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ジェンティルドンナ、ウインバリアシオンなど宝塚記念分析

  • 2014年06月25日(水) 18時00分


◆netkeiba.comでの人気上位を中心にレポートをお届けします

 いよいよ、グランプリ、宝塚記念。出走頭数こそ少ないものの、軸になる馬が三つ巴の様相。そして、脇を固める馬も勢いがあったり、魅力があったり。栗東所属の出走予定馬も無事、最終追い切りを終えたので、netkeiba.comでの人気上位を中心にレポートをお届けします。

 なお、ゴールドシップに関しては、トレセンニュースの追い切り速報でお伝えしていること、また、明日更新の「激白」の中で私的見解を含めたインタビュー記事として調教について触れているので、そちらをご覧いただければと思います。

【宝塚記念/ジェンティルドンナ】

 週明けの「調教診断」でも触れたように、昨年と違って、帰厩時期が早いことは評価できるものの、中間に追い切りを行っていない週があります。これをどのように判断すればよいか、悩む時期もありましたが、1週前追い切りを見れば、あまり深く考えることもないだろう、つまり、順調に仕上がっていると見ました。

 そして、最終追い切り。1週前に引き続き、川田将雅騎手が跨っての追い切りでしたが、アルバタクスを追走して先着する内容。2F時計24.3秒は非常に速く、昨年の宝塚記念最終追い切り時の2F24.5秒より速い。あとは、最終追い切りで併せ馬を行ったのは、桜花賞(1着)以来という点。これは負荷を掛けたということで、評価したいところですが、直近の好走時と比較するという意味では、減点になってしまいます。

ジェンティルドンナ

ジェンティルドンナ(6月24日撮影)



【宝塚記念/ウインバリアシオン】

 天皇賞(春)の後は、ノーザンFしがらきに放牧へ出て、帰厩したのが、6月4日。レースまでの調整期間が1ヶ月なかったこともあり、追い切り本数は決して多くありません。ちなみに天皇賞(春)の場合、中4週で7本の追い切りをこなしていました。

 本数が少ないからといって、動きに不満はありません。1週前追い切りの時点でも、きっちり動けていましたが、最終追い切りは岩田康誠騎手が跨ったこともあり、及第点の走り。時計的には、この馬にしては、少し平凡な印象もあります。少し辛口な評価に聞こえるかも知れませんが、昨年の有馬記念の最終追い切りがド迫力だったので、それと比較するということです。

ウインバリアシオン

ウインバリアシオン(6月25日撮影)



【宝塚記念/ヴィルシーナ】

 前走後はリフレッシュ放牧に出され、栗東へ帰厩したのが、6月7日。前走の内容を見ていると、今までの惨敗が「気持ちの問題」だったことが、よく分かる結果。それだけに、一旦、勝利の味を思い出すと、軌道に乗ってくる可能性はあるでしょう。

 ただ、1週前追い切りは併せた相手がヴォルシェーブだったこともあり、完全に遊ばれました。相手が先週の1000万下で快勝したことを思えば、遅れた内容は評価を下げることはなりませんが、精神的に心配なところもあります。それをチェックした、最終追い切りは、坂路できっちりジェラルドに先着。これを見れば、余計な心配は必要ないかも知れませんが、ラスト2Fのラップの踏み方を見ていると、決して宝塚記念に適性が高いとは言えません。

ヴィルシーナ

ヴィルシーナ(6月24日撮影)



【宝塚記念/デニムアンドルビー】

 前走ヴィクトリアMは明らかな急仕上げ。それでいて、あそこまでのパフォーマンスができるのですから、よほど東京競馬場に適性が高いのか、それとも能力が高いのか。そのあたりは今回走ってこそ、見えてくるところでしょうが、とにかく、仕上がりとしては、今回が断然上だと言い切れます。

 1週前追い切りの時点で、弾けそうな動きができていましたが、最終追い切りの方が動きは目立ちました。3頭併せの真ん中で、全体時計は遅いものの、ラストは持ったままでハーキュリーズに先着。追い切りの本数から、中身が違うことは明らかですし、あとは、自分の競馬に徹して、どこまで差すことができるか、といったところでしょう。

デニムアンドルビー

デニムアンドルビー(6月24日撮影)



【宝塚記念/メイショウマンボ】

 1週前追い切りの時点で、前走時とは違う負荷の掛け方をしたので「今回は攻めの調教で仕上げてくるだろう」という読みで、今週の最終追い切りを注目していました。その読みは的中、最終追い切りには、前走時とは違って、武幸四郎騎手が跨って、坂路馬場で行いました。

 1回目のハロー明けということもあり、時計が出やすい状態であったことは間違いありませんが、ラスト2Fの走りっぷりは迫力十分。だからといって、折り合いを欠くようなところはなく、とにかく力強さが印象的なフットワーク。時計は4F51.9〜3F37.5〜2F24.4〜1F12.4秒で、数字的にも文句なし。この状態で、牡馬の一線級とどこまでやれるのか、注目の一戦です。

メイショウマンボ

メイショウマンボ(6月25日撮影)



◆次走要注意

・6/22 阪神5R 2歳新馬【タガノアラシ】(6人/5着)

 スタートから押してハナを主張する内容。追い切りでは併せ馬で渋太い動きをする印象があっただけに、私のイメージとは違うレース内容でした。
 次回はハナに行くような競馬にはならないと思いますし、今回のレースでダメージを受けていなければ、すぐに馬券になるはずです

[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切りで併せ馬先着なら勝ち負け

・6/22 東京10R 芦ノ湖特別【ヴォルシェーブ】(1人/1着)

 仕上がり状態に心配はなかったものの、東京芝2400mへの調教適性という意味では、エイダイポイント(2着)が上だったので、予想印は○評価になりました。
 しかし、レース結果は納得の1着。すでにノーザンF天栄に放牧に出され、この夏は北海道で過ごすようです。秋の大目標は菊花賞。仕上げは標準多め併用でお願いします。

[メモ登録用コメント] [菊花賞]標準多め併用系統の仕上げなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・3歳上500万下【フォルシャー】

 未勝利を勝ち上がったばかりですが、その勢いを示したのが、今朝25日のCWでの追い切り。川須栄彦騎手が跨りましたが、鋭い動きで、ラスト1F11.9秒。併せた相手を楽に交わしたのはもちろん、今の馬場でこの時計は非常に優秀です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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