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【若駒S・AJCC・東海S予想】雨馬場の予報の京都にてどこに重点を置くか 出走馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年01月17日(水) 18時00分

東海Sのほうが高配当に期待


 先週からスタートした小倉開催。初日は1番人気が4頭勝利していますが、3連単の配当で10万超えが6レース。2日目はそこまでの波乱となりませんでしたが、やっぱり荒れる冬の小倉開催というイメージでよいのかもしれません。

 今週は日曜日に2重賞。特別登録が13頭のAJCCよりは、17頭の特別登録となっている東海Sの方が高配当が狙えるのかもしれません。京都が初めて、京都が得意といろんなキャラが集まった印象もありますし、その中でどの脚質を狙っていくのか。また、京都は木曜日以降に連日、雨の予報が出ていますから、雨馬場でどうなるか。どこに重点を置くかで、狙う馬が変わってきそうです。

【若駒S/ストーンズ】

 12月の阪神で新馬勝ちした後はここを目標に調整。12月下旬には坂路で時計を出し始めて、年末年始にはCWで追い切るなど、中5週と少しレース間隔はあきましたが、その期間にしっかりと調教を積んでいるといった印象です。

 そういったこともあってか、1月7日の坂路では4F52.6秒、1F12.4秒をマーク。デビュー前の坂路での追い切りでマークしていた時計を遥かに上回る自己ベストをマークしています。それだけパワーアップしたということでしょうし、1週前追い切りでも絶好調な古馬3勝クラスには半馬身遅れたものの、古馬2勝クラスには大きく先着。この内容は評価したいところですが、最終追い切りが坂路になり、前半がちぐはぐラップを踏んだ点をどう評価するかでしょう。

調教Gメン研究所

1週前追い切りにて古馬2勝クラスには大きく先着したストーンズ(写真手前、1月11日撮影)


【AJCC/ボッケリーニ】

 AJCCは2022年に出走して3着。昨年は日経賞に出走して2着ですから、中山競馬場に対する適性は高いと判断してよいでしょう。そして、京都大賞典とチャレンジCが2着続きですから、年齢的な衰えを心配する成績でもありません。そのあたりが想定段階でも人気上位の要因でしょうか。

 中6週の今回ですが、2週前追い切り、1週前追い切りとCWでの併せ馬が遅れ。1週前追い切りは時計こそ速いのですが、ラスト1Fが12.4秒要したのは気になりました。最終追い切りがCWで単走というのは鳴尾記念を勝った時と同じパターンですが、当時の3Fは36.8秒。今回は37.9秒ですから、このあたりの微妙な違いも気になります。

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最終追い切りは鳴尾記念を勝った時と同じパターンのボッケリーニ(1月17日撮影)


【AJCC/マイネルウィルトス】

 昨年の京都大賞典で1週前にCW追い切りを敢行。これが浮上のきっかけになりそうな気がしていましたが、その後の成績を見ると、CWでの追い切りは課されていないものの、安定した成績を残すことができるようになったといってよいでしょう。

 1週前追い切りの坂路では4F51.8秒が自己ベストタイ。映像で動きを確認しましたが、4F目が減速したラップではあるものの、勢いや迫力はまさにアルゼンチン共和国杯時の1週前追い切りと遜色ないものと思います。体調は素晴らしいと思いますが、前走から一気に距離が短縮するにあたって、坂路調教オンリーで対応できるかどうかという点だけ危惧しています。

【東海S/ウィリアムバローズ】

 みやこSは逃げず、番手でもなく、でも3着という結果を残したことに収穫があったレースだと思っています。前走は1ヵ月間、栗東でしっかり乗り込んで、馬体重が504キロ。太いというよりもパワーアップしたんだろうという認識でした。

 今回は前走よりもレース間隔があいていますが、追い切り本数自体は少なくなっています。1週前追い切りのCWでの動きは単走にしては、しっかり時計が出ていると判断しましたが、ゴール前にあれだけステッキが入ったのは、ひょっとしたら重いからかも、なんて考えたりもしました。最終追い切りの坂路での時計はいつも通りですから、順調だとは思いますが、最終的には映像を確認して評価を決めようと思います。

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1週前追い切りのCWでしっかりと時計が出ていたウィリアムバローズ(1月11日撮影)



【東海S/ペプチドナイル】

 12月28日の木曜日に開催があったベテルギウスSは最終追い切りが前週の土曜日、12月23日。もともと、土曜日追い切りを得意とする武英智厩舎ですから、ここで4F51.0秒の自己ベストタイをマークしての出走は、勝利した結果を考えると最適な負荷だったのかもしれません。

 今回は中2週ですが、レースは日曜日。ということで、1月13日の土曜日に坂路で4F50.4秒の自己ベストを更新して、最終追い切りは坂路4F56.2秒と軽め。この判断が難しいところではありますが、厩舎の得意パターンですから、ここは一定の評価が必要だと思います。

調教Gメン研究所

一定の評価が必要なペプチドナイル(1月10日撮影)


◆次走要注意

・1/14 日経新春杯【ハーツコンチェルト】(2人/4着)

 右回りが人気以上に走ることができない要因かもしれませんが、中間の美Wでの追い切りがきれいな加速ラップを踏むことができていないあたりにも原因があるかもしれません。これから暖かくなってきた方が動けるタイプかもしれませんし、とにかく美Wでのラップの踏み方に注意です。

[メモ登録用コメント] [芝]追い切りすべての美Wできれいな加速ラップを踏むことができるか注目

◆開催おすすめの調教適性

<京都ダート1800m>
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目以降12.9秒以下のラップを踏むこと
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 1回京都開催の高額条件に関しては、◎の3F目以降のラップか4F目最速が好走しています。これが重要なのは間違いないと思いますが、ただ、少し時計を要した馬場での話。今週は雨の影響を受ける馬場になりそうですし、1分50秒9という勝ち時計だった、昨年のみやこSが標準併用、標準併用、標準多め坂路主体という決着だったことを思うと、併用系統という調教タイプの方が重要かもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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