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フィエロ、ミッキーアイル、フルーキーなど安田記念調教分析

  • 2015年06月03日(水) 18時00分


安田記念出走馬を中心に、鳴尾記念の穴馬など注目馬の最終追い切りを分析!

 日本ダービー。競馬予想TV! の出演こそありませんでしたが、ダービー前日、そして当日ともに東京競馬場でお仕事させていただきました。すでに前日からダービーの雰囲気が漂っていて、当日は、朝からすごい熱気。日本ダービーという特別なレースが行われる日に東京競馬場で仕事ができる、そんな喜びを感じていました。

 しかし、予想は◎リアルスティール4着。申し訳ございません、としか言えません。私のレースイメージでは、同じ勝負服の染め分け帽より後ろという画はなかっただけに、1コーナーを回った時点で、この結果は覚悟していました。それにしても、ドゥラメンテは素晴らしいレースを見せてくれました。また、調教的にはサトノラーゼン。牡馬でも4F追い切りを結果を出す池江泰寿厩舎。本当に参りました。

【安田記念/フィエロ】

 マイラーズCから安田記念というローテーションは昨年と同じ。しかし、中間の追い切り本数は今回の方が少ないので、その点について疑問を感じていましたが、共同記者会見での藤原英昭調教師が「今日やったからといって、馬の状態が変わるというレベルではない」という言葉で納得。中間に本数をやる必要がなかったのだろうと感じました。

 最終追い切りもパターンが違います。昨年はCWでしたが、今回は坂路。戸崎圭太騎手が跨って、自己ベストの4F51.4秒をマーク。しかも併せ馬ですから、最終追い切り自体の比較では、今回の方が負荷がかかっていると思います。マイラーズCからのローテーションは同じでも、それまでの過程が違う、それを象徴するような最終追い切りだったのではないでしょうか。あとは天候と枠順、これに尽きるでしょう。

フィエロ(6月2日撮影)

フィエロ(6月2日撮影)



【安田記念/ミッキーアイル】

 NHKマイルCを勝っての挑戦だった昨年は逃げ一辺倒の競馬で惨敗。今年に入り、脚質転換に成功、その結果、勝つことはできなくても、2着3着と堅実な走りを見せることができています。

 これを支えるのが、普段の調教。追い切りでなくとも、馬の後ろで我慢して走ることを覚えさせ、徹底して「差す」イメージを馬に植え付けています。最終追い切りは馬場入りで行きたがるようなところを見せましたが、それ以外はスムーズ。最後はサンライズスマートを捕まえることが微妙な位置取りでしたが、きっちり伸びたあたり、調教の賜物。昨年とは全く違うイメージでのレースになるでしょうから、好勝負は必至です。

ミッキーアイル(6月3日撮影)

ミッキーアイル(6月3日撮影)



【安田記念/フルーキー】

 キャリア13戦の5歳馬。思えば、3歳秋は追い切りで素晴らしい動きを連発し、将来はマイル重賞を勝てる馬と意識。残念ながら、まだ重賞を勝つことはできていませんが、近4戦の重賞はすべて掲示板。素質の高さは明らかですし、マイルGI初挑戦となる今回が絶好の狙いごろかも知れません。

 しかし、自分のテンションは1週前追い切りの動きで控えめに。そして、最終追い切り。シャドウダンサーとエキストラエンドを追走する流れで、エキストラエンドが早々に脱落し、最後はシャドウダンサーと同入。動き自体は先週よりも良く見えましたが、時計は6F91.5秒と超遅め。馬場が悪かったことを考慮して、ここまでゆったりした追い切りにしたのだと思いますが、京都金杯時に追い切り時計が遅くて、レースで引っ掛かったことを思い出してしまいました。

フルーキー(6月3日撮影)

フルーキー(6月3日撮影)



【安田記念/ダノンシャーク】

 マイラーズCを自重して、安田記念に照準を合わせてきた中間。非常に丁寧に調教されている印象があって、その分、1週前追い切りの5月28日に目一杯追って、帳尻を合わせてきたように思いました。しかし動きが良かったことを思えば、あの攻めで正解だったと思いますし、そもそも昨年の安田記念ではあわやと思わせるレース内容を見せているだけに、今年こその意気込みでしょう。

 最終追い切りはマイルCSの最終追い切りくらいのイメージで見ていましたが、案外軽い内容。1週前にCWで追い切ったのは、昨年の安田記念と同じなので、それと比較しても、今回は軽い。関屋記念で4F55.0秒で2着したことがあり、当時も当コラムで低い評価だったことを思えば、今回の判断も誤っているかも知れませんが、GIでの好走比較という意味では、やはり今回は評価できません。

ダノンシャーク(6月3日撮影)

ダノンシャーク(6月3日撮影)



【鳴尾記念/マジェスティハーツ】

 人気のない本馬を取り上げさせてもらった理由は追い切り内容。前走のレース内容でも、直線かなり内にもたれるところを見せたとのことで、今回から枝バミとブリンカーを着用してレースに出走する予定。その試走として、レースでも騎乗予定の武幸四郎騎手が跨って、CWでラスト1Fをしっかり追うという内容でした。

 レースだと、追われてもたれますが、やはり追い切りでは気になりません。時計は6F82.1〜5F66.2〜4F51.7〜3F38.4〜1F12.0秒と素晴らしかったですし、動き自体はこの休み明けで一番目立っています。今回で走らなければ、くらいの気持ちで見守りたいと思います。

マジェスティハーツ(6月3日撮影)

マジェスティハーツ(6月3日撮影)



◆次走要注意

・5/30 京都 3歳未勝利【メモリーオブハース】(9人/6着)

 須貝尚介厩舎の勝負調教ということで、馬券総合倶楽部の狙い馬に挙げましたが、道中は馬群でじっと我慢。前が狭くなるシーンがあり、位置取りが下がったことで、結局直線の攻防には加われませんでした。
 ただ、未勝利ならいつでも勝てるだけのスピードがありそうなので、次回も軽い芝の中距離戦なら。

[メモ登録用コメント] [芝マイル以上]須貝尚介厩舎の勝負調教に該当

・5/31 東京 目黒記念【アドマイヤスピカ】(3人/9着)

 このレースの1着、2着は標準多め坂路。坂路調教のパワーが必要なレースだったような気もしますし、この馬自身が直近の2勝が標準多め併用。それを考えると、今回の標準トラックでは調教不足だったと判断してよいでしょう。
 休み明けに適性がなかったとも考えることができるので、この夏場に標準多め併用で出走することがあれば、自動的に狙ってみたいところ。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]標準多め併用なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【リッチゴールド】
 3日のCWでの動きを見ていると、どうして未勝利なのか分からないくらい。ブリンカーを着用して成績が上昇していることを思えば、気性の悪さがあるのかも知れません。
 3日は13秒台のラップを刻みながら、最後まで止まらない動き。6F79.8秒は優秀ですし、すぐに勝ち上がっても、なんら不思議ありません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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