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【中山金杯・京都金杯・フェアリーS・シンザン記念予想】2024年中央競馬が開幕! 新春の東西重賞有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年01月04日(木) 18時00分

今年も初週から注目レースが目白押し


 2024年は1月6日が東西金杯。これが土曜日なので、3日が水曜日で通常の追い切りスケジュールと同じという点では変則的な追い切りに悩まされることはなさそうです。また、7日、8日にフェアリーSとシンザン記念という開催にもなっていますから、4日にも追い切りが多く行われており「変則日程だから」と言い訳ができない状況です(笑)。

 本年も馬券予想のお役に立てるよう、調教内容を的確に、コンパクトにお伝えしていけるように努めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【中山金杯/マテンロウレオ】

 昨年の中山金杯は57.5キロを背負って5着。勝ち馬とは0.1秒差の競馬ですから、ここで人気して当然の実績があります。ただ、ハンデは昨年よりも1キロ増えた58.5キロ。大阪杯4着を考えると妥当なのかも知れませんが、トップハンデを背負わされた厳しさはありかも知れません。

 調教内容に関しては昨年とは全く違う追い切り本数で仕上げてきました。昨年の中山金杯よりも1週だけレース間隔があいた形ですが、昨年が2本に対して、今年は坂路も併用しての7本。調教面としてはこれだけで本命に値するくらいの攻め強化だと思います。12月20日のCWでの3F36.4秒も抜群でしたし、あとはハンデを克服できるかどうか。

調教Gメン研究所

中山金杯に向けて調整されるマテンロウレオ(1月3日撮影)



【京都金杯/ドーブネ】

 武幸四郎厩舎は追い切り前に隊列を組んで前運動することがパターン化しています。ただ、以前のドーブネはその隊列に入ることなく、1頭で時間をずらして調教するようなタイプでした。それが今では隊列に加わって調教ができています。これを見ただけで、どれだけの精神的な成長があったかということですし、だからこそ成績も安定していると思います。

 落ち着いているからこそだとは思いますが、今回はCWでの追い切りの3F時計が目立ちません。前走時は36秒台を連発したこともありましたが、今回はほぼ3F38秒台。決して悪いわけではないのですが、こういったスピードタイプの場合、速さを求めてしまうんですよね。追い切り本数が少ないわけでもなく、順調に仕上がっているのは間違いないので、ここがチャンスなのは間違いありません。

調教Gメン研究所

京都金杯に向けて調整されるドーブネ(1月3日撮影)


【京都金杯/フリームファクシ】

 昨年はきさらぎ賞で重賞制覇。クラシックでの活躍も期待されましたが、皐月賞と日本ダービーはそれまでの先行する形でレースができずに惨敗。チャレンジCでは先行したものの8着に敗れており、ここにエクスキューズがつくかどうか。1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路というのは、新馬戦2着の好走実績しかなく、これが良いパターンではなかったと捉えることはできます。

 今回は1週前追い切りが坂路で最終追い切りがCW。これはきさらぎ賞を勝った時と同じパターン。最終追いは先行して我慢する併せ馬でしたが、以前ほど行きたがっている印象はありませんし、これなら立ち直る可能性十分という気はします。

調教Gメン研究所

京都金杯に向けて調整されるフリームファクシ(1月3日撮影)


【フェアリーS/キャプテンネキ】

 2勝馬ではありますが、netkeiba.comの予想オッズではあまり人気がありません。マイル重賞に対して、1400mしか経験がないところが敬遠されているのかも知れませんね。追い切り内容に関しては、12月27日の1週前追い切りがCWで3頭併せを最先着。少しレース間隔はあいていますが、負荷としてはしっかりかけられています。

 そして、最終追い切りは坂路。2F26.0秒が少し地味ですが、4F目最速ラップを踏むことはできています。レース間隔と1週前にCW追い切り消化はりんどう賞1着時に似ているので、その点は評価すべきだと思います。

【シンザン記念/ゼルトザーム】

 出走メンバー唯一の重賞ウイナー。とはいっても、近2走はダートにチャレンジしており、最長勝利距離は1200m。人気にはなりそうにありませんが、12月31日に坂路で時計を出していて、レース間隔が詰まっても、しっかりと調教をこなしている印象です。

 最終追い切りは1月4日にCWで併せ馬。先行していたこともあって、こちらが大外を回り、相手がかなり内を回っても手応えはこちらが優勢。この日は調教開始前から雨が降り続けていて、追い切った時間帯は走りにくい馬場状態だったと思います。ただ、それを軽快なピッチ走法で楽々と走っており、雨馬場は得意な印象。逆にこの走法だからこそ、マイルはちょっと長いのかなという印象もあります。

調教Gメン研究所

シンザン記念に向けて調整されるゼルトザーム(1月4日撮影)


◆次走要注意

・12/28 ホープフルS【インザモーメント】(12人/8着)

 キャリア2戦で初めての中山。乗り替わりなども考慮すると、かなり厳しい条件でのGI挑戦でしたが、4コーナーではひょっとして、と思わせるような手応え。さすがに最後の直線で力負けしましたが、能力の高さが証明した8着だと解釈しています。この経験は今後の大きな糧になるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがCWでラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝1600m外回り>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト2Fが11.9秒以下のラップを踏むこと
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプに該当すること

 2024年最初の京都開催の調教適性は2023年の3開催分を参考にした調教適性。京都金杯は5日開催ということで、調整が変則になりやすいのですが、今年は6日の土曜日開催。よって、通常の追い切りスケジュールで対応できるため、上記の調教適性重視でよいと思いますし、8日のシンザン記念に関しても同様でしょう。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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