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【ステイヤーズS・チャレンジC・チャンピオンズC予想】冬のJRAダート王決定戦 東西重賞の有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2023年11月29日(水) 18時00分

セラフィックコールの時計内容は


 先週のジャパンC。レース当日はJRAのお仕事でしたが、競馬場ではない都内某所。そのため、モニター観戦となりましたが、スタジオだったこともあり、迫力十分なサウンドと画面で守永真彩さん、スタッフさんと一緒にレースを観ることができました。

 最初は競馬場に行けないことが残念で仕方なかったんですが、競馬場でなくても楽しく観戦できたこと、すごくいい思い出になりました。また、レース内容が最高でしたね。◎ドウデュースの4着は馬券的に残念ですが、予想としてはさほど悪くなかったかな、と。モニターで落ち着いているように見えましたが、今朝、友道康夫調教師に確認しても「前回とは全然違っていた」とのこと。ドウデュースの今後は有馬記念を視野に入れるようですし、年末のグランプリも楽しみですね。

【ステイヤーズS/テーオーロイヤル】

 約1年ぶりのレースだったアルゼンチン共和国杯。非常に丁寧な調教過程を踏んだこともあって、10着とはいえ、勝ち馬から0.6秒差の競馬ができています。その後も順調なようで、ここを目指していますが、気になるのは前走がCWでの追い切りが中心だったこと。1週前追い切りCW、最終追い切り坂路というのが、ダイヤモンドSを勝った時のパターンです。

 前走も今回も最終追いがCW。そもそも栗坂での追い切りもない今回。中3週で追い切り本数も標準以上にこなしていますが、重賞を勝った時のパターンには戻り切っていないと判断するのがよいと思います。

調教Gメン研究所

最終追い切りをCWで消化したテーオーロイヤル(写真左、11月29日撮影)


【チャレンジC/ガイアフォース】

 オールカマーも天皇賞(秋)も5着。ただ、その価値が大きく違うことは当然お分かりだと思います。2走前と前走の違いは1週前追い切り。2走前は坂路でしたが、前走はCW。1週前追い切りのCWでの動きが素晴らしかったことは今でも覚えているので、あれが好走の要因だと考えています。

 そう思うと今回の1週前追い切りは坂路。同じ中4週という間隔で馬場が変わったことをどう判断するか。もちろん、1週前追いの動きや最終追いの坂路でのラップの踏み方は悪くないのですが、やっぱり1週前追いが気掛かりです。

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最終追い切りを坂路で消化したガイアフォース(11月28日撮影)


【チャンピオンズC/セラフィックコール】

 前走が重賞初制覇、とはいえデビューから5連勝で達成。上がり3Fは5戦すべてメンバー最速という、とにかく強さが目立つ内容となっていて、GIでも人気するのは当然だと思います。ただ、レースが後方からの立ち回りになるという点が中京でどうなんだという部分はあるでしょう。

 そこはさておき、今回の調教内容。1週前追い切り、最終追い切りがともにCWで81秒台だった前走と比べ、今回は1週前追いが89.9秒、最終追いが86.7秒。かなり時計が遅くなりましたが、これはレース間隔もあるかもしれません。中5週だった八王子特別の6F時計の出方に似ていますが、それと比べても遅いのが今回。大型馬だけに、この時計内容が実戦にどう影響するのか、という点については少し気になります。

調教Gメン研究所

最終追い切りをCWで消化したセラフィックコール(11月29日撮影)


【チャンピオンズC/ハギノアレグリアス】

 今年は名古屋大賞典を勝ち、JRA重賞であるシリウスSも勝利。着実に結果を出している印象ですが、調教内容としては坂路オンリーです。これは調教適性の話になりますが、チャンピオンズC自体は併用調教が圧倒的に有利。ここがどうか、ということになりますが、同じような調教適性になる東海S(中京ダート1800m)で2着という結果はある意味心強いところもあります。

 調教内容は至って順調。1週前追い切りにしっかり時計を出して、最終追い切りは併せ馬。これは前走と同じパターン。ラップの踏み方も決して悪くありませんし、あとはGIにおける力関係ということになってくるかもしれません。

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1週前追い切りにしっかり時計を出したハギノアレグリアス(11月21日撮影)


【チャンピオンズC/テーオーケインズ】

 前走のJBCクラシック。2着と思ったところを差し返されて3着。これには正直、ガッカリしましたし、ひょっとしたら、もう高いパフォーマンスは期待できないのかも、と諦めかけました。しかし、リフレッシュ放牧を挟んだ今回はいろいろと馬の雰囲気が変わってきました。

 だからこそ、と思っているところが、28日の坂路での調整。松山弘平騎手が騎乗時間に余裕があったから跨ったということでしたが、普通の調教に跨る形になりました。これを見た時に「明日の追い切りにいい効果がありそう」と思っていましたが、最終追い切りの坂路でのラップの踏み方は昨年ではなく、一昨年と同じ形。これなら、と思える状態であることは間違いありません。

調教Gメン研究所

最終追い切りを坂路で調整したテーオーケインズ(11月28日撮影)


◆次走要注意

・11/25 2歳新馬【トウカイポワール】(1人/4着)

 1番人気に支持されたのは、追い切りでの時計が評価されたと思いますが、動ける状態にあったのは間違いありません。スタートが悪くて序盤は揉まれそうな展開になりますが、行き脚をつければ、先頭集団に追いつきました。最後の直線を向く時には手応え十分でしたが、内へ進路を選んだことが伸びなかった原因だと思います。次は距離を延ばしてもいいかもしれません。

[メモ登録用コメント] [ダート1400m]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<中山芝3600m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 開催おすすめというよりも、ステイヤーズSに限定される調教適性ですが、昨年が標準多め併用、馬ナリ平均併用、標準多め併用ということで◎該当馬で3着以内を独占した形となりました。最終追い切りに関しては、過去2年がCWなので、坂路よりも美WやCWといったトラックのウッドチップ馬場がベターかもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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