スマートフォン版へ

ヌーヴォレコルト、ウリウリなど秋華賞、府中牝馬S分析

  • 2014年10月16日(木) 18時00分


 先週の毎日王冠は◎サンレイレーザーで複勝、馬連、3連複を的中。久しぶりにNo.1予想でも貢献できましたが、その大きなアシストは田辺裕信騎手。サンレイレーザーを担当する矢野調教助手の話では「思い切って行っていいですか?」と確認してきたとのこと。その思い切りのよさが、あの結果に繋がったと思います。

 よく、橋口弘次郎調教師が「同じ負けるにしても、納得できる負けでなければいけない」と口にしますが、それってなかなか難しいようです。田辺騎手に良い馬が回り、良い成績を残す要因には『納得できる』騎乗があるからではないでしょうか。

【秋華賞/ヌーヴォレコルト】

 ローズS1着後は栗東に滞在。早い時期からこの調整方法を宣言していたように、美浦所属馬にとって、秋華賞を制するには、栗東滞在が最も近道だと思います。実際、栗東滞在という調整があったからこそ、ローズSは休み明けでもきっちり仕上げる(=馬体が減る)ことができたのではないでしょうか。

 もちろん栗東の水が合わない可能性もありますが、15日の調整後の「もっと走らせて」とアピールするような仕草(画像)を見て、合っていないどころか、すっかり環境に慣れているという印象。最終追い切りの内容に関しては、トレセンニュースの内容を確認してください。とにかく文句なし、これで負けたらごめんなさい、です。

調教

すっかり環境に慣れている印象のヌーヴォレコルト(10月15日撮影)


【秋華賞/レッドリヴェール】

 ローズSは仕上がりは上々だったと思いますが、レース内容が道中をスムーズに運んで、直線伸び切れない内容。正直、あの敗因を掴めていないだけに、今回に対して、巻き返しがあるかどうか、判断できない部分があります。

 ただ、前走時の最終追い切りはテンから行って、終いは流す内容。これまで、坂路4F時計は遅くても、ラスト1Fはしっかりやるという内容だっただけに、追い切りが直接の敗因だとすれば、今回の最終追い切りの内容は終い重点なので、巻き返す可能性は十分。ただ、今回はあまりにも全体時計が遅すぎる(4F55.1秒)印象もあり、簡単に叩き2走目の上積みを強調するわけにもいきません。

【秋華賞/サングレアル】

 オークスで大きく減った馬体重が戻り切らず、406キロと依然細い体での出走となった前走ローズS。私には、緩んだ体に見えていただけに、たった6キロしか増えていないことにびっくりしましたが、9着のレース結果には納得でした。

 納得の理由は中間の追い切り。動きが緩慢としていて、とても休み明けから動ける印象はありませんでした。それに比べると、今回は動きに力強さがあり、馬体が増えているかどうかは全く気にならない走り。特に最終追い切りは攻め駆けするタガノグランパに楽な手応えで同入。たぶん、外から併せてこられると、きっちり伸びる馬だと思うので、内枠を引いて、馬群で詰まるようなレースができれば、そこをこじ開ける走りができるのではないでしょうか。

調教

今回は動きに力強さがあるサングレアル(10月16日撮影)


【秋華賞/ブランネージュ】

 前走は休み明けでしたが、坂路での追い切り本数は十分に足りていました。ただ、最終追い切りでは頭を上げて、行きたがる仕草。いかにも、テンションが高すぎる印象だっただけに、よくレースは4着に走ったという印象です。

 それに比べると、今回の追い切りは実にスムーズ。これなら前走以上のパフォーマンスを期待してよいと思いますし、あとはどんなレースをするか。追い切り本数が多く、スタミナは十分なタイプだと思うので、4コーナーでは先頭に立つくらいのレースが理想でしょう。

調教

前走以上のパフォーマンスを期待できるブランネージュ(10月16日撮影)


【府中牝馬S/ウリウリ】

 前走ヴィクトリアMは最悪の枠順で16着。8キロの馬体減も敗因のひとつでしょう。3歳時アネモネSでも馬体を大きく減らしたように、輸送には弱いタイプとのこと。ただ、東京競馬場は今回で2度目。慣れが見込めれば、馬体を減らすこともないでしょう。

 そういったリスクがありながら、16日の木曜追い。ラスト重点で、時計は4F58.2秒と遅くなりましたが、そんな時計でも引っ掛かることがなかったのは、強調できる材料でしょう。輸送前に大きめを乗ったと思えば、ちょうどよい感じ。枠順さえよければ、十分に巻き返しできると思います。

調教

枠順さえよければ十分に巻き返しできるウリウリ(10月15日撮影)


◆次走要注意

・10/11 東京 3歳上500万下【パリカラノテガミ】(14人/7着)

 内枠だったこともあり、脚をためるレースで7着。松岡正海騎手の乗り方は最高でしたし、これ以上のパフォーマンスは期待できないかも知れません。ただ、上がり時計が速すぎたことが馬券に絡めなかった要因でしょう。
 もう少し流れるレースになれば、確実に馬券圏内に入ると思いますし、理想は追い切り本数の強化です。

[メモ登録用コメント] [東京芝1800m]追い切り本数が多ければ勝ち負け

・10/12 東京 2歳未勝利【エグランティーナ】(4人/7着)

 馬券総合倶楽部で狙い馬に取り上げましたが、その理由は秋開催東京芝1600mの鹿戸雄一厩舎。本馬も先行して、馬券圏内は確保できる感じでしたが、直線は追うに追えないような展開。
 これで人気を下げるようなら、馬券的には絶好の狙い目。もちろん、東京芝1600mに出走すればの話ですが。

[メモ登録用コメント] [東京芝1600m]調教タイプが馬ナリ平均併用なら勝ち負け

◆今朝(15日)の追い切り特報

・2歳未勝利【アンバーグリスキー
 新馬戦の最終追い切りは併せた相手がサウンズオブアースということもあり、遅れる形になりましたが、今回はレースを1度使ったこともあり、CWで追走してきたノーブリーを抜かせない動き。
 単純に抜かせないだけでなく、迫られるとそれに合わせて伸びるところが推奨理由。よほどのことがないかぎり、きっちり勝ち上がってくれるでしょう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング