スマートフォン版へ

【関屋記念・小倉記念予想】夏の小倉開幕を盛り上げる重賞 有力馬の調教内容をチェック!

  • 2023年08月09日(水) 18時00分

台風は馬場にどのような影響を与えるか?


 今週から小倉開催がスタート。新馬戦が土日2レースずつ、計4レース組まれていますが、うち2レースが九州産限定。一般戦と比べて、レベルがどうなんだろうと思ってしまいますが、これがなかなか。父も母父もダービー馬! なんて馬もいて、見応えがありそうですよ。そして、13日の一般戦はかなりの粒揃い。netkeiba.comで何度も取り上げたライスネイチャ(栗東・松永昌博厩舎)に関しては、最終追い切りをニュースで取り上げさせてもらいましたので、ぜひご一読いただければと思います。

 そして、重賞は関屋記念と小倉記念。小倉は開幕週だけに、走破時計がどのくらいになるかが大きなポイント。台風の影響で木曜日までは雨が残りそうですが、その後に乾けば、やっぱり速い馬場になるでしょう。このあたりの見極めも重要です。

【関屋記念/ディヴィーナ】

 なかなか成績が安定しなかった4歳時で、昨年の関屋記念は13着。それが前々走、M.デムーロ騎手が騎乗してくれたことで、レースまでの運び方がすごくうまくなったというところでしょう。

 ただ、今回は中2週になるということで、調整のパターンが前走とは変わりました。今回は先週末に坂路でしっかりと時計を出して、最終追いは4F57.0秒と軽め。ヴィクトリアマイルに近いパターンですが、ただ、ヴィクトリアマイルの時よりも遅い時計。このあたりがどうかですが、決して体調が下がったとかいうことではなく、昨年の関屋記念も最終追いが坂路4F56.6秒だったというところがちょっと引っかかります。

【関屋記念/ララクリスティーヌ】

 ヴィクトリアマイルで14着と惨敗していますが、夏場自体は昨年の朱鷺Sが2着。レース間隔をあけて、しっかり立て直して、実績のある季節に登場といったところでしょう。この中間はヴィクトリアマイルの時になかった坂路追い切りを週末に併用。調教内容は充実しているといってよいでしょう。

 そして、最終追い切りはCWで単走。前半ゆっくり、最後の直線しっかりという時計で緩急のある走り。最後は11.7秒から11.2秒でしっかり伸びることが出来ていました。ここは実績ある新潟、そして、前走よりは戦いやすい相手でしっかり決めたいところです。

調教Gメン研究所

充実した調教内容に期待が持てるララクリスティーヌ(8月8日撮影)


【小倉記念/マリアエレーナ】

 昨年の覇者。天皇賞(秋)や大阪杯でのパフォーマンスを考えると、前走鳴尾記念の5着は正直物足りなさもありましたが、最後の直線は急坂よりも平坦の方がよいのかもしれません。実は、いつも最終追い切りがCWの左回りですが、これが4コーナーから最後の直線を向くところが下り。そんなところもちょっと影響しているのかなと思います。

 今回も最終追い切りは火曜日、左回りのCW。その動きは躍動感十分だと思いますが、時計的には前半がちぐはぐラップ。昨年も同じようなラップの踏み方だったので、これは気にしなくてもいいでしょう。1週前追い切りは松山弘平騎手が跨って、CWで速い時計を出していますし、状態に関しては文句なしといったところ。

調教Gメン研究所

マリアエレーナの追い切り時計は昨年同様で気にならない(8月8日撮影)


【小倉記念/エヒト】

 いつも追い切りで凄まじい時計が出る馬なので、判断が難しい部分もあるのですが、前走が案外の結果。やはり昨年の七夕賞でレース前週の週末追い切りが坂路4F49.2秒、しかも2F23.2秒でラスト11.5秒。このくらい動いてこその絶好調サインなのかもしれません。

 そういった意味では今回の中間の追い切りではそこまでの時計は出ていません。最終追い切りは木曜日に行われると思いますが、現時点では飛びつくほどの調教内容というわけではないと思います。

【小倉記念/ククナ】

 七夕賞2着で重賞実績を積んでの参戦。そもそも、2歳時のアルテミスSではソダシの2着という重賞連対実績はあったので、ようやく期待されていた能力を発揮できるようになったというところかもしれません。

 美浦所属馬ですが、今回は栗東に滞在。8月6日に坂路で4F54.1秒をマークしました。中4週というレース間隔ですが、最終追い切りまでの時計としてはこれ1本ですから、この本数の少なさは栗東への移動もあれば仕方ないのかなと思います。最終追い切りはCWで併せ馬。時計は6F82.0秒と速かったんですが、動き自体は少し地味。まあ、初めてのCW追いですから、判断が難しいところではあります。

調教Gメン研究所

調教内容の判断は難しいククナ(8月9日撮影)


◆次走要注意

・8/5 2歳新馬【サフィラ】(1人/3着)

 直線の不利はあえて指摘することもないのかもしれませんが、その後に気持ちを切らすことなく、前に向かって走ることができた点が能力の高さを示しています。この敗戦が決して無駄にならない、今後の活躍が期待できる、そんな将来を歩んでいくと思います。

[メモ登録用コメント] [1600m以上]最終追い切りが坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝2000m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎今回追い切りでCW3F37.9秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で3F目以降12.9秒以下

 ◎が坂路とCWということで、おおまかな調教適性としては併用の調教タイプが理想。ただ、単なる併用ではなく、それぞれにラップと時計の条件が付くことになりますが、これは走破時計が速い決着になりやすい夏開催だからこそ。ちなみに昨年は1週前も最終もCWで◎該当の馬たちが3着以内を独占しています。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング