今回は、菱田ジョッキー自身の騎乗停止のことや、ネットでの評判について菱田ジョッキーが語ります。対して、松山ジョッキーはネットでの評判を見ないとか!?
(取材・文/大薮喬介)
町で声をかけられたことはありません
――松山ジョッキーから見て、デビュー当時と今を比べて、菱田ジョッキーは変わりましたか? 例えば、顔つきとか。
松山 顔に関しては、あまり変わってないですよ(笑)。競馬でいえば、去年は64勝しましたし、見ていて上手だなと思いました。
菱田 いや、去年はたくさん制裁を受けたので、反省してばかりでした…。今年も京成杯で迷惑をかけてしまいましたし。
松山 でも、落ち着いて乗っているように見えるけどな。ただ、ヨレているのに修正しないのは…ね。自分でも自覚しているんでしょ?
菱田 はい。ヨレたときにちょっと焦ってしまったんですよね…。そこはしっかり直さないといけないと思っています。
――競馬ファンの中には、どのくらい制裁があったかを調べている人がいるんですよね。菱田ジョッキーは昨年一番制裁が多かったみたいですよ。
菱田 ええ、知っています。本当に反省しかないです。ネットでも相当批判を受けましたから。
松山 そうなの?
菱田 去年の菊花賞(斜行により開催4日間の騎乗停止)のときも批判がすごくて…。もちろん、自分がすべて悪いんですけど、結構ショックでした。だから京成杯のときは、さすがにネットは見れませんでしたね。
松山 菊花賞のときは、相当ヘコんだんだね。
――松山ジョッキーはネットで自分の評判を見たりするんですか?
松山 見たことはありますけど、今はほとんど見ないですね。ネットでそれだけ言われるということは、ヒッシーは注目されている証拠だよ。
松山「見たことはありますけど、今はほとんど見ないですね」
菱田 そうだといいんですけど(苦笑)。今後は迷惑をかけないように、頑張ります!
――おふたりとも注目されている若手のジョッキーだと思うんですが、町で声をかけられたりはするんですか?
松山&菱田 まったくないです(笑)。
菱田 競馬の帰りだったら別ですけど、普段町を歩いても、まず気づかれない、というか誰も僕のことを知らないと思います(苦笑)。
松山 僕も同じです。もっと頑張らないといけないということですね…。
――ちょっと、しんみりしちゃいましたね。話題を変えましょうか。菱田ジョッキーの師匠である岡田調教師のことを聞きたいのですが。
菱田 デビューの時から自由にさせていただいていますし、平場だけでなく、(減量のない)特別戦でも人気の馬に騎乗させていただいたり、感謝しかないですね。
松山 岡田先生に言われた、印象に残っている言葉とかはある?
菱田 そうですね…、今と昔とでは競馬も変わってきたけれど、昔のことを知っている方に話を聞いて、時代に流されずに自分が大切だと思うことをしっかりやれ、とよく言われます。
松山 それはいい言葉だね。怒られたりしたことはある?
菱田 優しい方なので、ほとんどないです。
――そういえば、松山ジョッキーはどうしてフリーになったんですか?
(※2011年2月21日付で池添厩舎からフリーになった)
松山 追い出されたわけじゃないですからね(笑)。もともと1つの厩舎に対して、厩務員の方や所属騎手も入れて定員が13人だったんです。それが12人体制にルールが変更になったので、僕しかいなかったんですよ。今でも攻め馬を手伝っていますし、形式上はフリーですけど、やっていることは所属のときと何も変わっていませんから。池添先生にはデビュー当時からかわいがってもらっていましたけど、それはフリーになった今でも変わらないです。
――なるほど。菱田ジョッキーはフリーになることを考えたことはありますか?
菱田 まったくないですね。
――噂で聞きましたけど、栗東一の師弟愛なんですよね?
松山 え? そうなの?
菱田 それは初めて聞きました(苦笑)。でも、先生が他の厩舎の方に僕のことを「よろしく頼みます」とおっしゃっているのは、よく耳にします。
――愛されているんですね(笑)。
菱田 先生だけじゃなくて、厩務員の方々にもお世話になっていて、もう本当に感謝しかないです。恩返しできるように、もっと頑張らないと!
菱田「先生だけじゃなくて、厩務員の方々にもお世話になっていて、もう本当に感謝しかないです」
【次回のキシュトーークU25は?】
菱田ジョッキーを迎えたU25も、次回で最終回。感覚派か理論派か。ふたりが自身の騎乗も含めた運動能力について熱く語り合います!