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【東京新聞杯・きさらぎ賞予想】顕著な高速化の東京芝マイルは展開と調教適性が予想の鍵に! 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年01月31日(水) 18時00分

とはいえ展開一つで前有利にも後ろ有利にも


 先週から開幕した東京競馬場。今週は芝マイルの東京新聞杯が行われますが、ひと昔前の1分33秒以上の時計を要していた頃とは違い、最近は少なくとも1分32秒前半、速ければ1分31秒台の決着になっています。先週の節分S(3勝クラス)の勝ち時計が1分32秒5。前日の新馬でも1分34秒7でしたから、やっぱり今年の東京新聞杯も31秒台かも知れません。

 ちなみに節分Sのレース上がりは33.9秒。前半が35秒前後なら、切れ味がものすごく重要なレースになると思いますが、昨年のように、ある程度前半をしっかりと流す、34.4秒くらいなら、前がそのまま押し切るということもあります。ここに東京新聞杯の調教適性をあてはめていくと、予想が成り立っていくので、ウマい馬券でしっかり仕留めたいと思います。

【東京新聞杯/マスクトディーヴァ】

 ローズS、秋華賞。レース間隔は全く違いますが、最終追い切りが栗東坂路で4F54秒台、2F25秒台という共通点がありました。秋華賞の最終追いではよれたように見える走りで評価を下げてしまいましたが、結果的には関係なかったということでしょう。また、1週前追い切りがCWが前記2レースの共通点で、それは今回も同じでした。

 今回の最終追いは坂路4F53.5秒。2F25.0秒で4F目が最速になるラップを踏むことができています。自身にとって初めてのマイルというのはウィークポイントかも知れませんが、調教内容としては評価を下げるところがありません。

調教Gメン研究所

最終追い切りは前二走と同様に坂路で追い切られたマスクトディーヴァ(1月30日撮影)


【東京新聞杯/ジャスティンカフェ】

 マイルCSは1週前追い切りが栗東坂路で4F50.6秒。自己ベストに近いスピードを発揮して、最終追い切りはCWで6Fからきれいな加速ラップを踏み、併せ馬でも先着しています。今回も1週前追いが坂路で速い時計。その数字は4F49.4秒ですから、自己ベストを更新しています。

 この動きがあったからだと推測していますが、最終追い切りのCWが6Fからきれいな加速ラップ。3頭併せの一番内でしたが、引っ張り切れないくらいの手応えで最後は最先着か同入かという動き。休み明けにはなりますが、マイルCSの時に近いような状態ではないかと思われます。

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最終追い切りできれいな加速ラップを見せたジャスティンカフェ(1月31日撮影)


【東京新聞杯/マテンロウスカイ】

 ケフェウスSの休み明けは追い切り本数は少なかったですし、速い追い切り時計も少ない状態での9着。負けるべくして負けたかなという結果です。その後のカシオペアSとリゲルSでは追い切りの負荷がしっかりとかけられた状態で4着、1着。やはり坂路の時計はある程度必要なタイプだと思います。

 そういった意味で今回は中間に4F52秒台、53秒台をマーク。十分な追い切りを消化できたと思いますし、最終追い切りは坂路4F52.4秒。メイS2着時の最終追い坂路4F51.6秒に比べると少し遅くなりましたが、あまり気にすることもないでしょう。あとは自分の競馬をしてマイル重賞でどこまで、といったところです。

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十分な追い切りを消化し仕上がりに抜かりはないマテンロウスカイ(1月30日撮影)


【きさらぎ賞/ファーヴェント】

 新潟でのデビュー前は6月から栗東でしっかりと時計を出し、丁寧な調教内容で結果を出しています。前走、東京スポーツ杯2歳Sにしても同じ。そういった意味では今回もレース間隔はあいていますが、調教量としては十分な本数をこなしています。

 1週前追い切りがCWというパターンは前走とは違い、新馬戦と同じという意味では勝利に近いかも知れません。最終追い切りは坂路で4F52.6秒。2F24.3秒、1F12.0秒で4F目が最速になるラップを踏みました。4F時計は自己ベストを更新しましたし、きっちりここを獲る調教を課してきたという印象です。

調教Gメン研究所

最終追い切りできれいな加速ラップを見せたファーヴェント(1月31日撮影)


【きさらぎ賞/ビザンチンドリーム】

 デビュー前の追い切り内容は決して目立つというほどでもありませんでしたが、レースではきっちり結果を出しました。それに比べると、今回の1週前追い切りのCWではジョッキーが跨ったということもあるかも知れませんが、かなりしっかりした動きだったと思いますし、6F82.6秒という時計もなかなかのものでした。

 最終追い切りのCWでは6F標識からの入りが遅かったこともあり、全体時計は遅いだろうなと思ったら、やはりその通り。6F86.4秒ですから、かなり遅くなりました。道中が遅かったこともあってか、最後の直線での反応が鈍く、一瞬、相手に遅れるかというところでしたが、ゴール前では手応え逆転の動き。やっぱり能力のある馬だと思いましたが、まだまだ器用さに欠けるところもありそうなだけに、重賞でどうかというところはあります。

調教Gメン研究所

ビザンチンドリームの最終追い切りの様子(1月31日撮影)


◆次走要注意

・1/28 シルクロードS【ショウナンハクラク】(11人/5着)

 最終追い切りは中1週でも3F目以降が12.5秒、11.9秒、12.4秒と速いラップを踏んでいましたが、それがレースでもしっかり発揮されたようなメンバー2位の上がり。ゴールを過ぎてからの脚色を見ると、まだまだ余力があったことは間違いないですし、OP特別ならすぐに勝てるくらいの脚力です。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切りが坂路で2F目以降12.9秒以下のラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝1800m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト2F11.9秒以下のラップを踏むこと
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 この調教適性は昨年の京都開催を参考にしたもの。過去のきさらぎ賞では少し違った調教適性で好走している年もありますが、○の併用系統は意外に重要かも知れません。もう少し、今年の京都芝1800mの傾向も分析した上で、ウマい馬券で重視する調教適性は判断しようと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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