秋のGIに向けて 気を抜いていられない夏競馬

　先週の宝塚記念。私の夢はイクイノックス、馬券的な夢はスルーセブンシーズ。◎は後者でしたが、どちらの夢も叶ったという意味では最高の結果になったと思っています。それにしてもイクイノックスの強さには脱帽ですし、テン乗りなのに、スルーセブンシーズの長所を最大限に発揮した池添謙一騎手のグランプリ男ぶりにも脱帽。秋までGIはお預けですが、それが待ち遠しくてたまらなくなった宝塚記念だったといってもよいのではないでしょうか。

　そして、今週から福島、中京、函館の開催。ここから本格的な夏競馬ですが、ここで結果を出した馬たちが秋のGIに出走してくるのも楽しみ。そして、この時期に新馬を勝った馬が暮れに活躍することも多くなった近年ですから、夏競馬だと気を抜いてはいられませんね。

【ラジオNIKKEI賞/アイスグリーン】

　中9週だった白百合Sが1週前追い切りCW、最終追い切り坂路というパターンで2着。1週前のCWラスト1Fが12.0秒と物足りなく感じる部分はありますが、6Fできれいな加速ラップを踏んで、ラスト1Fが最速ラップだったことを考えれば、むしろ高く評価したい内容だと思います。

　最終追い切りは坂路4F53.9秒。全体時計は前走とほぼ同じですが、後半2Fが25秒を切ったのは前走以上。そもそも小回りコースには小倉の実績がありますし、スプリングSのようにスタートでやや遅れて、両サイドから窮屈になるというようなことがなければ、すんなりと先行できるはずです。

【ラジオNIKKEI賞/バルサムノート】

　前走白百合Sは中9週でしたが、4本の追い切りで勝利。坂路での追い切り、4F時計もさほど速くありませんでしたが、4本の追い切りすべてが4F目最速ラップを踏むことができていたというあたりから、やっぱりワンターンのレースは向くタイプという印象があります。

　今回は中4週で4本の追い切り。2F時計が24秒台だったり、ラスト1Fが11秒台だったりする点から、確実に前走以上に終いがしっかりしています。あとは坂路オンリーなので、コーナー4つの小回りがどうか。小倉芝1800mを勝っているとはいえ、新馬戦ですから、重賞でどうかというところはあります。

【CBC賞/マッドクール】

　スプリンターズSを想定した、中山芝1200mの春雷Sは貫禄勝ち。シルクロードS3着の結果を見ても、秋にはGIで好勝負するイメージは出来上がっています。そして、28日の追い切り前、角馬場での運動の様子を見ていても、その馬体に惚れ惚れするような張りがありました。

　その追い切りが坂路で4F目11.6秒。4F53.3秒というと、この馬にとっては目立ちませんが、2F24.2秒。やっぱり安定した脚力がありますし、1週前追い切りのCWでの動きも考えると、ここで負けるとすれば、58.5キロの斤量だろうなとは思います。


【CBC賞/エイシンスポッター】

　マッドクールと同じ、重賞3着からオープン特別勝ちですが、それで1キロ軽いのがこちら。そういった意味ではハンデが恵まれたという考えもできますし、ここで無様なレースはできないという考えもできます。

　少しレース間隔はあきましたが、1週前追い切りはCW。これはオーシャンS3着時と同じです。当時は単走で今回は併せ馬ですから、そういった意味では今回の方が強い負荷。最終追い切りの坂路時計自体はオーシャンSの時よりも遅くなりましたが、4F目最速ラップを踏むことができているので、特に問題ないと思います。


【CBC賞/トゥラヴェスーラ】

　少しレース間隔があいた割には追い切り本数が少ないと思った高松宮記念。しかし、3着という結果ですから、2週前追い切りの坂路4F49.5秒の時計が良い結果に繋がったんだろうと判断しています。

　それを思えば、今回は追い切り本数こそ標準ですが、時計自体は決して速い数字がありません。最も速くて、1週前の4F54.7秒。2020年に福島テレビOPを勝った時でも1週前は4F53.3秒でしたから、これをどう判定するかでしょう。


◆次走要注意

・6/25　2歳新馬【フラムリンガム】(3人/5着)

　栗東、函館ともに追い切りの時点からあまり走ることに前向きでなかった馬。レースでもそれが出たようですから、この結果も仕方ないでしょう。1度レースに使ったことで変わってくる、そう考えて次走は狙ってみたいところです。

[メモ登録用コメント]　[芝短距離]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

＜福島芝1800m＞
◎1週前追い切り以降、トラックウッドチップ馬場で3F37.5秒以下かつこの区間でラスト1F最速ラップ

　今年の美浦は坂路が閉鎖。その影響も加味して、今年向けの調教適性を昨年の結果から判断しています。昨年のラジオNIKKEI賞1着2着だと、1週前追い切り以降にトラックウッドチップ馬場で3F時計37.5秒以下かつこの区間でラスト1Fが最速になるラップを踏んでいました。最後の直線が300mに満たないので、やはりコーナーでの加速力、ここが重要になるはずです。