先着。6F82.0〜5F66.9〜4F51.9〜3F37.2〜1F12.5秒は、前走時より速い全体時計となりました。レース当日に大幅な馬体減がなければ、陣営の意図した結果が得られる可能性が高いでしょう。

ハピネスダンサー

レース当日に大幅な馬体減がなければ、陣営の意図した結果が得られる可能性が高いハピネスダンサー(4月22日撮影)



【フローラS/ブランネージュ】

 チューリップ賞のレース内容を見る限り、上がり33秒台を要する瞬発力勝負は不得意な印象。よって、マイルよりは先行できる、1800m以上の距離で粘るレースがベストではないでしょうか。前走のレースがまさにその典型だと思います。

 タフなレース内容が得意だと思いますが、それを支えるのが、豊富な調教量。休養明けの3走前から、常にローテーションより多い追い切り本数を消化。今回もこれまでと変わらない本数をこなしています。そして今回は前走時とほぼ同じ内容で最終追い切りを終えており、東京競馬場への輸送があるからといって、緩めなかった点が大きく評価できると思います。

ブランネージュ

東京競馬場への輸送があるからといって、緩めなかった点が大きく評価できるブランネージュ(4月23日撮影)



【マイラーズC/エキストラエンド】

 京都金杯で初重賞制覇、開催が順延となった東京新聞杯も崩れずに2着。いろんな状況下に対応しながら、重賞で結果を出している近2走を見ると、このメンバーでは実績上位といったところでしょう。

 この中間の追い切り本数は標準的ですが、それは京都金杯と同じ。ただ、1週前追い切りでの動きは、ハーキュリーズに見劣るもので、決して素軽い印象ではありませんでした。画像が最終追い切り直前、川田将雅騎手が跨って、馬場入りを待っている様子。追い切りはハーキュリーズ、イサベル(フローラS出走予定)との3頭併せ。先週よりは見映えする内容でしたが、それならイサベルの手応えが断然。どちらも結果を出す可能性はありますが、どうしてもイサベルとの比較で、本馬の評価が下がってしまいます。

エキストラエンド

先週よりは見映えする内容でしたが、イサベルとの比較で評価が下がってしまうエキストラエンド(4月23日撮影)



【マイラーズC/フィエロ】

 重馬場で初のオープン特別。懸念材料は多数ありましたが、それを見事にクリアした前走の六甲S。また、2着につけた0.4秒差は過去5勝の中でも最大。今の充実ぶりを示すような勝ち方だったと思います。

 中3週ということもあり、在厩して調整された今回は叩いた上積みを十分に感じる調教内容。先週、そして最終追い切りは武豊騎手が騎乗。最終追い切りはセイルラージを追走しましたが、直線追い出されると、相手を突き放して先着。最終追い切り場所がCコースというのは、6走前(4歳上500万下2着)以来ですが、厩舎の調教スタイルを考えると、この追い切り場所の変化はむしろプラス。これまで変わりないパフォーマンス、もしくはそれ以上が期待できる仕上がりです。

フィエロ

変わりないパフォーマンス、もしくはそれ以上が期待できる仕上がりのフィエロ(4月23日撮影)



【福島牝馬S/キャトルフィーユ】

 1週前追い切り診断に記したように、最終追い切り前までは、少し物足りないようなところもあっただけに、最終追い切りの動きは見逃せないと思っていた馬。画像は22日の坂路馬場でのキャンターの様子ですが、非常に活気があって、良い雰囲気を感じていました。

 そして、23日の最終追い切り。Cコースで、3頭併せの最後方でしたが、道中のペースは少し遅め。そんなこともあって、最後は楽々前に追いついて、体ひとつ前に出ると、あとはその差を保ったまま先着。手応え抜群だっただけに、動きに関しては、申し分ない追い切りだと思います。ただ時計が、6F83.9〜5F68.1〜3F38.4〜1F12.2秒と少し遅めだった点だけが、判断の難しいところです。

キャトルフィーユ

時計が少し遅めだった点だけが判断の難しいキャトルフィーユ(4月22日撮影)



◆次走要注意

・4/19 福島11R ラジオ福島賞【ケツァルコアトル】(10人/5着)

 馬券総合倶楽部で狙い馬に挙げていましたが、10キロ減の馬体重からも、仕上がりは万全だったと思います。
 レースは完全に差し遅れた内容。流れに乗ったレースをしていれば、馬券圏内は確実。このクラスでも通用することは明らかです。ただ、ローカル競馬場がベストだと思うので、勝ち上がる場所は限定されるでしょう。

[メモ登録用コメント] [福島新潟ダート中距離]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

・4/20 阪神4R 3歳未勝利【ファイアーシチー】(6人/3着)

 馬を怖がる気性があるため、最後方に下げて、大外を回すというレースが続きます。それで成績が安定しているので、戦法としてはこれしかありません。今回もメンバー最速の上がりを使っています。
 問題は今後の狙い。直線が長いコースはいいと思いますが、新潟競馬場は左回り。中京競馬場での惨敗があるだけに微妙ではありますが、京都芝1800mあたりならベスト条件ではないでしょうか。

[メモ登録用コメント] [京都芝1800m]最終追い切りが栗東坂路で終い最速ラップなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・福島牝馬S【アグネスワルツ

 予想段階で◎を打つかどうかは別として、今朝の追い切りで動きが目立った一頭。前走時は、終いの伸びが物足りない内容でしたが、今朝は力強い走りが印象的。決して速い追い切り時計ではありませんが、あの走りのフォームなら、ゴール前までしっかり粘る逃走劇が可能でしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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