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【クイーンC・共同通信杯・京都記念予想】芝コースは内枠有利の東京、外枠有利の京都 出走馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年02月07日(水) 18時00分

馬券はタイトな組み合わせになりそう


 今週は土曜日に1レース、日曜日に2レースという重賞。すべて特別登録の段階でフルゲートを割っていますし、共同通信杯と京都記念に関しては特別登録が11頭、12頭。この時点で馬券はタイトな組み立てが要求されそうな気がします。

 芝の状態に関しては、内有利な東京に対して、外有利な京都。先週の結果を見れば、それは明らかですし、今週もそれが継続されるのかどうかが予想の根幹に関わるといってもよいでしょう。そういった意味では枠順も重要になりそうです。

【クイーンC/サフィラ】

 アルテミスS2着、新潟芝1600mの新馬戦が3着ですから、左回りに勝ち鞍はありません。とはいっても、重賞で連対していて、今回はそれと同じ舞台。同じような調教内容なら、と思っていましたが、そこは少しアレンジされています。

 まず1週前追い切りはアルテミスSがCWだったのに対して、今回は坂路。その分、週末にCWで追い切られていますが、これが6F86.3秒とある程度時計を出しています。これがアレンジされた部分で、左回りを意識してか、ラスト1F11.2秒と終いしっかり。最終追い切りの坂路は時計が遅くなりましたが、これはさほど気になりません。これでどんな結果を出せるか、今後の東京での走りを占う上でも注目です。

【共同通信杯/ジャンタルマンタル】

 3連勝でGIを制覇。デイリー杯2歳S、朝日杯FSと中4週が続いていて、いずれも坂路オンリーで4本の追い切り。今回は中7週で坂路オンリーの6本ですから、レース間隔を考えると、これまでと同じように仕上げることができているといってよいでしょう。

 前走時の最終追いは坂路で4F52.9秒をマークして、自己ベストを更新。これで結果を出しているわけですから、最終追いの時計は速くてよいと思います。ただ、今回は4F55.6秒に抑えています。このあたりは東京への輸送も考慮されたのかもしれませんが、その分、1週前追い切りが栗坂4F52.4秒なので、これが自己ベスト更新。調教内容は緩急がついた、非常に良い内容だと思います。
調教Gメン研究所

最終追い切りで自己ベストを更新したジャンタルマンタル(2月6日撮影)


【共同通信杯/エコロヴァルツ】

 朝日杯FSはデビューからの2戦とは一変して、後方待機のレース。それで結果を出したのですから、操縦性の高い馬だと思いますし、14キロの馬体重増も成長を示していたということでしょう。

 今回は中7週。追い切りの本数は十分ですし、1週前追い切りがCW、最終追い切りが坂路というのも前走と同じパターン。調教内容としては悪い点はないと思いますし、あとは他との能力比較、初東京、初左回りといった条件でパフォーマンスが上がるのか下がるのかというところでしょう。
調教Gメン研究所

最終追い切りは前走と同じく坂路を消化したエコロヴァルツ(2月6日撮影)


【京都記念/ベラジオオペラ】

 日本ダービー4着の後、期待された3歳秋のクラシック路線は夏負けがあって回避。結局、半年ぶりにチャレンジCへ出走しましたが、古馬との対戦も難なく制して、重賞2勝目を挙げました。半年ぶりということもあり、1ヶ月、栗東でしっかりと乗り込んでの出走でしたから、その調教内容は本当に丁寧でした。

 今回は休み明けの期間が違いますが、1月24日にCWでの追い切りを開始。決して追い切り本数は多くなく、むしろこのレース間隔でも少ないくらい。追い切りではない、普段のCWでの調整がすごく丁寧なので、その点は前走と同じですから、ここを評価するなら、ちょっとくらい本数が少なくても、という見方もできます。
調教Gメン研究所

CWでの調整がすごく丁寧なベラジオオペラ(写真奥白帽子、2月7日撮影)


【京都記念/プラダリア】

 京都大賞典を制したのが中4週。前走有馬記念はGIということよりも、2ヶ月半のレース間隔も影響したように思います。そういった意味では今回の方が上昇する余地がありそうですし、ないと困るところ。ただ、1週前追い切りのCWでの3Fが38.4秒。京都大賞典の時は37.5秒でしたから、ここは好走時との比較で気になるところです。

 最終追い切りは坂路。京都大賞典の最終追いがCWだったので、これは意外でしたが、昨年の日経新春杯3着時の最終追いが坂路だったので、好走例がないわけではありません。2F24.6秒と速い時計だったのは評価できますが、4F目最速ラップではなかったところがどうか。そこは少し気になります。
調教Gメン研究所

4F目が最速ラップではなかったところが気になるプラダリア(2月7日撮影)


◆次走要注意

・2/4 きさらぎ賞【インザモーメント】(6人/4着)

 4コーナーでは勝ったかなというポジション、最後の直線に向いてからはもう勝ったと思いましたが、最後に伸び負けしました。ただ「勝ちたかったけど、あの位置で脚をためることができたのは収穫ですし、これからそういった競馬ができれば」と田中克典調教師。GI、GIIIと重賞に連続出走して、得たものは大きかったと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]最終追い切りがCWでラスト1Fが最速ラップなら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝2200m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ

 2016年から2020年に京都芝2200mで行われた京都記念は併用系統の調教タイプが圧倒的に有利。仮に坂路単一調教であれば、追い切り本数が多いことが調教適性をアップさせている感じがします。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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