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【日経賞・毎日杯・マーチS・高松宮記念予想】今年最初の芝GIが開催 ナムラクレアの追い切り内容は?

  • 2023年03月22日(水) 18時00分

見惚れるような各馬の調教内容とは


 22日水曜日。世間はWBCの決勝で盛り上がっていますが、野球大好き人間としては当然、テレビに張り付いて観たいくらい。でも、8時30分プレイボールは追い切りとド被りで観ることができません。前日の準決勝があるだけに、観たいなあという心残りがありながら、調教開始時刻の7時を迎えましたが、いざ始まると、メイケイエールやダディーズビビッドの高松宮記念の最終追い切りに見惚れる自分が。当たり前なんですけど、やっぱり競馬大好き人間ですね。

 大阪杯の1週前追い切りもあって、トレセンニュースでお伝えしたヒンドゥタイムズなんて、絶品でしたね。いや〜、これをライブで観ることができてよかった。そして、調教が終わってから自宅に戻ると、しっかり最後のシーンは観ることができましたし、あとは今年最初の芝GIをしっかり的中させることですね(笑)。

【日経賞/ヒートオンビート】

 中山金杯からのローテーションだった昨年よりも、レース間隔はあいた今回。その分、しっかりと追い切り本数は増えていますし、時計的な負荷、併せ馬の負荷もきちんとこなしているといった調教内容になっています。

 特に1週前追い切りがCWで池添謙一騎手が跨って、3歳未勝利を追走して併せ先着。ラストは11.2秒をマークして、最終追い切りはCWで単走。軽い内容になっていますが、当然1週前あっての最終という感じ。なかなか勝ち切れないというレースが続いていますが、崩れることも想像しにくいと思います。

調教Gメン研究所

崩れる様子は想像しにくい内容のヒートオンビート(3月21日撮影)


【毎日杯/オメガリッチマン】

 前走京成杯2着。これが人気になる要因だと思いますが、当時はジュニアC7着からの連闘。その前が未勝利1着ですから、正直なところ、どのパフォーマンスを今回にあてはめるのが正解なのか、すごく難しいなあというのが個人的な印象です。

 調教内容に関しては、最終追い切りがCWで6F82.1秒ですから、安田翔伍厩舎にしては、かなりしっかりやってきたという感じがします。併せ馬は3頭でしたし、その真ん中。もともと小柄な馬ではありますが、430キロ台がベストだとすると、もしかしたら、それよりも太い状態が今かもしれないので、そのあたりはちょっと気を付けたいところです。

【マーチS/ハピ】

 みやこSこそ4着でしたが、シリウスS、チャンピオンズCと馬券圏内確保の好走。3歳時に古馬との対戦で見劣ることがない成績を残したという点では、このレースが4歳になっての初戦ですが、能力的に上位評価されるのは当然でしょう。だからこその58.5キロでもあると思います。

 最終追い切りこそ坂路でしたが、それ以前の週中追い切りはCW。これは好走パターンといってよいので、レース間隔はあきましたが、調教内容で気になるようなところはありません。最終追いも坂路で4F52.2秒、4F目最速ラップは踏めませんでしたが、これもいつものパターンっちゃ、パターン。ただ、斤量と初めての中山は気になります。

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初の中山コースに対応できるかが鍵となるハピ(2月28日撮影)


【高松宮記念/ナムラクレア】

 スプリンターズS以来となる前走のシルクロードSは本格的にCWを併用する調教パターンで、馬体重が+6キロ。調教内容としては素晴らしかったと思いますが、個人的には最終追いで4F目最速ラップを踏むことができなかったところが気になり、本命を打つことはできませんでした。それでもしっかり結果を出してきたところが素晴らしいと思いますし、ある意味、まだ上積みがあるという判断にもなりました。

 今回もCWでの追い切りを併用して、1週前追い切りは6F79.8秒で本当に素晴らしい動き。最終追い切りの動きは見ることはできていませんが、時計は4F53.3秒で4F目が最速になるラップを踏んでいますね。これなら心置きなく重たい印を打つことができそうです。

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1週前から素晴らしい動きを見せたナムラクレア(写真右、3月15日撮影)


【高松宮記念/メイケイエール】

 スプリンターズSでの大敗を考えれば、前走香港スプリントでの5着は持ち直した印象。そこからレース間隔をあけ、主戦の池添謙一騎手が戻ってきての一戦。1週前追い切りは、ジョッキーが跨りましたが、時計の凄さに反比例して、レースでの折り合いに不安を残すような動きだったと判断しています。

 それだけに最終追い切りがどうなるのか注目していましたが、CWへ馬場入りしてから落ち着いた様子。その分、半マイルからの入りがゆっくりになり、直線まで余力を持った状態でゴールへ向かうことができました。昨年のシルクロードSを勝った時のように、ラスト1Fが最速になるラップを踏むことができればベストでしたが、11.3秒から11.4秒なら先週と全く違います。

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1週前とは全く違う動きを見せたメイケイエール(3月22日撮影)


◆次走要注意

・3/19 阪神大賞典【アフリカンゴールド】(10人/4着)

 CWでの追い切りの動きが素晴らしく、自分の形をつくることができれば、結果を出せるだろうという見立てではありましたが、まさにそんな結果。前半をスローで走ることができたことは間違いなくプラスだったと思いますが、同じような状況をつくることができれば、また見せ場以上のレースが期待できます。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]1週前追い切りがCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山ダート1800m>
◎追い切り本数が標準以上併用系統の調教タイプ
◎最終追い切りが坂路で4F目12.9秒以下
○最終追い切りがWトラック馬場でラスト1Fが最速ラップ

 昨年のマーチSは最終追いが坂路で1着、2着、3着(もう1頭の3着馬はCW)でした。ただ、12.9秒以下に該当しなかった馬もいて、3頭共通だったのは、4F目が最速ラップという点。今年も雨の影響を受けて、ハイペースが予想できるメンバー構成ですから、4F目最速ラップという点は重要かも知れません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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