土曜函館、ベルラインの一変に期待する/トレセン発秘話
◆「相性のいい舞台だし、変わってくれても…」
「おっ、函館男がついに来たな」
“本家・函館男”こと島田明男調教厩務員(二ノ宮厩舎)との、こんなあいさつからスタートした今年の函館出張。1年ぶりに迎えた北海道の朝はかなりの寒さを感じたが「これでもだいぶ暖かくなったんだって。先週なんか雨続きでホント寒かったぞ」と同助手。もちろん天気の話ばかりでは仕事にならないので、担当馬ワールドレーヴ(土曜メーン・五稜郭S出走)に話題を移すと「現級勝ちの2頭(レッドルーファス、マテンロウボス)が強いだろ」とけん制しつつも「前走の陣馬特別(東京芝2400メートル)は、これが芝で初勝利と思えないくらいすごい脚を使った。脚質的に展開がカギだけど、クラスの壁はないはず」。
“馬より人を見よ”と言われるほど、例年、勝つ人が決まっているのが北海道シリーズ。夏は確実に“ひと仕事”をするこの男も徹底マークが必要かもしれない。
その取材初日、しばらく歩を進めると、関西厩舎地区では羽月厩舎の長谷川正典助手と1年ぶりに再会。例年同様、最初のあいさつはやっぱり「もう○○行きました?」だ。
確か昨年も当欄に記したと思うが、○○とはお互い行きつけのスープカレー店。馬より先に食の情報をゲットするのも恒例行事である。その長谷川クンいわく「今年の新作はハンバーグなんですが、これが単なるスープカレーの具とは思えないくらい絶品級。やはりあのマスターはただ者じゃありませんよ。カレーとは別に、最初はハンバーグだけでライスを食べてみてください」。
やはりこの食通、出張先には欠かせないことを再確認した次第だ。
そんな長谷川助手が今週、妙に色気を見せていたのが土曜・噴火湾特別に登録のあるベルライン。1000万下は6戦連続2桁着順で近走成績からは狙いにくいのだが、当該コースの函館ダート1000メートルで昨夏に500万下勝ちした馬。「この馬を触るのは1年ぶりなんですが、体の柔らかみなど乗った感じは昨年と変わらないんです。相性のいい舞台だし、変わってくれても…」と一転して真剣な表情。この馬が絡むようなら馬券はまさに“絶品級”。こちらは函館男ならぬ函館ホースとして警戒しておく。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)