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どの馬にもチャンスがありそうな2重賞、思わず本命を打ちたくなった馬とは?

  • 2017年06月07日(水) 18時00分


ようやく素質が開花してきたタイセイサミット


 先週の安田記念で連続G1はひと休み。とはいえ、宝塚記念の2週前追い切りなどがあるので、まだ春競馬から続く高揚感はあります。しかしながら、今週のエプソムCとマーメイドSの出走予定馬を見ていても、ちょっとローカルモードっぽいメンバー構成。正直、どの馬にもチャンスがあるようなレースだと感じていますが、皆様はいかがでしょうか?

 今の楽しみといえば、2歳新馬の追い切り。今朝7日の動きを見ていると、個人的には少しテンションが低くなってしまいましたが、追い切りで動いたけど、レースではハミをとっていなかったアメイジングセンスのような例もありますからね(笑)。先週は1番人気がきっちりと勝ち上がった阪神競馬のメイクデビューですが、今週はそうならない可能性も大です。

【エプソムC/タイセイサミット】

 逃げてよし、差してよし。1600万下、オープンと連勝中だけに、成績欄からの魅力はこの馬といってもよいくらいでしょう。画像は6日の坂路馬場でのキャンターの様子ですが、その前後も含めて、非常にいい雰囲気。先入観ではなく、勝っている馬ってそれなりの雰囲気を出すものです。

 中2週の今回も最終追い切り場所は栗東坂路。前走時が4F52.3秒と自己ベストより0.3秒遅いだけの、速い時計で攻めてきました。今回は自己ベストを更新する4F51.4秒。やはり休み明けをひと叩きしたことで、余裕のあったところをしっかりと攻めたという印象。3歳時にはマカヒキが勝った弥生賞で4着でしたが、ようやく素質が開花してきたといったところでしょう。

タイセイサミット(6月6日撮影)

非常にいい雰囲気でしっかりと攻めたタイセイサミット(6月6日撮影)


【エプソムC/デンコウアンジュ】

 休み明けの阪神牝馬Sから7着、4着、2着と着順上昇中。前走に関しては、断然人気のミッキークイーンと同じ位置にいながら、こちらはメンバー最速上がりを使っています。それだけ東京マイルが向いているということでしょうから、あとは1F延長がどうか。

 馬の状態に関しては、特に目立った気配を見せているわけではありません。地味に栗東坂路で4F目最速ラップを続けていたのが、ここ3戦ですが、今回は3F目から12.5秒の持続ラップ。すごく細かな点ではありますが、ここをどのように判断するか。馬券的にはその扱いをどの程度にするかが難しくなりそうです。

デンコウアンジュ(6月6日撮影)

デンコウアンジュは特に目立った気配を見せているわけではない(6月6日撮影)


【マーメイドS/トーセンビクトリー】

 前走6着の敗因をコーナー2つのマイル戦と分析することもできますが、中山牝馬S1着との最終追い切り比較でいえば、CWコースだった中山牝馬Sに対して、前走は栗東坂路だったことが原因と考えることもできます。

 そういった意味で今回の最終追い切り場所がどこになるかということは、個人的に最大の注目でした。画像を見ていただいてお分かりのように、武豊騎手が跨って、朝一番のCWでの追い切りでした。併せ馬をやったという点では中山牝馬Sと違いますが、当時は中山競馬場の輸送がある状況。今回のように当日輸送ならジェンティルドンナMで併せ馬実績があるので問題ありません。馬の様子などを見ていると、やっぱり良血らしい品のある雰囲気を見せていて、実績馬ではやっぱりこの馬を推したいという感じがします。

トーセンビクトリー(6月7日撮影)

良血らしい品のある雰囲気を見せているトーセンビクトリー(6月7日撮影)


【マーメイドS/プリメラアスール】

 前走下鴨Sは逃げて自分の競馬はできたものの、最後は差されて、勝ち馬から0.9秒も離されてしまいました。勝ち馬が番手にいたことを思うと、もう少し粘って欲しいところ。ただ、今回に関してはハナを切る可能性があるのはこの馬ですから、レースの鍵を握る存在であることは間違いありません。

 この中間も中2週ですが、きっちりと追い切りを消化。最終追い切りもデューズワイルズに先行して、最後まで相手に並ばせることなく先着。時計は6F79.6〜5F65.5〜4F51.8〜3F38.6〜1F12.2秒と速く、やっぱり追い切りを見たら、本命を打ちたくなります(笑)。調教から把握できる状態としては申し分ないだけに、あとはレース展開を含めた諸条件が整うかどうか。

プリメラアスール(6月7日撮影)

並ばせることなく先着し、状態としては申し分ないプリメラアスール(写真左・6月7日撮影)


【マーメイドS/ローズウィスパー】

 前走パールSは7着に敗れており、今開催から降級して1000万下の身。それでいて、重賞ウイナーに挑戦しようというのですから、敷居が高いのは当然です。しかし前走後もノーザンFしがらきできっちりリフレッシュしており、この中間の調教状態を見ていても、丸みを帯びた馬体が非常に印象的。

 最終追い切りは北村友一騎手が跨って、CWコースで単走。6Fから時計を出す内容で、前半のラップを見ると、最後は止まっても不思議ない感じ。それでも力強い走りで最後まで伸びて、時計は6F81.3〜5F66.0〜4F51.5〜3F37.6〜1F12.2秒。状態に関しては、申し分ないと思えるだけに、あとは自分の競馬に徹してどこまでやれるか。

ローズウィスパー(6月7日撮影)

力強い走りで最後まで伸びた追い切りだったローズウィスパー(6月7日撮影)


◆次走要注意

・6/3 2歳新馬【アメイジングセンス】(3人/6着)

 追い切り通りのレースができませんでしたが「内弁慶なのかな」とは角田晃一調教師。一度レースを使ったことで、次は慣れるはず。一旦放牧に出されるので、次走はもう少し先になると思いますが、2戦目の変身に期待しましょう。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・加古川特別【ローズストリート】
 古馬に混じって、どこまでやれるか。ポイントはそこですが、状態に関してはCWコースでの追い切りを積み重ねて、しっかり走れるようになりました。追い切り本数は都合3本しかありませんが、西園厩舎の休み明けはこれで大丈夫。雨が降って、脚抜きのよい馬場になっても対応できると思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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