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【中山牝馬S・フィリーズレビュー・金鯱賞予想】コラソンビートはさすがのスピードを見せるが判断に迷い… 有力馬の調教内容は?

  • 2024年03月06日(水) 18時00分

昨年の覇者プログノーシスは昨年と遜色ない状態


 昨日のトレセンニュースでもお伝えしましたが、3月5日までは先週でラストランとなった厩舎も存続していて、3月6日に新規開業の厩舎があるという状況。今週は「新旧が交錯する」週となったわけで、今週末からはまた新しい競馬の歴史がつくられるということになります。

 そして、今週は障害も含めて、重賞は4つ。リステッドのOPが3つということで、予想が大変です(笑)。逆に予想の甲斐があるということもありますし、今春のGI的中に向けては、トライアル的な意味を持つレースで的中させることが大事になってくるでしょう。金鯱賞なんかは、大阪杯に向けてどんなレースになるのか注目したいところですし、5連勝中のドゥレッツァがどんな競馬を見せてくれるんでしょうか。

【中山牝馬S/コスタボニータ】

 3勝クラスを勝って、オープン入りしてからは勝ち星こそないものの、重賞でも馬券圏内に入るなど、健闘の走りは見せています。今回は中山芝1800mですから、2走前のディセンバーSと同じ条件。レース間隔も当時とよく似ています。

 調教内容に関しては今回の方が3月3日、週末追い切りがCWで速い4F時計をマークして、併せ馬を課してという意味では強い負荷。ただ、最終追い切りに関しては雨の影響を受けた坂路だったとはいえ、4F55.8秒はちょっと遅いかなという感じ。決して追い切りで動くタイプではないだけに、これでも十分ですが、逆に強調するほどでもない最終追いという感じもします。

【フィリーズレビュー/コラソンビート】

 阪神JFは中4週でしたが、坂路と美Wを併用して6本の追い切り。美浦からの輸送があるのにかなりしっかりと乗り込むんだなあという印象を受けました。それで結果は3着なわけですから、馬体重も4キロしか減ることなく、ベストな調教内容だったんだと思います。

 それを思うと今回の調教内容。美浦の坂路で1本時計を出した後に栗東へ移動しましたが、そこから3本。ということで、休み明けにしては追い切り本数は少ない仕上げとなっています。最終追い切りは坂路4F51.7秒をマークして、さすがのスピードを見せていますが、ラップ自体はちぐはぐ。このあたり、判断に迷うところです。

調教Gメン研究所

休み明けにしては追い切り本数は少ないコラソンビート(3月5日撮影)


【フィリーズレビュー/シカゴスティング】

 フェニックス賞で芝1200mを勝っていますが、ファンタジーS3着、阪神JFは5着ですから、マイル以下の距離に対しては融通が利く印象。これはCWでの追い切りを併用していたことも効果があったのかなというのが個人的な見解。ちなみにファンタジーSも阪神JFも1週前追い切りはCWでした。

 それが今回はレース間隔があいているにもかかわらず、1週前追い切りは坂路。最終追い切りも坂路という形なので、ここをどう判断するかですが、ラップの踏み方自体はきれいな加速となっているので、あまり軽視もできないのかなと思います。

調教Gメン研究所

あまり軽視もできないシカゴスティング(3月5日撮影)


【金鯱賞/プログノーシス】

 昨年の覇者。昨年は1月下旬から栗東で時計を出し始め、かなり本数を乗り込んだ印象でしたが、今年は2月中旬になってからの栗東での追い切り開始。ただ、香港遠征もあったので、このあたりは気にするところではないかと思います。

 1週前追い切りのCWでは川田将雅騎手が跨って、6F83.2秒と全体時計は遅くなりましたが、ラスト1Fは11.2秒と素晴らしい伸び。逆に最終追い切りでは6F80.9秒と道中からある程度のラップを踏んでいきましたが、それでもラストは11.6秒。ちょうどいい感じに仕上がった印象ですから、昨年と遜色ない状態に思えます。

調教Gメン研究所

ちょうどいい感じに仕上がった印象のプログノーシス(3月6日撮影)


【金鯱賞/ヤマニンサルバム】

 オクトーバーS、中日新聞杯と連勝しているので、ここで人気に支持されるのは当然。ただし、昨年の金鯱賞は7着に敗れており、この判断が難しいところではないでしょうか。ちなみに昨年とはローテーションが異なり、今年の方がレース間隔があいた形です。

 追い切りの内容としては、この馬らしく、1週前追い切りはCWで併せ馬を課して、最終追い切りは坂路。4F目が最速になるラップも踏むことができているので、いつもと変わりない調教内容だと思います。本数的な部分でいうと、この馬としてはいつもの感じですが、通常の休み明けから見れば、少ない本数ですから、このあたりがどう影響するかというところもあります。

調教Gメン研究所

いつもと変わりない調教内容のヤマニンサルバム(2月27日撮影)


◆次走要注意

・3/2 チューリップ賞【ラヴァンダ】(11人/7着)

 道中の位置取りは勝ち馬よりも前。4コーナーで後ろが迫ってきた時に一緒に反応できそうでしたが、前が狭くなっていたこともあり、ここでは遅れます。その後、もう一度加速できるチャンスがありましたが、ここも前が塞がってジ・エンド。マイルも問題ないですし、重賞でも通用するのは間違いありません。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが栗東坂路で4F51.9秒以下なら勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<阪神芝1400m>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F52.9秒以下
◎最終追い切りが坂路馬場で2F24.9秒以下
○最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップを踏むこと

 ラップの踏み方よりも速い時計が重要といってよい阪神芝1400m。ただ、昨年のフィリーズレビューに関しては、最終追いが栗東坂路で4F目最速ラップを踏んだ馬が1着から3着に入っており、その上で4F時計が速かったり、2F時計が速いという内容でした。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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