岩手の競馬場には年に1度は突撃しているのだが、日程の関係でここ2年は水沢競馬場に突撃したのみ。その水沢競馬場はスタンドが大地震の影響で修理が必要な状況らしく、岩手の競馬はしばらく盛岡競馬場だけで行われることになっている。
5月14日から始まった岩手競馬には、ぜひ突撃したいと思っていた。でもどうせ行くのだったら競馬だけでは物足りない。ということで6月2日(木)の夜行バスで盛岡に行き、朝6時40分発のボランティアバスに乗って三陸でガレキ集めをしてくることにした。被災地の風景はテレビ画面ではなく自分の目で、そして現地の空気を感じておきたかったのだ。
ということで、宮古と釜石の間にある山田町に行ってお手伝い。ガレキ集めではなく、支援物資の仕分け作業がメインとなったが、長期滞在でボランティア活動をしているアメリカ人と一緒に汗を流した。
実際、シロウトが1日くらい手伝ったところでたいした力にはなれない。それでも現地の実情を肌で感じると、他人事という感じではいられなくなってくる。山田町はまだ重機が必要な状況だったが、それが終われば今度は人の手がたくさん必要になる。ボランティアバスは今後も運行されるようだし、現地のボランティアセンターに直接行っても仕事をくれる。風景を見るだけでもいいと思うので、ぜひ時間を作って現地を訪れることをお勧めしたい。
その翌日は、盛岡競馬場に突撃! やはり義捐金は贈りたいところに直接届けるのがベストなのだ。
ということで、まずは競馬場入口で200円を寄付(入場料)。続いて昨年のJBC以来、久々となる「元祖・ジャンボ焼き鳥」の店に顔を出して、ジャンボ焼き鳥を買う。JBCのときは行列整理員としてお手伝いをしているうちに売り切れたから、結局食べられなかったものなあ。そう考えると、ジャンボ焼き鳥を食べるのは5年半ぶりだ。ちなみに前回は、グリーンチャンネルの番組「競馬ワンダラー」で盛岡競馬場を訪ねたとき。
ついでに横の「まんぷく道場」でカツ丼弁当を買って、外のベンチで予想しながらメシを食う。うーむ、これでは馬券売場に行けないから、このレースはネット投票で買うか……。おお、3連単43倍が当たっちゃったよ。さらに次のレースでも3連単40倍が的中。こんなに儲けていいのかしら?
「岩手のお客さんは穴党が多いんですよ。だから比較的順当な結果でも、そこそこつくんじゃないですかね?」
とは、岩手競馬の生き字引、松尾康司さんの分析。確かに無料バスのなかで、オバサンが「今年の競馬はあまり荒れないんよね」と話していた。それより気になったのは、バスのなかで岩手の専門紙を見ている人がほとんどいなくて、大半がスポーツ紙のJRA面を開いていたこと。岩手競馬より全国区の競馬、というのが地元民の正直な需要なのか? 両方ともやろうよ!
それでも盛岡競馬場にはだんだんと人が増え、発売している東京競馬のメインレースが終われば、その後すぐに発走する盛岡9レースに多くの人が興味を移していたように見えたのは何よりだった。その一戦は、今季2度目となる芝のレース。勝ったのはJRAから転入してきた1番人気馬だったが、2着と3着が人気薄で3連単は180倍。穴党のみなさんもこの数字ならきっと満足できることだろう。穴馬券の魅力って「あとから考えれば取れるのだけれど、レース前には買えなかった」という口惜しさが後を引くところなのかもしれないなあ。
それが自分に降りかかってきたのがメインレース。40倍の枠連ゾロ目は当たったけれど、その2頭軸で流した3連複3連単のヒモに、なんで盛岡5戦で3着3回というコース巧者のビリ人気馬が入っていないんだよお〜(泣)。これ、絶対取れた3連単だよ。17万馬券だったのに……。
その恨みを最終レースにぶつけよう。狙いは菅原辰徳騎手だ。パドックで「タツノリ!」と吠えて気合を送り、アホほど出遅れながら差を詰めてくるその馬めがけて、ゴール前でタツノリと叫ぶ。ハナ差の1、2着から離れること6馬身でも、3着ならば万々歳だ!
あれ……。義捐金を渡しに来たつもりが、逆に活動資金をもらっちゃったよ。こうなったら、またボランティアと盛岡競馬を組み合わせて突撃してみるか!