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園田競馬場

  • 2012年06月13日(水) 18時00分
 個人的に、園田競馬場に来て最初にすることといえば、来場ポイントカードを案内所の機械に入れること。普通の開催日だと1ポイント、重賞開催日だと3ポイントが加算されるシステムで、20、30、50ポイントでそれぞれ賞品が用意されていて、80ポイントまでためれば特別観覧席の招待券がもらえる仕組みだ。有効期間は入会日から2年間。ちなみに私の場合は来年5月まで有効で、現在31ポイントとなっている。むむむ? そんなにまでは園田に行っていないんだけどなあ。ということは、どうやら「100名様に1人」の割合で当たる10ポイントが、いつかわからないけれど当たっていたらしい。うーむ、そんなところで運を使いたくなかったよ。

 と、今回もそんないつもの動きをしてからスタンドを見上げると、あれ? なんか前とは違う気がするぞ。

太陽光発電のパネル

太陽光発電のパネル

 そうか、スタンドの屋根のところに太陽光発電のパネルがセットされたのか。スタンド内には、それに関する案内も備えられていた。

『今回取り付けた太陽光発電システムは、最大で100kWhの発電能力(一般家庭の約25軒分)があり、競馬開催日にはスタンド内の照明や空調機などの電気として使用します』

 へえ、それはすばらしい。競馬場はどこも広いスタンドがあるけれど、最大限に有効活用されているとはいえないものね。表示を見ると、この日は午後3時半の時点で347kWを発電したらしい。それでどれだけ競馬場の電力をまかなえているのかは不明だが、エネルギーが産み出されていることは間違いない。タダでさえ暑い関西の夏。この秋からはナイター競馬も実施される予定だから、ほっといても降り注いでくる太陽エネルギーを使わない手はないだろう。

 園田競馬場はちょっと前、景気が落ち込んでいるなあという印象を受けた時期があったのだが、ここ最近は持ち直した感じがする。場内の一部が改装されて明るい雰囲気になったのもそうだし、最近はゴール地点近くに競馬写真愛好家の姿が目立つようになってきた。その皆さんの存在は主催者サイドも気づいているようで、4年ほど前から重賞の口取り写真は、報道陣向けにスタンドを背にして撮ったあと、全体を半回転してスタンドと正対するのが通例となっている。

 これ、全国の競馬場でもやればいいのになあ。観客席から馬や馬主さんに拍手を送りたくても、たいていの競馬場では遠すぎる、または後姿しか見られない。レースの間には声援を送った観客席の人たちが、レース終了後は置き去りになっているような気がするのだが。

木村健騎手から花束贈呈

木村健騎手から花束贈呈

岩田騎手の胴上げ

岩田騎手の胴上げ

 その点、園田競馬場は場内イベントも含めて、来場者への気配りが行き届いているように感じる。兵庫ダービーが行われた6月7日に、日本ダービーを制した岩田康誠騎手を招いてのトークイベントが行われたというのも、なかなかのファンサービスだ。

 その日の最終レース後には岩田騎手の祝勝イベントも実施。花束贈呈では「本来なら三野孝徳騎手会長に贈っていただくところですが……」という竹之上次男アナウンサーの発声を受けて、園田のダービージョッキー・木村健騎手から岩田騎手に花束が贈呈。続いて危なっかしい胴上げが行われ、たくさんの観客が笑顔でそのセレモニーを見守っていた。いつも感じることだが、園田はファンと騎手との距離が近い。

 園田競馬場は、7月からナイター設備の工事が始まるため、2か月ほどお休み。その間は久々に姫路競馬場での開催となる。予定どおりならば、9月7日からの園田競馬は毎週金曜日がナイター開催。三野騎手会長にそのあたりを聞いてみると、

「念願がかないました。ナイター開催では、今まで時間的な都合で来られなかった方々にも、ぜひ楽しんでいただきたいですね。騎手もフレッシュな気持ちで乗れると思いますから、楽しみにしているんですよ。主催者や私たちもイベントなどをいろいろと考えているところです」

 とのこと。私もナイター初日に突撃しようと思っております!

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グリーンチャンネル・中央競馬中継キャスターを経て、4月からは同じくグリーンチャンネルの新番組「競馬ワンダラー」の案内人を務める。そのほかにも生産牧場や育成牧場の取材、執筆、各地の競走馬セリ市の進行役も。3月には単行本「廃競馬場巡礼」を上梓。競馬のよき語り部としての研鑽を積んでいる。

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