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【愛知杯・京成杯・日経新春杯予想】今週は木曜日追い切りが通常となった 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年01月11日(木) 18時00分

京都の馬場はいつもの開幕週ではない?


 1月6日からスタートした京都開催。関係者からは「いつもの開幕週ではない、馬場が荒れている、馬場が重い」といったコメントを聞くことができました。パンパンの馬場ではないことを理由に、今の京都開催の重賞を使うことを回避して、違う番組に出走予定を切り替える陣営もあるくらい。これは覚えておきたいところです。

 さて、今週は土曜日に愛知杯、日曜日に京成杯と日経新春杯の3重賞。8日の月曜日まで競馬開催が行われたことで、火曜日が全休となり、通常は追い切りが集中する水曜日が全休明け。火曜日に休日返上で水曜日の追い切りに備えた馬もいますが、そんな状況があって、木曜日追い切りが通常な今週です。

【愛知杯/ミッキーゴージャス】

 2戦2勝で挑戦したオークスではGIの壁に跳ね返されましたが、自己条件からスタートした昨秋に2勝クラス、3勝クラスを連勝して、オープン入りを果たします。前走後はすぐにここを目標に調整を進めており、12月下旬から栗東で追い切りを開始して、2週前追い切りと1週前追い切りはCWで併せ馬を行っています。その内容はいずれも先着。活発に動くことができているのは間違いありません。

 最終追い切りは坂路で4F54.5秒。2勝クラスを勝った時の最終追いとほぼ同じ内容、4F目最速ラップを踏むことができたという意味でも同じ内容だったと判定してよいでしょう。まだまだ強くなりそうな余地を残している状況ですが、現時点でも重賞で通用するはず。ここは楽しみです。

【京成杯/ジュンゴールド】

 デビュー戦こそ、坂路での追い切りも併用していましたが、前走は坂路は15-15程度が1本あるだけで、あとはCWとDPで仕上げていました。友道康夫厩舎としては珍しいパターンになりますが、それで結果を出しているのであれば、問題ないということなのでしょう。

 今回も12月17日に坂路で4F55.4秒をマークして以降はCWで追い切りを積み重ね、最終追い切りはDP。後ろでサトノグランツと新馬の併せ馬が走っていましたが、この馬自身は単走。6F時計は過去2戦よりも速く、そういった意味で時計的な負荷は強くなっています。この馬自身を評価する上での調教内容は減点なしということでよいと思います。

調教Gメン研究所

時計的負荷は強かった最終追い切り(1月10日撮影)


【京成杯/ハヤテノフクノスケ】

 デビュー戦2着から中1週の未勝利で勝ち上がり。前走の最終追いに関しては、レース間隔が詰まっていたので、4F57.2秒と遅い時計になりましたが、これが好走パターンと決めることもないでしょう。

 今回は中7週。1週前追い切りがCWで6F88.2秒と全体時計は遅かったものの、3頭併せで最先着。最終追い切りは4F目最速ラップこそ踏めなかったものの、4F52.2秒は自己ベストを大幅に更新する時計。追い切り本数は多くありませんが、時計的な負荷は強い今回です。

【日経新春杯/サトノグランツ】

 菊花賞で10着に敗れた後は、レース間隔をあけて、日経新春杯を目標に調整。12月半ばから栗東で追い切りを開始していますが、4ヶ月ぶりで結果を出した神戸新聞杯の時と比較すると、CWでの追い切り時計が速くありません。12月31日こそ、6F79.3秒ですが、それ以外のCWでは6F85秒以上。1週前追い切りのCWは決して悪い動きではなかったと思いますが。

 やっぱり気になるのが最終追い切り。Dコースでの追い切りは芝馬場での経験が2回あって、ゆきやなぎ賞は1着。ただ、今回は馬場がポリトラックですから、初めてのパターンになります。調教量は十分なのですが、好走時とパターンが違うという意味では、なかなか評価しにくいところではあります。

調教Gメン研究所

初めてのパターンの最終追い切り(1月10日撮影)


【日経新春杯/サヴォーナ】

 菊花賞時の1週前追い切りはCWでしたが、神戸新聞杯2着時の1週前は坂路。決して、1週前がCWでなければいけないということはないでしょう。むしろ、週末と週中のリズムでしっかりと追い切りの本数をこなすことが重要かもしれません。そういった意味で、休み明けの今回はそれをこなしているので問題なし。

 最終追い切りは坂路で4F51.8秒。追い切られた7時43分という時間帯を考えると、かなりしっかりと動いたと思いますし、なにより後半2Fが24.2秒なので、終いがしっかりした動き。状態に関しては、これまでの好走時と変わりなく、良い、と判断してよいでしょう。
調教Gメン研究所

好走時と変わらない追い切り(1月10日撮影)



◆次走要注意

・1/8 シンザン記念【フェリーニ】(14人/12着)

 惨敗に思えますが、最後の直線に向くところでは見せ場十分。将来性高い調教適性に該当しているような、スピードのあるタイプですから、重たい馬場は不向きだったかもしれません。時計の出るような馬場になってあらためての見直しが必要でしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路馬場で4F目が最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝2000m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目が12.9秒以下のラップを踏むこと

 今週から開幕する小倉競馬。その初日に行われる愛知杯は芝2000mですが、調教適性としては上記の通り。1月10日に最終追い切りを行っている馬もいるので、そのラップを確認すると、人気馬と人気薄がピックアップできるはず。調教適性通りなら、少なくとも3連系は高配当になりそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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