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マーティンボロ、メイショウナルト、オメガタックスマンなど新潟記念、小倉2歳S分析

  • 2014年09月03日(水) 18時00分


新潟記念と小倉2歳Sに出走予定馬の中間、最終追い切りの内容をレポート

 先週は土曜日、日曜日ともに、プライベートで新潟競馬場に参戦。新潟2歳Sのパドックを見ることができました。ミュゼスルタンは母父(フレンチデピュティ)の血が出ている、筋肉質の馬体。いかにもマイルは適性が高いという印象を受けましたが、上手な競馬をして、重賞を勝つことができました。

 アヴニールマルシェは新馬戦のパドックも見ることができましたが、当時と比べて、あまり馬体に張りがないように映りました。それでもメンバー最速の上がりを使って、2着に差してくるわけですから、やはり能力は相当高いのでしょう。個人的には暑い時期よりも、秋以降の方がぐんと良化してくるのではないかと思います。

 ただ、パドックで一番良く見えたのは、ヒルノマレット。踏み込みも深く、落ち着き十分でした。しかし、結果は10着。これには「中間、少しかわいがりすぎた」と調教が緩かったことを反省する北出成人調教師。次走は野路菊Sが予定されているようですが、そこへ向けては「しっかり仕上げます」ということなので、ちょっと期待してみたいですね。

 今週は各競馬場で重賞が行われます。ここでは、新潟記念と小倉2歳Sに出走予定の馬の中間、最終追い切りの内容をレポートしたいと思います。

【新潟記念/マーティンボロ】

 前走小倉記念の中間追い切りでは、いかにもアクシデント明けといった印象の残る調整と動き。このあたりは厩舎サイドも認めているところで、2着という結果は自身の地力以外にないと思います。

 それと比較して、この中間は雲泥の差。動きはもちろん、追い切り本数もしっかりこなせていますし、1週前追い切りも順調に消化。最終追い切りは、CWで3頭併せの最後方でしたが、直線は内に潜り込んで、先頭だったワールドインパクトに少し遅れたくらい。この馬の場合、併せ馬で遅れる、先着するという内容よりも、しっかり負荷を掛けるかどうかが重要。そういった意味では、ベストな最終追い切りだったように思います。

マーティンボロ(9月3日撮影)

前走と比較して動きはもちろん、追い切り本数もこの中間は雲泥の差のマーティンボロ(9月3日撮影)


【新潟記念/カルドブレッサ】

 新潟大賞典4着後のエプソムCが12着の惨敗。突如の凡走は珍しくないタイプですが、あまり連続好走ができないタイプなのかも知れません。昨年の新潟記念でも、その前走になる日本海Sを1着していましたから、今回のように、前走惨敗して、中間にリフレッシュしているのはよいローテーションかも知れません。

 追い切りはCWで単走。見た目には、決して速くないフットワークでしたが、実際には速い時計が出ていて、最後も余力十分にフィニッシュ。時計は6F79.7〜5F65.6〜4F51.9〜3F38.7〜1F12.2秒でしたが、これに似た、速い時計を出した2011年鳥栖特別が1着。このレースも9月でしたから、時期的にも動けるのかも知れません。

カルドブレッサ(9月3日撮影)

速い時計が出ていて最後も余力十分にフィニッシュしたカルドブレッサ(9月3日撮影)


【新潟記念/メイショウナルト】

 良くなってきたと感じた七夕賞を勝ち、その調子を維持しているかなと感じた小倉記念が3着。正直、そろそろお釣りがなくなってくる頃なのかな、と中間の様子を見ていますが、涼しくなってきたことも幸いしてか、まだまだ元気いっぱいだったのが、1週前追い切り。

 そして、最終追い切りも極端に時計を遅くすることはなく、前走時とほぼ同じ。CWを単走で、6F81.3〜5F65.6〜4F51.7〜3F38.5〜1F12.6秒。やっぱり終いの伸びが今ひとつ物足りない感じですが、今年はこれで好走を続けているので、馬券圏内という意味では、評価すべき馬でしょう。

メイショウナルト(9月3日撮影)

最終追い切りも極端に時計を遅くすることはなく前走時とほぼ同じのメイショウナルト(9月3日撮影)


【小倉2歳S/オメガタックスマン】

 今野貞一厩舎は2頭出しになりますが、週刊誌で人気しているのが、タガノヴェルリー。新馬勝ちは確かにタガノヴェルリーでしたが、今回はオメガタックスマンだろう、人気がない今回は面白いぞ、と思っていると、netkeiba.comの予想オッズはこちらが人気。やはりサイトファンの皆様、よくご存知です(笑)

 最終追い切りは前走時と同じ坂路。この中間は終い(ラスト1F)重点の追い切りでしたが、最終追い切りは前半から、ある程度スピードを出して、4F52.1秒。この数字は自己ベストを更新するものですし、2F24.5秒は2歳としては素晴らしい数字。文句ないと思います。

【小倉2歳S/タムロダイチ】

 デビュー前の追い切りは、CWでの併せ馬では目立たず、坂路でもラスト1Fが時計の掛かる印象。初戦から動けるかどうか、心配しましたが、レースはセンスある内容できっちり快勝。この中間、1週前追い切りは終い重点の追い切りで、きっちり動けていましたが、4F時計が遅かったので、最終追い切りをじっくり見守ることに。

 それが、時計は4F53.1秒と全体はそれなりの数字をマークしつつ、2F24.8〜1F12.3秒。この数字には、西園正都調教師も驚きの表情を隠さず「動いたね」と笑顔。1度レースを使ったことで、上積みが大きいのかも知れません。こちらは人気薄ですが、ぜひ馬券検討の対象にお考えください。

◆次走要注意

・8/30 新潟 2歳未勝利【ゴールドクェスト】(10人/12着)

 デビュー戦は出遅れて惨敗、今回は距離延長でプラスと思いましたが、レース内容はあまり変化がありませんでした。
 ただ、追い切りで動く馬であることは間違いなく、きっかけひとつで変わってきそう。宗像義忠厩舎の勝負調教は坂路ですが、この馬の場合は南Wか南Pで併せ先着してくれば、結果が出るのではないかとイメージしています。

[メモ登録用コメント] [新潟東京芝中距離]最終追い切りがトラックで併せ先着なら勝ち負け

・8/31 小倉 2歳新馬【パイオニアステップ】(2人/2着)

 ハナを切ってレースをするも、直線はレトロロックに楽に交わされて完敗。しかし、このレース内容に松永幹夫調教師は「スタート直後、出して行った時にハミを噛んだから、その分、終いが甘くなりました。それがなければ、もっと抵抗できたと思うんですよ」とコメント。
 あまり強気なコメントはしない師ですから、前半のロスはかなり大きかったということでしょう。このまま続戦して、未勝利に出走予定ですから、次は楽に勝てるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]松永幹夫厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【アクアブルーパサー

 3日のCWでの追い切りが初見でしたが、アロウィーバイオをかなり後方から追走する内容。新馬だと追いつくのがやっとですが、この馬の場合、4コーナーでの加速力が素晴らしく、あっというまに直線で並びかけます。
 ラスト1Fは13秒台を要してしまいましたが、その動きは新馬としては抜けています。あまり直線が長い条件よりも、立ち回りで他馬より優位に立てる条件の方がよいと思いますが、とにかく来週のデビュー戦は注目です。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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