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ベルカント、連覇の可能性を最終追い切りでチェック!

  • 2016年08月17日(水) 18時00分


プリンセスムーンは状態キープを主眼とした調整か

 ここしばらくはずっとぼやきっぱなしだった当コラムの冒頭。そのうっぷんを晴らすかのように、競馬予想TV!で予想した3レースがすべて的中。もちろん、ウマい馬券でも的中となりました。先週は3着4着の悶絶をお伝えしましたが、新潟12Rは逆に3着だったからこその12万超え。同じスタイルで予想を続ければ、浮き沈みはあって当然ですよね。

 今週は北九州記念。本命候補に考えていた馬たちが、客観的調教データの本命理由に該当しません。これは困ったと思ったところにベルカントの素晴らしい動き。単勝1倍台でもここは不動の◎かと思いましたが、よくよく調べてみれば、他の馬に◎を打つ手があるではないですか。その候補馬については下記を読んでいただければ分かると思いますし、当然、最終的にはウマい馬券で結論を出します。

【北九州記念/ベルカント】

 昨年と同じローテーションでの出走。しかし、大きな違いは前走後の時計の出し始め。北九州記念の1週前で4F52.4秒と速い時計を出していましたが、今年は1週前追い切りはなし。日曜日に4F55.9秒という時計を出しているものの、調教開始が遅くなった点をどう評価するか考えていました。

 しかし、最終追い切りを見ればそんな考えも吹っ飛びました。ケイティープライドが先行して、それを追走。しかも今回は右ラチ沿いではなく、ケイティープライドの左側から並んで追い抜く形。相手も決して攻め走らない馬ではありませんが、それを馬なりで抜き去っていくのですから、動きは申し分なし。

 時計も4F52.9〜3F37.7〜2F23.9〜1F11.8秒。この数字は昨年の最終追い切りとほぼ同じ。追い切りが1本少なくなっていても、この時計で動けているということは状態面で心配がない証拠。ラチ沿いを走らなくても追い抜けたところにも意味があったと思いますし、やっぱりここで評価を下げるわけにはいきません。

ベルカント(8月16日撮影)

ここで評価を下げるわけにはいかないベルカント(8月16日撮影)



【北九州記念/オウノミチ】

 状態が上向いているところでの格上挑戦での勝利。おかげさまでウマい馬券の予想でも◎を打つことができました。レース後は「今回の方がいいですね」と担当の野口陽介調教助手も手応えを口にしていました。そんなこともあって、北九州記念でも◎を打つつもりでしたが、まず迷いが出たのは1週前追い切り。

 ウマい馬券のコラムにも記しましたが、この馬の好走パターンは1週前追い切りで速い時計を出すこと。前走時は自己ベストを更新する4F50.9秒をマーク。これによって、ガス抜きできるのか、最終追い切りはテンゆっくり、終いしっかりの動き。今回は1週前追い切りが4F53.0秒と速い数字ではなかった分、最終追い切りも少し行きたがるようなところもあって、ラスト1Fが最速になるラップを踏めませんでした。

 追い切りに騎乗した同助手は「前に馬がいたため」と理由を解説してくれましたが、自分としては1週前追い切りと最終追い切りの相関関係がしっくりきます。もちろん得意な小倉芝1200mですから、それなりの期待はできると思いますが、やっぱり◎を打つわけにはいきません。

オウノミチ(8月17日撮影)

得意な小倉芝1200mでそれなりの期待はできるオウノミチ(8月17日撮影)



【北九州記念/プリンセスムーン】

 前走は◎。負けた相手がベルカントとネロなら、ある意味納得ですが、直線競馬でこそ、この馬のフットワークが活かされるということはコラムでも書きました。これは前走の最終追い切りが坂路4F51.4秒ということで、この数字は過去の最終追い切りでは最も速い数字。是が非でも勝ちたいということだったと思います。

 そこから中2週。8月14日に坂路4F57.0秒を出して、最終追い切りは4F55.1秒。さすがにラスト1Fが最速になるラップを踏んでいますが、この追い切り過程から前走の状態をキープさせることに重点が置かれているのは明らか。だからといって、パフォーマンスが下がる理由にはなりませんが、少なくともコーナーがある芝1200mでは前走ほどの評価をできないというのが正直なところ。

プリンセスムーン(8月16日撮影)

前走の状態をキープさせることに重点が置かれているプリンセスムーン(8月16日撮影)



【北九州記念/ジャストドゥイング】

 デビュー戦が芝1600m。芙蓉Sが中山芝1800mでの勝利だっただけに、その近辺の距離を使われていた2歳3歳時に比べると、今はスプリント一辺倒で成績も安定しつつあります。長期休み明けのテレビユー福島賞を勝った後、中1週と条件的には反動が出ても不思議ないところを2着。ここは評価しておきたいところ。

 この中間は中4週ということもあって、1週前追い切りで自己ベストを更新する時計をマーク。もともと速い時計が出るタイプではありませんでしたが、スピード重視のこの距離を使うようになって、走り方が変わってきたのかも知れません。最終追い切りはもうひとつ上のギアに入ってほしいというもどかしい走りではありましたが、減速もしておらず、決して悪い動きではありません。

ジャストドゥイング(8月17日撮影)

決して悪い動きではないジャストドゥイング(8月17日撮影)



【北九州記念/マイネルエテルネル】

 個人的には6歳という年齢もあってか、あまり視界に入っていなかった1頭ですが、画像を撮影した16日の坂路でのキャンターを見て、なかなか活気があって、最終追い切りの動きが楽しみに思える雰囲気でした。

 そして、実際の最終追い切り。4F53.0秒はこの馬にとっては、むしろ遅い部類くらいですが、重要なのはラスト1F。前走時は同じ全体時計でもラスト1F12.7秒で減速していたのに対して、今回はラスト1Fが最速になるラップ。この動き自体は7走前のテレビユー福島賞と同じなので、これは高く評価すべき。昨年の北九州記念と違うラップの踏み方という点から、今年は昨年と違う見方、評価をすべきでしょう。

マイネルエテルネル(8月16日撮影)

今年は昨年と違う見方、評価をすべきのマイネルエテルネル(8月16日撮影)



◆次走要注意

・8/13 2歳未勝利【ユメチョキン】(1人/5着)

 2番枠ということもあり、中途半端な位置取りだと包まれるだろうと思っていましたが、実際にその通りなレースぶりでした。外に出した時はすでに前が決着。
 末脚は確実なタイプなので、新潟よりもむしろ中山芝1200mあたりがベスト。もちろん調教タイプは併用もしくはトラックがいいと思いますが、ダブル最速該当が条件。

[メモ登録用コメント] [中山芝1200m]トラックのダブル最速に該当すれば勝ち負け

・8/14 3歳未勝利【トイミサキ】(12人/6着)

 中川公成厩舎の勝負調教に該当したので、ウマい馬券で◎を打ちましたが、想像していた以上の前半の行きっぷりと道中のリラックスした走り。4コーナーでは持ったままの手応えでしたが、直線で選んだ進路が最悪でした。
 勝ち馬の位置を通っていれば、きっと突き抜けていたでしょう。3歳未勝利は運も左右しますから、絶好の勝機を逃した印象もありますが、再度、厩舎の勝負調教に該当すれば。ベストはラチ沿いを走れる内枠です。

[メモ登録用コメント] [札幌芝1200m]中川公成厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【スパイチャクラ】
 これまで5戦して2着が2回。もう勝ち上がるところまでのレベルにある馬ですが、この中間は更に動きが鋭さを増しています。特に17日の最終追い切りでは自己ベストを更新する4F50.7秒をマーク。ここは負けられません。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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