前回に続いて、ティーハーフについて聞いていきます。優作ジョッキーはどの時点で、ティーハーフの素質に気づいたのか? 1000万でなかなか勝てなかった理由は?
(取材・文/大薮喬介)
ずっと乗りたいと思っていました
――何度も言っていますが、本当に強かったですよね。優作ジョッキーが騎乗されたのは5走前の1000万(2015年3月8日阪神8R)からですが、こんなに強いと思っていたんですか?
優作 新馬の前から攻め馬をつけていたんですが、その頃から能力があることはわかっていました。4、5走前の1000万で勝てなかったのも相手が弱くて、レースが組み立てづらかったんです。ペースも遅かったですし、能力があるがゆえにチグハグなレースになってしまった感じですね。
――1000万を卒業したのは、3走前の千種川特別です。
優作 1000万を卒業してからはペースが合ってきて、相手なりに動けるようになりましたからね。それで連勝できたんだと思います。能力があるのもそうですが、ティーハーフ自身もどんどん成長しているので、これぐらいやれて当然なんですよ。
――新馬の前から攻め馬をつけていたそうですが、最初の印象はどんな感じだったんですか?
優作 お兄ちゃんのサドンストームも新馬から乗っているんですが、兄はどちらかというと、パワーがあってスピードがあるタイプ。弟はスピードがあって素軽いタイプです。それにティーハーフは線が細かったですね。それでも坂路を52秒で走っていたので、「体が細くても、これだけの走りができるんだな」って驚きました。最初の頃はセンスだけで走っていたんですが、年齢を重ねるにつれて、馬体に幅が出てきましたね。
――ずっと近くで観ていて、乗りたいとは思わなかったんですか?
優作 それは思っていましたよ。でも、ものスゴく能力がある馬だったので、僕が乗る機会はないんだろうなって、半分あきらめていました。ただ、それでも(武)豊さんや他のジョッキーが乗る時は、自分に当てはめながら観ていましたね。
――外から観ていて、攻め馬と実戦で違うところはありましたか?
優作 う〜ん、レースだと、ちょっと(ハミを)噛んで、リキむ面がありましたね。それで、後ろからの競馬が多かったんだと思うんですが、攻め馬だと乗りやすくて、柔らかい動きをしていたんですよ。
――新馬を勝った後は勝ち切れない面がありましたが、そういったことが影響していたんでしょうか?
優作 それもあるかもしれませんが、当時はまだ成長途上でしたからね。どちらかというと、あの細い体で、よく走っていたと思います。
――距離の適性はいかがです?
優作 今なら1400mも守備範囲なんでしょうけど、スピードを持続させるというよりは、一瞬のスピードがある馬なので、それを生かせるのは、やはり1200mかなと思います。

「一瞬のスピードがある馬なので、それを生かせるのは、やはり1200mかなと思います」
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