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【フェブラリーSなど予想】2024年JRA最初のGIフェブラリーSが開催 話題には事欠かない状況の調教内容は?

  • 2024年02月14日(水) 18時00分

差し脚質がファクターに


 いよいよ、今週は2024年、最初のJRAでのGI、フェブラリーSが行われます。世界での飛躍のため、昨年の覇者レモンポップをはじめ、ウシュバテソーロやデルマソトガケなど、出走すれば1番人気になりそうな馬たちが不在は少し寂しい現実です。

 ただ、地方所属から3頭が参戦。そして、芝重賞を勝った馬たちの初ダート参戦といった、話題には事欠かない状況ですから、さあ、馬券をどこから買おうかというところ。私は調教以外の部分では、先週の東京競馬場でリアルに体感したことを重視するつもり。それが先週の3歳1勝クラスの上がりタイムが1位、2位が1着と2着だったという「差し脚質」というファクターです。

【ダイヤモンドS/テーオーロイヤル】

 一昨年の勝ち馬。約1年ぶりだった昨年のアルゼンチン共和国杯は10着でしたが、勝ち馬からは0.6秒差という内容。CWでの追い切りを丹念にこなしたことが結果に表れたのでしょうし、前走ステイヤーズSもCWの追い切りで2着と結果を出しました。

 今回は以前のように坂路での追い切りも併用した調教内容。1週前追い切りがCWで併せ馬を課すというのは過去とも前走とも同じパターン。追い切り本数自体もたっぷりとこなしていますし、調教内容はマイナス評価となる部分はありません。ともなれば、このメンバーで過去の長距離重賞実績を考えると、主役を務めて当然でしょう。

調教Gメン研究所

調教内容はマイナス評価となる部分がないテーオーロイヤル(1月24日撮影)


【京都牝馬S/ナムラクレア】

 スプリンターズS3着からレース間隔はあいていますが、栗東での追い切り本数はごく標準。1月下旬から栗東で追い切りをスタートする形ですが、本格的な内容は2週前追い切りのCW。これが3頭併せで6F81.8秒でしたが、ラスト1Fが11.5秒と切れ抜群の動きでした。ちなみに昨年のシルクロードSは3週前追い切りがCWでしたから、今年はそこがありません。ただ「3週前追いがない=仕上がり良好」と思うのは、2週前の動きが昨年と違うから。

 また、1週前追い切りのCWに関しても併せて遅れたのは間違いありませんが、外的要因があったことはトレセンニュースに書かせていただきました。あれだけ待てば遅れるのは当然で、むしろあの反応は素晴らしかったと思います。最終追い切りは坂路で2F23.7秒、1F11.6秒。文句なしの内容でした。

【フェブラリーS/ドゥラエレーデ】

 未勝利戦は札幌ダート1700mで勝っていましたが、ホープフルSを勝っているので、芝のGIホース。それでいながら、UAEダービーで2着するなど、芝もダートも問わずに活躍しています。チャンピオンズCで3着した実績から、ここでも全く気後れすることのない結果を残しているといってもよいと思いますが、問題はマイルという距離。

 そう思っていたのですが、14日の坂路での最終追い切りでは、B.ムルザバエフ騎手が跨って、4F49.1秒。テンから速いラップを踏んでいるとは思っていましたが、これまでの自己ベスト4F50.3秒を大幅に上回るスピードでした。ラストも止まっている印象はなかったですし、このスピード仕上げが距離に対応する布石となりそうです。

調教Gメン研究所

スピード仕上げが距離に対応する布石となりそうなドゥラエレーデ(2月6日撮影)


【フェブラリーS/キングズソード】

 JBCクラシックでの勝利は見事でしたが、同じ舞台の東京大賞典は5着。状態に関しては、決して変わりなかったと思いますが、まだまだいろんな条件が揃ってこそ好走できるタイプなんだと思います。そういった意味では今回が初めての東京ダート1600m、というのは厳しいところもあるかも知れません。

 ただ、調教内容としては、攻めた印象の最終追い切り。岩田望来騎手が跨ったこともありますが、6F81.2秒。最終追いで決して速い時計を出すタイプではないだけに、しっかり負荷をかけてきたなあという印象。ただ、併せた相手に追いついたのはよいのですが、手応えはやや劣勢。そういった意味で判断の難しい最終追いという気はします。

調教Gメン研究所

最終追い切りでしっかり負荷をかけてきたキングズソード(写真右、2月14日撮影)


【小倉大賞典/ディープモンスター】

 前走アンドロメダSからレース間隔はあきますが、その分、CWでの追い切りが2週前、1週前と6F81秒台の負荷。同じようなレース間隔だった昨年の関門橋Sでは2週前がCW、1週前が坂路というパターンで最終追い切りはCWでした。

 今年は2週前と1週前がCWだったこともあってか、最終追いは坂路。前走と同じようなパターンですし、4F目が最速になるラップを踏むことができているという意味では評価すべきでしょう。あとは前走が58キロで勝ったこともあってか、今回のハンデが58.5キロ。過去の成績を見ると、初めて重い斤量を背負った時は何度か経験した後に結果を出しているようなタイプなので、そこが気になります。

◆次走要注意

・2/11 3歳1勝クラス【ディスタントスカイ】(3人/14着)

 パドックは落ち着きがあって、抜群の気配。ジョッキーが跨ると、軽くスイッチを入れるような仕草を見せ、スタートが完璧だった内容からも状態は文句なしと思われます。ただ、ハイペースなマイル戦で直線の長い東京。条件面が合わなかっただけで、1400m以下での再度見直しが必要でしょう。

[メモ登録用コメント] [ダート1400m以下]パドック気配次第で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<小倉芝1800m>
◎1週前追い切り以降に坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと
◎最終追い切りが坂路馬場で3F目以降12.5秒以下のラップを踏むこと
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト2F11.9秒以下のラップを踏むこと

 最終追い縛りの調教適性は先週までの結果を参考にして、変化追加した内容。時計が出る馬場になっているので、坂路にせよトラックにせよ、ラスト2Fの速いラップが重要という印象。これは昨年の小倉大賞典でも同じでした。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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