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【クロッカスS・根岸S・シルクロードS予想】今週から東京開催が開始、今年最初のJRAでのGIまで約1ヶ月 有力馬たちの調教内容は?

  • 2024年01月24日(水) 18時00分

先週雨の影響を受けた芝の状態も気になる


 早いもので中山開催が終了し、今週から東京開催。その最終週にはフェブラリーS、というわけで、今年最初のJRAでのGIまで1ヶ月を切りました。その前哨戦となる根岸Sですが、予想オッズの時点では条件クラスから連勝している馬が人気上位になりそうですね。新興勢力なのか、実績馬なのか、はたまた。

 そして、2ヶ月後に行われる高松宮記念に向けてのシルクロードS。これまでスプリント重賞で活躍していた馬というよりも、新興勢力の馬名が目立ちますよね。こちらはハンデ戦ですから、斤量も大きなポイントになるでしょう。これに加えて、先週雨の影響を受けた芝の状態も気になるところです。

【クロッカスS/ジャスパーノワール】

 京王杯2歳Sで重賞経験がある、この舞台。芝1200mの実績しかなくても、その経験値は大きなアドバンテージになりそうです。調教内容については、坂路では常に速い時計を出せるタイプ。今回も1月19日の坂路が4F51.1秒で速い数字をマークしています。

 ただ、距離延長に対応するためには、4F目が最速になるラップを踏めるのがベストだろうなと思っているところに、今回の最終追い切りが坂路4F52.8秒で4F目11.8秒の最速ラップ。この内容なら高いパフォーマンスを見せる可能性がありそうです。

【根岸S/エンペラーワケア】

 坂路中心の追い切りで、これまでの坂路での4F時計ベストは51.1秒。ダートではずっと1400mを使い続けて結果を出しているのは納得です。脚質としては逃げ先行ですが、最後までしっかりと脚を使うことができるのは、最終追いで4F目最速ラップをきちんと踏むことができているからでしょう。

 そういった意味では今回の最終追いもこれがポイントだと思っていましたが、これはしっかりクリア。4F時計は55.1秒と少し遅めですが、1週前追い切りが坂路4F49.7秒で自己べストを更新しており、ここでスピードのバランスはとることができていると思います。

調教Gメン研究所

1週前追い切りで自己ベストを更新したエンペラーワケア(1月23日撮影)


【根岸S/サンライズフレイム】

 1勝クラスから4連勝中。すべて1400mという距離の使い方が徹底されているのもよいと思います。最終追い切りの特徴としては、すべて坂路4F51.9秒以下の時計。速い時計をマークすることで結果を出してきたという判定でよいと思います。

 休み明けで東京遠征。今回はどうするんだろうと注目していましたが、最終追い切りは坂路4F51.0秒。これまでの好走パターンを継続してきたという意味では当然評価しなくてはいけません。追い切り本数も多い仕上がりですし、この調教内容で評価を低くする理由はありません。

【シルクロードS/アグリ】

 阪神Cは約3ヶ月ぶりでしたが、1週前追い切りは坂路4F50.3秒。2F24.4秒でしたが、ラストが12.6秒。速い全体時計でしたが、終いが物足りない印象でした。それでも結果は3着ですから、気になったといっても細かな部分なのでしょう。それよりも1週前に50秒台をマークしたというのが、セントウルS2着時と同じでしたから、重要だったと思います。

 そういった意味で、今回の1週前追い切りは坂路4F50.4秒。2F23.9秒、1F12.1秒ですから、この内容は文句なしといってよいでしょう。最終追い切りの坂路2F25.0秒がこれまたちょっと気になりますが、4F目最速ラップを踏んでいれば問題ありません。

調教Gメン研究所

最終追い切りが少し気になったアグリ(1月23日撮影)


【シルクロードS/ルガル】

 京都芝1200mは葵S、京阪杯で重賞2着。スワンSを除けば、京都で馬券圏外になったことがないので、京都は得意、京都は慣れているという表現をして全く問題ないでしょう。1分7秒台での2着ではありますが、橘Sの勝利が不良馬場でしたから、時計を要する馬場でも問題ないかもしれません。

 調教内容は1週前追い切りが坂路4F50.1秒で自己ベストを更新。最終追い切りは終い重点で4F53.4秒ですが、2F23.7秒、1F11.4秒で文句なしのラップを踏みました。追い切り本数も十分ですし、57.5キロを背負うとはいえ、ここで人気するのは自然の流れだと思います。

調教Gメン研究所

最終追い切りは終い重点で消化したルガル(1月23日撮影)


◆次走要注意

・1/21 AJCC【ショウナンバシット】(7人/9着)

 着順は悪くなりましたが、勝ち馬からは0.5秒差。やはり前受けすれば、好走できることは確認できました。今回は馬場が悪すぎただけ。距離は中距離ベストでしょうから、次も狙うべきでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがCWで併せ馬を先行して遅れなければ勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京ダート1400m>
◎1週前追い切り、最終追い切りともに坂路2F24.9秒以下をマークすること
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場で併せ馬が同入もしくは先着すること
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
○追い切り本数が多い調教タイプ

 過去の根岸Sでは3年連続好走馬を出しているのが、1週前追い切りも最終追い切りも坂路2F24.9秒以下の調教パターン。もちろん、トラックWの◎か坂路の◎が好走というケースが多くなっています。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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