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ジェンティルドンナ、ハープスター、ジャスタウェイなどジャパンC分析

  • 2014年11月27日(木) 18時00分


先週は理論通りの馬が掲示板を占めたことで、早く来年のマイルCSの予想がしたいと思えた

 先週のマイルCSは「栗東坂路でのラップの踏み方」を予想の基本として、それに該当したダノンシャークとフィエロで決着。もちろん、どちらも印を回していましたが、◎エキストラエンドが差して間に合わずの5着。5日目12Rのラインハートに騎乗した岩田康誠騎手のコース取りを見た時に『明日はここを狙っているんだろうな』と思いましたが、その時にはすでに予想を配信しており…。そこまで読んで、◎を打つべきだったかも知れません。

 ただ、理論通りの馬が掲示板を占めたこと(グランデッツァ以外の4頭)で、これまで手応えがなかったマイルCSにひとつの区切りをつけることができたというのが、自分の実感。もちろん、予想を的中し、参考にしたくださった方が満足していただけることが第一ですが、ひとまず、早く来年のマイルCSの予想がしたいと思えたことは、一歩前進です。

【JC/ジェンティルドンナ】

 1週前追い切りは、R.ムーア騎手が跨って、併せ馬できっちり先着。その動きは静かなものでしたが、表情は闘志に溢れており、ジョッキーが馬の性格を褒めるのも、よく分かる気がします。昨年と同じローテーションだけに、同じような調教ができるかどうか。これに注目していましたが、1週前追い切りは文句ありませんでした。

 そして、最終追い切りも昨年と変わりありません。ラスト1Fの時計が遅いことを心配した昨年ですが、結果は出ました。よって、同じような数字なら問題ないと判断すべきでしょう。昨年が4F53.8秒、1F13.0秒に対して、今年は4F53.3秒、1F13.0秒。このレースがラストランになる可能性が高いと思いますが、有終の美を飾るにふさわしい仕上げです。

ジェンティルドンナ(11月18日撮影)

このレースがラストランになる可能性が高いと思いますが、有終の美を飾るにふさわしい仕上げのジェンティルドンナ(11月18日撮影)



【JC/ハープスター】

 トレセンニュースでもお伝えしましたが、最終追い切りはラストインパクト圧勝。乗り手の手応えだけでなく、体の使い方も含めて、京都大賞典を勝ったラストインパクトの勢いを感じる内容でした。ハープスター自身、追い切りで動かないタイプではないことも、評価できない理由のひとつ。

 そもそも、栗東に戻ってきてからの雰囲気が悪かっただけに、私の主観が凝り固まってしまっているのかも知れません。凱旋門賞でゴール直前に見せた末脚は素晴らしかったと思いますし、能力はこのメンバーでも劣るどころか、最上位の評価でもよいでしょう。しかし、調教捜査官として評価するのであれば、やはり今回に限っては日本で走った過去7走の中で最も低い評価をしなくてはいけないでしょう。

ハープスター(11月27日撮影)

今回に限っては日本で走った過去7走の中で最も低い評価をしなくてはいけないハープスター(11月27日撮影)



【JC/ジャスタウェイ】

 あくまで個人的な見解ですが、11月11日に吉澤ステーブルWESTから栗東へ入厩してから、馬体の印象は決して悪くありません。しかし、動かしてみると、意外と動けない。それが継続しているのが、1週前追い切りでした。

 最終追い切りは動けるかも知れないという期待を持って、その動きを見守りましたが、ローブティサージュに先行したにも関わらず遅れ。相手の調子の良さを強調する内容になってしまいました。特別、時計が速いわけではなく、むしろ遅いくらい。こちらもハープスター同様、調教の評価だけではメンバー下位になってしまいます。

ジャスタウェイ(11月18日撮影)

時計が速いわけではなく、むしろ遅いくらいで調教の評価だけではメンバー下位になってしまうジャスタウェイ(11月18日撮影)



【JC/ワンアンドオンリー】

 1週前追い切りはダノンメジャーに先行したにも関わらず、馬なりの相手に交わされて遅れ。この内容を見ると、菊花賞の疲労があったのだろうと推測しました。しかし、最終追い切りでは思った以上に動いた内容。正直、その判断に迷っています。

 まず、グレイスフルリープを追走したことに驚き。攻め駆けする相手だけに、追いつくのがやっとだろうと思っていましたが、ラスト1F地点では楽に並びかけました。追い出してからの伸びはひと息に映りましたが、もともと併せ馬では動かないタイプ。最後の手応えが見劣った点は気にしていません。とにかく、追走しようとした併せ馬の内容を評価したいところ。

ワンアンドオンリー(11月18日撮影)

もともと併せ馬では動かないタイプで追走しようとした併せ馬の内容を評価したいワンアンドオンリー(11月18日撮影)



【ラジオNIKKEI杯京都2歳S/ティルナノーグ】

 前走は大きく体重が増えていましたが、これは成長分。レース翌週に馬房にお邪魔した時に「レースが終わってからの方が、飼葉をしっかり食べています」と松永幹夫調教師から聞いた時に、この馬の本当の凄さを感じました。

 この中間も調教欄に追い切り本数は多くありませんが、普段の運動量はしっかり。だからこそ、雨で重くなった坂路馬場でも、力強く駆け上がってくることができるのでしょう。個人的にはダノンメジャーとの一騎打ちになると思っていますが、今回も結果を出してくれるはずです。

◆次走要注意

・11/23 東京 2歳未勝利【ミュゼゴースト】(6人/5着)

 パドックでは18頭中、最も雰囲気を出して周回。見た目の仕上がり状態も決して悪くなかったと思います。道中の位置取りも悪くなく、それなりに伸びています。
 久しぶりの実戦も影響したと思うので、追い切り本数を強化した次走は一変してくる可能性が大。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]追い切り本数標準で最終追い切り併せ先着なら勝ち負け

・11/24 東京 東京スポーツ杯2歳S【スワーヴジョージ】(6人/6着)

 外枠だったこともあり、スタートから出して、位置を取りにいったことはありますが、それ以外のレース内容はほぼパーフェクト。それでも差し比べで負け、後ろから差されたことを考えると、上がり33秒台の脚が求められる決着は厳しいのかも知れません。
 だからといって、コーナー4つのレースでは立ち回りで遅れてしまう可能性もあり、今後の戦い方は厳しいと思いますが、性能は間違いなく重賞級です。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]標準多め併用なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【エトランドル
 来週デビュー予定ですが、内田博幸騎手が手綱を握ったCWでの動きが抜群。前半を飛ばしていたので、一緒に見ていた友道康夫調教師に「終いは止まるかも知れませんね」なんて言ってしまいましたが、最後まで力強い走り。これは走りそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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