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【紫苑S・京成杯AH・セントウルS予想】いよいよ秋競馬が開幕 重賞に出走する各馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年09月06日(水) 18時00分

キミノナハマリアはグレードの壁を乗り越えられるか


 今週から中山、阪神での開催がスタート。いよいよ「秋競馬」というわけですが、これに伴い、長年出演させていただいている『競馬予想TV!』も第26シーズンがスタートします。ここへの番組出演をはじめ、競馬場でのイベント、某FM局の競馬教室講師、ライブ配信番組への出演。開幕週からこんなにお仕事をさせていただいていいのか!? ってくらい働いています(笑)

 お仕事があること自体、大変ありがたいわけですが、やっぱり結果を残してナンボの世界。スタートダッシュを決めるため、そして、秋のGIに向けてそのトライアルレースでしっかり結果を出すことでGIに向けての弾みをつけることができるというもんでしょうから。

【紫苑S/キミノナハマリア】

 フローラS、オークスとグレードの壁に阻まれた形となり、そこから少し間隔をあけた自己条件のHTB賞が3着。もちろん1着という結果がベストだったんでしょうけど、勝ち馬からクビ、アタマ差なら仕方ないかもしれません。

 栗東へ戻ってからは坂路中心の追い切り。レース間隔を考えれば、これで十分でしょうし、年明け開催で変則だった3歳1勝クラスの中山が似たような調整過程。中山をすでに経験しているというのは栗東所属馬の中では優位に立てるでしょうし、右回りならグレードがつくここでもある程度勝負になるはずです。

調教Gメン研究所

坂路中心に調整を進めたキミノナハマリア(9月5日撮影)


【京成杯AH/ソウルラッシュ】

 今年の安田記念は9着、昨年の安田記念が13着。東京マイルは、なんて見方もできるかもしれませんが、勝ち馬から1秒離されていません。今回のメンバーの中にそんな力関係の馬がいるかといえば、そうは思えないだけに、ここで人気になるのは当然でしょう。そして、中山マイルで実績があることも人気の要因でしょう。

 調教内容に関しては、1週前追い切りのCWでの3頭併せが優秀な内容。安田記念で◎を打ってしまったので、あまり説得力がないのですが、安田の1週前は中間部分のラップが少し遅かった、というのが事後検証の結果。今回はマイラーズCの時と同じような速さがありますから、これならしっかり走ることができそう。あとは59キロの斤量だけ。

調教Gメン研究所

ソウルラッシュの調教内容は不安なし(9月5日撮影)


【京成杯AH/ラインベック】

 7走前の信越Sが去勢手術明けの初戦となりましたが、着順こそバラつきがあるものの、勝ち馬からの着差は安定。いわゆる、そんなに負けていない競馬が続いているといってよいと思います。特に前走関屋記念はもう少しで勝ち負けという内容。重賞でも通用することは明らかです。

 ただ、今回気になるのが1週前追い切り。道中ゆったり進めて、ラスト2Fがしっかり伸びるというのが、米子S2着や前走のCWでしたが、今回は道中が速い分だけ、ラスト2Fのラップが物足りない内容。特に最後に0.4秒減速したところはどうなんだろうという気がします。中山マイルは勝っていますし、ここで人気上位は当然だと思いますが、1週前の内容は気に留めておきたいところです。

【セントウルS/ビッグシーザー】

 少しレース間隔があいても、追い切り本数は少なめ。そんなスタイルで連勝していましたが、葵Sは3着に敗れます。これがあって、今回は栗東への帰厩をいつもより早めて、しっかり乗り込む形で仕上げました。

 とはいっても、極端に本数が増えたわけではありません。ただ、1週前追い切りのCWでの動きを見ても、暗闇の中でひと際輝く馬体が素晴らしく、しっかりと中身が出来た体という印象が強かったですね。最終追い切りの坂路でのラップは前走時とほぼ同じですが、今回の方が前走よりもいいと思います。

調教Gメン研究所

出来は前走以上に思えるビッグシーザー(9月5日撮影)


【セントウルS/アグリ】

 高松宮記念は馬場、前走は香港というわけで、連勝が止まってからの2戦はそれなりの敗因があるかなと思います。今回は休み明けになりますが、レース間隔があくこと自体は不得意ではありません。これまでの休み明けは追い切りの本数がさほど多くありませんでしたが、今回はかなり入念です。

 1週前追い切りは坂路で単走とはいえ、4F50.9秒をマーク。2F23.6秒が素晴らしい時計ですが、目一杯に追われて、4F目が0.2秒とはいえ減速しているところは少し気になります。だからなのか、9月3日の週末に坂路4F52.6秒をマーク。このパターンは近走にないものですし、それだけ仕上げてきたということなのかもしれません。素軽く動くというよりも、意図的に時計を出したことをどう判断するかですね。

調教Gメン研究所

今回は入念な調整で挑むアグリ(9月5日撮影)


◆次走要注意

・9/2 札幌2歳S【ウールデュボヌール】(5人/9着)

 向正面で押っ付けていた時点で厳しくなるのは想定内でした。その後に関しては、気持ちを乗せることができないまま終わったので、ここは着順も着差も関係なしの負け。今後もこういったケースは考えられますが、レースの流れに乗っていくことができれば変わってくるはずですし、この一戦で見限らない方がよいでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが併せ先着なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りが坂路馬場で4F53.0秒以下
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目12.5秒以下
○馬ナリ平均か乗込の調教タイプ

 ◎はすべて坂路絡み。○は秋開催ということもあり、スピード優先の馬場で軽さが象徴されるといったところです。これらの調教適性の中でセントウルSで最も重要視したいのは4F時計。これに加えて、2F時計も注目すべきなので、これに関してはウマい馬券の中で記すことにします。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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