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桜戦線、2歳女王を脅かす存在アリ!? 追い切りチェック!

  • 2016年04月06日(水) 18時00分


シンハライトは「前走以上」

 トレセンニュースでもたくさん記事を書かせていただいた今朝6日のトラック馬場での追い切り。朝一番のミッキークイーンから始まって、調教時間中、ずっと重賞ウイナーやG1出走予定馬が追い切っている感覚。この合間に顔見知りの関係者の時計を頼まれたりして、ほんと忙しい時間ですが、お天気も良く、こんな日はすがすがしい気持ちになれます。

 逆に予想で困るのが、それぞれの馬の順位付け。客観的な調教データを優先する場合もありますが、やっぱり自分で見た印象は大切にしたいので、印の打ち方が難しくなるんですよね。特に皐月賞の1週前追い切り。サトノダイヤモンドは決して悪くない、むしろいい追い切りだったと思います。しかし、その前にマカヒキの追い切りを見せられてしまったので、完全に印象の薄い追い切りになってしまいました。

 今回は桜花賞の最終追い切りのみにする予定でしたが、ジュエラーを速報でお伝えしたので、その分、阪神牝馬Sのミッキークイーンを掲載しました。今年から距離が1F延長した分、ヴィクトリアマイルに直結するレースになりそうなだけに、ちょっと注目していただきたいですね。

【桜花賞/シンハライト】

 まずこの画像を撮影した5日の時点で、すごく馬が良くなっているという印象を受けていましたが、それは馬体だけでなく、表情が凛々しくなっているということ。鋭い眼光は女王にふさわしい面構えをしているような気さえします。

 そして、最終追い切りは池添謙一騎手が跨っての併せ馬。もともと、併せ馬では先着するタイプですが、6日の動きも圧巻。相手のイフリートがさほど動かないこともありますが、あっさりと先着。4F51.9秒は自己ベストを更新しましたし、前走以上の状態だといってよいのではないでしょうか。

シンハライト(4月5日撮影)

前走以上の状態だといってよいシンハライト(4月5日撮影)



【桜花賞/ラベンダーヴァレイ】

 前走チューリップ賞は4ヶ月ぶりのレースにも関わらず追い切り本数が少なく、しかも最終追い切りも軽い内容。全体的に見ても、藤原英昭厩舎らしくない仕上げだっただけに、馬券的には完全軽視でしたが、レースセンスだけでは片づけることができない馬群での競馬を見せられて、この馬の可能性を感じました。

 この中間は追い切り本数を増やしてくるかも、と思いましたがそれはなし。その分というわけではないでしょうが、1本あたりの負荷はしっかりかけられています。特に6日のCWは5F追い切りでしたが、向正面の時点で「前走と全然違う」と感じたくらい。先行していたダノンルージュを交わすと最後は突き放して先着。ここまで攻めることができたのは、きっと状態面に不安がないからだと思うので、レース当日の馬体重が前走比で減っていなければ、勝ち負けも期待したい存在です。

ラベンダーヴァレイ(4月6日撮影)

当日の馬体重が減っていなければ、勝ち負けも期待したいラベンダーヴァレイ(4月6日撮影)



【桜花賞/レッドアヴァンセ】

 前走は馬体重うんぬんもあったと思いますが、大外枠は厳しかったと思いますし、なにより最終追い切りがあれだけ遅い時計になってしまったことが敗因だと考えています。実際、未勝利、エルフィンSを勝った時の最終追い切り栗東坂路4F時計は52秒台ですから、前走の4F55.3秒は遅すぎます。

 前日に音無秀孝調教師から話を聞いた感触では、4F52秒くらいの追い切りになるだろうと思っていましたが、4F51.8秒とほぼ思った通りの数字。確かに全体はイメージ通りでしたが、2F24.5秒、1F12.1秒の時計は意外。こんなに速い数字をマークするとは思っていなかっただけに、それだけ状態が良いのだと判断したいところ。

レッドアヴァンセ(4月5日撮影)

速い数字をマークできるほど状態が良いレッドアヴァンセ(4月5日撮影)



【桜花賞/アットザシーサイド】

 前走は2勝を挙げている芝1400mだけにどんな競馬をするか注目していましたが、メンバー最速上がりを使っての2着。追い切り本数が少ない状態だったので、差して届かない競馬はマイルのここへ向けて、ちょうどよい負け方だったように思います。

 時計の出し方は浅見秀一厩舎らしく、日曜日にやって、最終追い切りは終い重点。そのパターンは前走も今回も変わりなし。そういった意味で前走と変わりない状態で出走することはできそうですが、レースでの戦法は脚をためて差すしかないでしょう。それで馬券圏内に食い込むことができるかどうか。

【阪神牝馬S/ミッキークイーン】

 JCは8着に敗れたとはいえ、勝ち馬からは0.3秒差。初めて連対を外してしまっただけに、大負けの印象がありますが、着差を考えたら、さほど負けていません。ここを目標に早目に栗東へ帰厩していることもあって、中間の動きは機敏に思えます。そのあたりが最終追い切りは4F追い切りで十分といったところになったのでしょう。

 朝一番、走りやすい馬場だったこともありますが、先行していたトーセンレーヴを楽に捕まえて同入。追う相手に対して馬なりという手応えの良さが目立っていましたし、時計は4F54.8〜3F39.5〜1F12.2秒と遅めでも全く問題なし。久しぶりのマイル戦になりますが、仕上がりに関しての不安はないといってよいでしょう。

ミッキークイーン(4月6日撮影)

仕上がりに関しての不安はないミッキークイーン(4月6日撮影)



◆次走要注意

・4/2 船橋S【アブマーシュ】(10人/7着)

 No.1予想でも取り上げたレースですが、-12キロであのスタートを見れば、完全に馬券になったと思っちゃいますよね。それが勝負どころで置かれてしまい、掲示板にすら乗れないとは。
 やり方ひとつで、いくらでも馬券圏内に入れたと思いますし、併用調教なら中山でなくとも1200mなら大丈夫。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]馬ナリ平均併用なら勝ち負け

・4/3 大阪杯【レッドレイヴン】(8人/7着)

 追い切り本数が多く、最終追い切りの時計がもう少し速ければ、ベストの仕上げという状態。7着ですが、これだけ速い上がりを使えているということは完全復調したとみてよいでしょう。
 次走も乗込併用で出走して、最終追い切りの時計がもう少し速ければ、メンバー弱化であっさりと勝てるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]乗込併用なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・NZT【マディディ】
 前走を見ていても、凌ぎ合いになるようなレースは得意。きっとそんなレースになるでしょうし、この馬自身の状態が上向いています。
 6日の追い切りには、レースで騎乗予定の三浦皇成騎手が跨りましたが、これまで以上に真面目に走っていた印象。この乗り役は手が合いそうですし、癖も掴んでくれたようなので、早目の競馬をして、アストラエンブレムと追い比べるようなレースができれば。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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