子供が好きな三大食べ物といえば、ラーメン、カレー、ハンバーグというところだろうか。まあそれは大人になってもあまり変わらないという人は多いのだろうけれど、年齢とともにそのなかからはハンバーグが脱落するというのが全体的な傾向だろう。それと同調するように、競馬場内では「ハンバーグ」の文字はあまり見ない。
でもラーメンとカレーは、たいていの競馬場で見かけるメニュー。しかしながら先日突撃した金沢競馬場には「カツカレー」の文字がたくさん見られることが、かねてから気になっていたのだ。まあ、カツカレーはカレーライスよりも値段が高いから、手っ取り早く客単価を上げる方法といえるのだけれど…。
そんなわけで食ってみましたカツカレー。スタンド3階の不二家大食堂のカツカレーは昨年試食済みなので、こんどはパドックの奥にある10軒長屋の食堂街へ。とりあえず予備知識ゼロなので、奥のほうの店に行ってみますか。
で、入ってみたのが「世界館」。競馬場内の食堂にしては壮大なネーミングだが、金沢市内にもいくつか系列店があるらしい。すみません、カツカレーください。
カレーライスが600円、カツカレーが700円という値段設定は、一般的な相場から考えるとよくわからないのだが、ともかく出てきましたカツカレー。カレールーだけを先にすすってみると、ちょっとミルクっぽいやわらかな味がする。
「子供さんにも食べられるような味にと思って考えたんですよ」
と、お店のおばさん。もしかしたら小麦粉からカレールーを作っているのかもしれない。なるほどねえ、と唸りつつ食べ進んでいると、店のおやじさんがマークカードを塗り始めた。営業中に馬券を買うんですか!
「まあちょっとくらいはね。お客さん、当たってる?」
いえいえ、全然当たらんですよ。今日の金沢競馬はいつもより荒れ気味ですもん。さっきなんて、すごいヘンテコな配当が登場したし。
馬複、馬単、3連複ついでに枠単より3連単のほうが安いなんて。これ、3連単が的中した人はかわいそすぎます。
「金沢競馬はけっこう難しいですよ。今のレースは逃げ切りですけれど、金沢のレースって、見た目は先行争いでも実は『先行しない争い』になっているということもあるんですよね」
とは、実況担当の大川充夫アナウンサー。なるほど、金沢競馬場はカーブもゆるいし馬場も広いから、前に行った馬が苦しくなる場合が多そう。でもそこで他馬を出し抜く形で逃げを打つと、残るケースがあるのかもしれない。今のレースはまさにそんな感じかも。
そんな情報を聞いてしまったので、その後のレースを深読みしつつ臨んだら、単勝とワイドしか当たらなかったじゃないかプンプン。こんど来たときには絶対取り返してやる〜。
と、大ヤラレしながらも最終レースが終わり、そのあとは場内で取材。というわけなので、無料バスは当然のごとく終了していた。さてこれからどうするか。金沢競馬場は日本で3番目に公共交通機関で行きにくい競馬場なのである。ちなみに1位は盛岡で、2位は門別ですね。
というわけで、1.5kmほど南東にあるJRバスの停留所に向け、テクシーでスタート。たぶん、最終バスはまだ出ていないはず!
猛暑のなかを延々歩いてバス停に到着。しかし時刻表に書かれた最後のバスの発車時刻は、6時29分だった。今の時刻は6時50分……。てことは、森本駅まで歩かねばならんのか……。
大荷物を持ってさらに歩き、競馬場で育った子供たちが徒歩で通っていたという森本小学校を通過(今も徒歩通学なのかは不明)。ようやく森本駅に着いたのは、すっかり日も暮れた7時35分だった。
全身汗だくで、Gパンのベルトまで湿っているくらいだから尋常ではない。とりあえずビール。でも普通の350ml缶を買ったら2口で飲み終わっちゃったよ。サウナに入るより効率的に汗をかけたけど、体にはかなり悪いよなあ。
みなさまが金沢競馬場に突撃される際におかれましては、ぜひとも帰りの無料バスには乗り遅れないように!