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この時季がベスト、と思わせる軽快な動きの馬とは!? 2重賞の追い切りチェック!

  • 2017年01月25日(水) 19時00分


順調に追い切りを重ねているカフジテイク

 先週の日曜日は競馬教室の講師で中山競馬場。AJCCは4コーナー寄りのゴンドラ席での観戦でしたが、私の◎はシングウィズジョイ。もちろん、皆さんにもおすすめしていたので、競走中止という事態はみんながただ唖然としてしまいました。予想が外れてしまうだけなら、その理由などを説明して「また次!」と奮起しやすいのですが、事故になってしまうとそんな安い言葉ではどうしようもありません。数名の方は泣いていましたし、そんな姿を見てしまうと、いつも見ていたシングウィズジョイが…と私まで言葉に詰まってしまいました。

 でも、24日に友道康夫調教師と話していても「ジョッキーは無事だったし、後続が巻き込まれるようなことがなくてよかった」というのが、関係者としての本音。これからも同じような場面に遭遇することはあると思いますが、そういった場面に関する言い訳をするよりも、それ以上に競馬って面白いという魅力をしっかりと伝えていけるように頑張ろうと思います。

【根岸S/カフジテイク】

 1週前追い切りをCWというのは、前走からの調教パターン。そして日曜日は左回りのCWでしっかりと時計を出すという内容で、最終追い切りは栗東坂路。レース間隔があいた今回もそのパターンには変わりなし。順調に追い切りを重ねているという見方で問題ありません。

 最終追い切りはメイショウコモレビを追走する内容。前半は我慢していましたが、前を捕まえる指示を出すと、自然にスピードが乗って、あっさりと交わしてしまいます。ラスト1Fが単走のような形になりましたが、一応、併せ馬を追走して先着という形。これだけ動くことができれば、いつも通りの走りはできると思いますから、あとはそれで届くかどうか。

カフジテイク(1月24日撮影)

いつも通りの走りはできると思うカフジテイク(1月24日撮影)


【根岸S/ニシケンモノノフ】

 前走が3年振りの重賞勝利でしたが、それまでも1400m以下の距離に関してはとにかく堅実な成績。よくここまで長い期間、高いパフォーマンスを持続できるなあと思っていましたが、前走勝っているように、その中でも今が最も充実している印象。それは24日の坂路馬場でのキャンターを見た時に元気があり余っている様子だったところで感じたものです。

 元気すぎると追い切りには悪影響かと思いましたが、そんなところは全くなし。前半から我慢して、最後だけしっかり伸びるという内容。あえて細かいところを突っ込めば、2F25.4秒という25秒台は16走前の2014年ファイナルS時まで遡ります。だからといって、特に悪いわけではないでしょうから、今回も当然、好結果を期待できる状態だと思います。

ニシケンモノノフ(1月24日撮影)

今回も好結果を期待できる状態のニシケンモノノフ(1月24日撮影)


【根岸S/キングズガード】

 武蔵野S以来となりますが、昨年末から坂路で時計を出し始めており、調教量に関しては全く気にするところはありません。だからといってオーバーワークを心配するほど速い時計は出しておらず、早くからじっくりと仕上げたという感じ。そして、今回は1月19日にCWで時計を出しており、これがどのような効果を生むかという点が注目です。

 さすがに最終追い切りは坂路かと思いましたが、CWでの2頭併せ。1週前と同じくフォールインラブとの併せ馬でしたが、最後は手応え劣勢で同入。時計が6F84.5〜5F68.9〜4F53.6〜3F39.5〜1F12.4秒と遅めなので、少し地味な印象もありますが、これまでデビューしてCWで時計を出したことがないので、それが当然とも思えます。もともと末脚の爆発力には素晴らしいものがあるわけで、このトラック調教で立ち回りの巧さも覚えてくれば、今後の距離延長にも対応してくるような気がします。

キングズガード(1月25日撮影)

CWでの追い切りがどのような効果を生むか注目のキングズガード(1月25日撮影)


【シルクロードS/ソルヴェイグ】

 スプリンターズSでは10キロの馬体重減にも耐えて、3着に好走してくれた根性娘。ひと息入れたことで疲れは抜け、馬体も増えて戻ってきていますが、もともと暑い時期に実績がある馬。やっぱり見映えなどは前走の方が上という感じがしますが、それでどこまでという感じ。

 最終追い切りは畑端省吾騎手が跨って単走。少し左ラチを頼って走っているように見えましたが、最後に追い出されると右へヨレる感じ。時計は4F54.1〜3F38.8〜2F24.5〜1F11.8秒でさすがですが、前走時の最終追い切りではまっすぐに駆け上がったシーンが印象的だっただけに、やっぱり冬場の休み明けなのかも知れません。能力の高さは当然評価しなければいけませんが、馬券対象として高い評価をするかどうかは悩ましいところ。

ソルヴェイグ(1月24日撮影)

馬券対象として高い評価をするかどうか悩ましいソルヴェイグ(1月24日撮影)


【シルクロードS/セカンドテーブル】

 前走はラピスラズリSと比較しても明らかに馬の状態が良くなっており、しかも得意の京都芝1200m。当然勝ち負けを期待しましたが、時計の速い馬場であり、テン乗りだったジョッキーというのも前を捕まえ切れなかった要因かも知れません。

 この中間はこれまでになかった坂路で終い重点の追い切りを行っています。これによって、これまで足りなかった部分が補われてくると思いますし、最終追い切りの動きを見ても、前走同様素晴らしい軽快さ。この時季がベストパフォーマンスを出せると思いますし、水口優也騎手の初重賞制覇も十分に考えられます。

セカンドテーブル(1月25日撮影)

前走同様素晴らしい軽快さを見せたセカンドテーブル(1月25日撮影)


◆次走要注意

・1/21 若竹賞【ドウディ】(10人/11着)

 最後方からメンバー3位の上がりを使っていますが、全く見せ場のないレース。中山芝1800mなら当然仕方ない結果かも知れません。
 もともと東京競馬場で勝ち上がった馬。やはり広くて直線の長い馬場でこそだと思いますし、東京マイルに戻って、ラスト1Fが最速ラップの坂路追い切りなら。

[メモ登録用コメント] [東京芝]最終追い切り美浦坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・1/22 3歳未勝利【メイショウミハル】(7人/2着)

 先行して、馬群に揉まれても怯まないところが魅力。2キロ減の恩恵もあるかも知れませんが、城戸義政騎手がうまくエスコートして、もう少しで勝てるというところまで持ってきています。
 変わらず、CWで併せ馬を消化してくれば、もう次は順番でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝内回り]最終追い切りがCWで併せ先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【キエレ】
 偉大な兄姉との比較はまだまだですが、デビュー前の追い切りと今朝25日の動きを比較すれば、それは雲泥の差。3頭併せ馬でもきっちりと動けていたあたりに闘志を感じます。27日には初騎乗となる藤岡康太騎手が感触を確かめる意味でゲート練習を行い、万全の態勢で初勝利を目指します。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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