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【クイーンS・アイビスSD予想】重賞ウィナー初めての直線競馬 ジャングロの追い切り内容は?

  • 2023年07月26日(水) 18時00分

数字だけなら仕上がり上々だが…


 今週から新潟開催がスタートしますが、栗東所属馬の主場である小倉は2週遅れてのスタート。というわけで、美浦と栗東が同じ出走条件でぶつかり合うのが、これからの2週間の新潟です。美浦の坂路閉鎖の影響について、数字上ではいろいろと分析できるところはありますが、それは美浦主場、福島開催での話。この2週、障害も含めると48レースのうち、勝利数がどんな割合になるのか。

 ちなみにアイビスSD自体は近2年が美浦所属馬の勝利。その調教内容は坂路ではありませんでしたから、閉鎖関係なく、南Wが優勢な調教適性となっているレースなんですよね。春や秋に比べてトラックが優勢になるのは、スピードの持続力が問われるから。他の距離になれば別ですが、直線1000mに関しては、坂路有利とは限りません。そのあたりは下記のおすすめ調教適性でも触れていますので、ご一読ください。

【クイーンS/ドゥーラ】

 3歳になって最初の2戦は二桁着順でしたが、オークスで面目躍如。さすがは世代の重賞ウィナーという走りだったと思いますし、ひょっとしたらマイルは短かったのかなと思わせてくれる走りでした。今回の舞台はその重賞を勝った札幌芝1800m。ポイントは開催時期が真逆なので、そこはひとつ気になります。

 もうひとつは調整過程。札幌2歳Sは中3週で3本の追い切りでしたが、今回は中9週で最終追いまでに3本。レース間隔を考えると、少し足りないかなというところがありますし、あとは最終追い切りの実際の映像を確認して、主観的な印象も加えた上で判断してみようと思います。

【クイーンS/ライトクオンタム】

 シンザン記念を勝った後はなかなか結果が出ていませんが、ぶっつけで桜花賞だったり、東京への輸送があっての芝2400mだったり、そもそも2レースともGIですから、仕方ないという判断でもよいのかもしれません。

 今回は北海道での調整。どのような追い切り本数になるか注目していましたが、調教量はあまり多くありません。時計的な負荷もあまり強くないだけに、今回の調教欄だけで強く推すのはなかなか難しいかなという印象。26日の時点では最終追い切りの映像で、よっぽど弾むような動きを見せていれば、という感じの評価ですね。

【アイビスSD/ジャングロ】

 すでに報道もされていますが、今年1月から栗東に在厩しての異例の調整。そういったところが評価されてなのか、netkeiba.comの予想オッズでは1番人気のようですね。重賞ウィナーではありますが、やはり1年以上の休み明けで初めての直線競馬。普通なら高い評価はできません。

 追い切りに関しては、7月21日に自己ベストに近い坂路4F50.7秒をマーク。この数字だけなら仕上がり上々と言いたいところですが、4F目最速ラップを踏むことができなかったあたりがポイント。あまりに人気になるようだと、その点も考慮して低めの評価でもよいのかなというのが、調教内容全体からの印象です。

調教Gメン研究所

予想オッズでは1番人気のジャングロ(7月25日撮影)


【アイビスSD/スティクス】

 昨年のアイビスSDは単勝13番人気でしたが、今年は予想の段階で上位に近い人気。昨年、内ラチを通っての5着が評価されているのでしょうか。前走の韋駄天Sでは大外の16番で外ラチも確保できましたが、結果は7着。これは休み明けで追い切り本数が少なかったことが影響しているかなと思います。

 今回は少しレース間隔があいていますが、本数は問題なし。それよりも強調したいのが、CWを併用してきた点。これは昨年のアイビスSDにはなかったですし、1週前追い切りのCWでの動きはもう抜群でした。この時期がいいかもしれませんし、馬場もパンパンの良がベスト。昨年以上の可能性は十分あると思います。

調教Gメン研究所

CWでの動きは抜群のスティクス(7月26日撮影)


【アイビスSD/メディーヴァル】

 前走福島テレビOPは最後の直線こそ、不利がありましたが、それ以外は終始内ラチ沿いを走ることができていましたし、あれがなかったとしても大きく着順が変わったとは思えません。ただ、韋駄天Sでもそうですが、すごくタイトな馬群の中で我慢できるのが、この馬の長所でもあると思います。

 今回は中1週。決して得意なローテーションというわけではないので、これはひとつ鍵になるでしょう。レース間隔が詰まっているだけに、最終追い切りのCW6F時計は速くありませんが、今村聖奈騎手が跨って、併せ馬の負荷をかけてきたという意味では元気いっぱいなんだと思います。

調教Gメン研究所

今村聖奈騎手騎乗のメディーヴァル(写真左、7月26日撮影)


◆次走要注意

・7/22 2歳新馬【エヴァンスウィート】(1人/3着)

 8頭立てにもかかわらず、4コーナーから最後の直線にかけて、致命的でしかない不利。最後の直線での伸びは重賞級のソレだったと思います。そもそも、将来性の高い調教適性にも該当していましたし、次走の未勝利はもちろん、この世代の主役になっても不思議ない素材だと思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<新潟芝1000m>
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場で4F51.9秒以下でラスト1F最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ

 過去2年のアイビスSDが最終追い切り南Wの勝利ですが、条件戦でも南Wの好走は目立っていて、坂路と五分か少し上くらいの調教適性の評価ができます。ただ、ラップの踏み方は一定の基準があるので、南Wからどの選択にするかというところは重要になってくるでしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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