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ラブリーデイ、ダコール、ベストウォーリアなど七夕賞、プロキオンS分析

  • 2014年07月09日(水) 18時00分


七夕賞の馬券的妙味は栗東所属の坂路調教馬

 今週の重賞は七夕賞とプロキオンS。七夕賞出走予定の栗東所属馬は少し前評価が低いような印象。しかし、先週のラジオNIKKEI賞と違い、福島競馬場で行われた過去9回の七夕賞の「栗東所属」の優勝馬は7頭。残り2頭が美浦所属馬ですが、いずれも1番人気の馬。もちろん、美浦所属でトラック調教の1番人気は評価しなければいけませんが、馬券的妙味は栗東所属の坂路調教馬でしょう。

 プロキオンSは中京ダート1400mで行われるようになって3回目。まだまだレースの調教傾向を掴むには、少ないサンプル数ですが、過去2回からは坂路調教馬が優勢に思えます。どちらの重賞も難解なレースになりそうですが、今朝の追い切りを含めたレポートをお届けしたいと思います。

【七夕賞/ラブリーデイ】

 3歳時にはCWでの追い切りを併用、というよりもCWでの追い切りがメインだった馬ですが、金鯱賞以降は坂路での追い切りがメインにシフト。これに関しては、特に目立った理由はないようですが、この中間は馬体面のこともあり、2週続けてCWで追い切りました。

 相手は先週と同じダノンカモン。相手の動きが少し緩慢ということもあって、2週続けてしっかり動いているように映ります。特に今週は川田将雅騎手が跨ったことが良かったように思います。実は近5走で馬券圏内に入った3走はすべてジョッキー騎乗(レースでのジョッキーと別でも可)での追い切り。そういった意味でも、最終追い切りの内容は評価できます。

ラブリーデイ(7月9日撮影)

最終追い切りの内容は評価できるラブリーデイ(7月9日撮影)


【七夕賞/ダコール】

 長期休養明けだった前走メイSは3着。レース間隔があいても、力を出せるタイプとはいえ、前走の走りは本馬の堅実さを示すような内容でした。前走時に比べると、動きが良化しているのが今回。長期休養明けの後、レース間隔を詰めると凡走することは珍しくありませんが、この馬の場合は適度な間隔をとっているのがよいと思います。

 最終追い切りは坂路で単走。いつも通り、際立つ点はなくても、無難に3F目が最も速くなるラップでフィニッシュ。4F52.9〜1F12.9秒はいつもと変わりないので、特に強調はできなくても、大崩れのない走りを期待できるのではないでしょうか。

ダコール(7月9日撮影)

大崩れのない走りを期待できそうなダコール(7月9日撮影)


【プロキオンS/ベストウォーリア】

 ハンデ頭の前走はエアハリファとの叩き合いに敗れてしまいましたが、好位置から抜け出す、安定したレースぶりは信頼できます。近走の最終追い切りでは、4F時計が53秒そこそこでしたが、画像の8日の坂路馬場でのキャンターを見ていると、元気いっぱいだったので、もう少し速い数字が出るかなという予測はしていました。

 最終追い切りは4F51.4秒。久しぶりにこれだけ速い数字が出ましたが、これは体調が良い証拠だと判断したいと思います。これは、昨年のJDDに次ぐ数字ですが、JDDの敗因を距離と片づけることができれば、この時計がオーバーワークという考え方にもならないでしょう。

ベストウォーリア(7月8日撮影)

久しぶりにこれだけ速い数字が出ましたが、これは体調が良い証拠だと判断したいベストウォーリア(7月8日撮影)


【プロキオンS/ノーザンリバー】

 坂路馬場に入るのは、時計を出す時しかなく、画像がありません。また、実質的な追い切りも坂路で7月6日に済ませており、最終追い切りは確認程度といった感じ。これで結果が出ている馬なので、いつものパターンと思ってください。

 7月6日の追い切りがこれまでにない、2F23.3秒という破格の時計をマーク。むしろ、その反動を心配した最終追い切りでしたが、いつもと変わらず、ラスト1Fが最速になるラップを踏んで、4F56.5〜1F13.2秒。状態に関して、特に文句をつける点はありませんから、あとは58キロとの戦いということになるでしょう。

【プロキオンS/サマリーズ】

 前走は1600万下ゆえに完勝のレース内容。2度目のコンビだった酒井学騎手との呼吸も合っていたように思いますし、ハナに立たずにレース結果を出せた点も今後に繋がったのではないでしょうか。

 最終追い切りも前走同様、DPを選択。前走と同じように酒井学騎手が跨りましたが、その動きは絶品。時計は5F64.4〜4F49.5〜3F35.9〜1F11.1秒で、素晴らしい動きでした。あとはすんなりと先行できて、前走からの1F延長距離を克服できればといったところ。ちなみにレース間隔が詰まることは全く心配ないと思います。

サマリーズ(7月9日撮影)

前走と同じように酒井学騎手が跨り、素晴らしい動きだったサマリーズ(7月9日撮影)


◆次走要注意

・7/5 函館5R 2歳新馬【サトノアッシュ】(3人/2着)

 ダッシュがつかず、後方からのレースになりましたが、4コーナーでの手応えは楽。直線短い函館競馬場でも差し届くと思いましたが、勝ち馬がよろめきながら伸びたため、この馬の進路はなし。
 最後は余力十分でフィニッシュして、メンバー最速上がりをマーク。次は楽に順番でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り函館Wでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・7/6 函館5R 2歳新馬【コンクエストシチー】(2人/11着)

 ハナに行く勢いで飛び出して、道中は勝ち馬の番手。脚色は五分だっただけに、直線の追い比べと思ったところを外に逃避。ちょうどカーブになっているところで仕掛けましたから、この結果も仕方ないかも知れません。
 調教本数も少なかっただけに、この負けは納得せざるえないかも知れませんが、次の芝で結果が出なければダートでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以上]標準以上の追い切り本数なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・【ローレルグランツ

 ここまで4戦して掲示板もなし。ダートとはいえ、タイムオーバーもあった馬だが、その要因は飼葉食いを気にして、強い追い切りができなかったことにあると陣営。

 今回は食べる食べないを気にすることなく、強い攻めをやっていると、かなり動けるようになってきた。肝心の飼葉もしっかり食べているとのこと。9日のCW6F80.2秒は十分に勝ち負けできる時計だと思う。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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