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ジェンティルドンナ、エピファネイア、マーティンボロなど天皇賞・秋分析

  • 2014年10月29日(水) 18時00分


客観的な調教データと主観的な追い切りから感じたままに◎を選べれば、と思っています

 スプリンターズS、秋華賞、菊花賞。秋のGIが3戦終了しましたが、◎の成績は2着1回、着外2回。もちろん、馬券は的中していませんし、そろそろ当てたい、と思う気持ちが本音です。しかし、当てたいと思って、当てたことがないというのが自分(笑)。あまり結果を気にせず、客観的な調教データと、最終追い切りを含めた主観的な追い切りから、感じたままに◎を選べれば、と思っています。

 先週までの結果から、顕著な調教傾向をひとつ。500万下の京都ダート1800mは4回開催で6レースありましたが、すべて坂路調教馬での決着。これは馬券戦略で非常に重要な役割を果たしてくれると思うので、今週こそ、この条件を馬券総合倶楽部で取り上げて、結果を求めたいところです。

【天皇賞秋/ジェンティルドンナ】

 トレセンニュースにも記載しましたが、1週前追い切り、戸崎圭太騎手が跨った時に、これまで見せたことのない「舌出し」で走ったジェンティルドンナ。私はこの意味を理解できずいますが、28日、画像の普通キャンターの時に舌を出していなかったので、ひょっとすると、戸崎騎手が乗るとそうなるのかも知れません。

 最終追い切りでも舌出しはなし。追い切り内容は見栄えこそしませんでしたが、時計的にはきっちり動けています。

ジェンティルドンナ(10月28日撮影)

追い切り内容は見栄えこそしませんでしたが、時計的にはきっちり動いているジェンティルドンナ(10月28日撮影)



【天皇賞秋/エピファネイア】

 大阪杯の中間追い切りでは負荷の軽い内容に疑問を感じていることを当コラムでも記していましたが、今回もほぼ同じ内容です。ただ、今回は2週前追い切りで強烈に速い時計をマーク。その後は、遅い時計の追い切りにとどめているという点が違います。

 折り合いに心配があるというイメージですから、これだけ落ち着いて走れていることに好感は持てます。ただ、この追い切りの積み重ねで、休み明けのGI、しかも天皇賞(秋)を走ることができるのか。馬に最善策の追い切りではあるのでしょうが、レースに適した調教だとは言い切れません。

エピファネイア(10月29日撮影)

馬に最善策の追い切りではあるのでしょうが、レースに適した調教だとは言い切れないエピファネイア(10月29日撮影)



【天皇賞秋/デニムアンドルビー】

 ヴィクトリアMはドバイ遠征帰りで、仕上げ途上だったと思いますが、それでも勝ち馬からは0.4秒差のレース内容。ひと叩きして、上昇を感じた宝塚記念が5着も、勝ち馬から0.7秒差という着差を考えると、やはり東京競馬場に対する適性の高さを感じます。

 今回の中間も決して早い時期から準備したというわけではなく、休み明け組では、少し始動が遅いくらい。それだけに攻め馬の動きはいつもほどでないというのが、個人的な印象です。最終追い切りも3頭併せの真ん中で、まずまずの動き。ヴィクトリアMの最終追い切りと比較すれば、断然、今回が上ですが、昨年のジャパンC時との比較では下という感じ。

デニムアンドルビー(10月29日撮影)

ヴィクトリアMの最終追い切りと比較すれば、断然、今回が上ですが、昨年のジャパンC時との比較では下という感じのデニムアンドルビー(10月29日撮影)



【天皇賞秋/マーティンボロ】

 友道康夫調教師が「8月生まれといっても、単純に半年遅れというだけでなく、育成での環境の違いを考えると、今が4歳の秋と思って、ちょうどいいくらい」と話すように、今年に入ってから、ようやく充実した成績になっています。

 最終追い切りは先週と同じく川田将雅騎手が跨っての内容。全体時計の速かった先週は併せ馬で遅れましたが、今週は最後まで余力十分の動き。併せた新馬アドマイヤスターがよく頑張ったという印象のある追い切りでしたが、この馬自身もきっちり走って、6F83.0〜5F68.5〜4F54.3〜3F39.7〜1F12.1秒という時計。抜かりない仕上げで、初めてのGI挑戦ということになりそうです。

マーティンボロ(10月29日撮影)

抜かりない仕上げで、初めてのGI挑戦ということになりそうなマーティンボロ(10月29日撮影)



【スワンS/ミッキーアイル】

 早々に同レースを目標に栗東へ帰厩。追い切り本数をしっかりこなして、ここまで調整を進めてきた印象です。馬体は成長分なのか、ひと回り大きくなった印象。ただ、音無秀孝調教師の話では、数字的には変わっていないとのこと。

 最終追い切りは浜中俊騎手が跨って、坂路で単走。左埒沿いをスムーズに加速していましたが、最後は少し埒を頼るような様子を見せていました。時計が4F51.1〜3F37.5〜2F24.9〜1F12.7秒と、2F目から12秒台のラップを刻んだことが原因かも知れませんが、ラストは13秒要していないので、まずまず合格点でしょう。ハナに行かないレースを希望している調教師ですが、あとはどんなレースをするのかでしょう。

ミッキーアイル(10月28日撮影)

ラストは13秒要していないので、まずまずだったミッキーアイル(10月28日撮影)



◆次走要注意

・10/25 東京 アイビーS【スワーヴジョージ】(4人/2着)

 札幌2歳Sでの惨敗で人気はしていませんでしたが、栗東での追い切りの動きから、今回のレースが本当の試金石だったような気がします。
 勝つことはできませんでしたが、メンバー最速の上がりを使って2着。使っていけば、もっと良くなっていくと思うので、重賞でも十分通用するでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1800m以上]標準多め系統の調教タイプなら勝ち負け

・10/26 東京 甲斐路S【サトノフェラーリ】(2人/8着)

 秋開催東京芝1800mの藤沢和雄厩舎ということで、馬券総合倶楽部の狙い馬にも取り上げました。調教内容も文句なし、人気でも勝てると思いましたが、直線は全く追うことができずの惨敗。
 力を出し切っていないことは明らかなので、再び乗込併用で仕上げて、東京芝1800mに出走してくれば、今度こそ。

[メモ登録用コメント] [東京芝1800m]調教タイプが乗込併用なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【ストリークライト
 1週前追い切りのCWでの動きが目立っていましたが、今朝(29日)の最終追い切りであらためて、その動きの良さが際立っていました。鞍上、川須栄彦騎手が促すと即座に反応するあたりが新馬らしからぬところ。
 11月2日(日)京都芝1800mでのデビュー予定ですが、人気がなければ、ぜひとも単勝で買ってみたいところです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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