加藤騎手のインタビューも今回で最終回。普段のトレーニングやレース前に準備していることなどをお聞きしました。時に豪快な騎乗を見せてくれますが、その裏には緻密な戦略があるようです!
(取材・文/大薮喬介)
ロスなくきっちり走らせることを意識
――トレーニングは普段されているんですか?
加藤 トレーナーをつけて、主に体幹を鍛えています。
――ご自身から見て、自分はどのような性格だと思いますか?
加藤 すごくしっかりしているわけではないですが、人からは真面目だと言われます。派手なタイプではないですね。
――競馬に関しての長所と短所は?
加藤 競馬でも派手ではないと思いますね。ロスなくきっちり走らせることを心がけていますから。あとは戦略というか、レース展開はいくつか考えて騎乗していますね。短所というわけではないですが、馬の動きを理解して、自分がどう動けば馬にとっていいのかを、もっと極めたいです。
――これまでで一番悔しかったレースはありますか?
加藤 たくさんあります(苦笑)。強いてあげれば、去年12月の中京でダイシンバルカンに騎乗して負けたのが印象に残っています。初めて騎乗したのが9月の未勝利だったんですが、ぶっちぎって勝ったんですね。次走も騎乗させていただいたんですが2着で。ただ勝った馬が先日の欅Sでも連対したエイシンバッケンでした。だから、次は勝てると思って臨んだのですが、結果は8着でした。
――ちなみに敗因は?
加藤 元々ゲートは速かったですし、たぶん負けることはないだろうと思っていたのですが、その時はゲートでソワソワして、悪いタイミングでゲートが開いてしまって…。出遅れて後方からになってしまったんです。結果的に前残りでしたし、改めてゲートは大事なんだなと痛感させられたレースでした。理想はゲートの中で真っ直ぐ立たせることですが、テンションの高い馬だとそれがすごく難しいんです。
――そういったことも含めて、レース前には準備していることはありますか?
加藤 当然のことですが、自分が騎乗するレースはVTRや新聞で入念にチェックします。
――元競馬ファンですから、レースを観るのが楽しいんじゃないですか?
加藤 そうですね(笑)。競馬新聞やスポーツ新聞を読むのも好きですよ。
――自分が騎乗する馬以外の馬も観たりしますか?
加藤 全馬ではないですが、新聞で印がなくても先行力がある馬はチェックしますね。出馬が決まってからと、枠順が決まってから、もう一度観ます。
――本当に競馬が好きなんですね(笑)。
加藤 大好きです!
――今後はどんなジョッキーを目指したいですか?
加藤 将来は、海外からも騎乗依頼がくるような騎手になりたいです。海外で競馬ができるような技術を身に着けたいですね。
――最後に今年の目標と、ここを見てほしいと思うところを教えてください。
加藤 数字的な目標は決めてないですが、去年よりも何倍も技術を高めていきたいです。ファンの方には豪快な騎乗(?)を見てほしいですね(笑)。
ファンの方には豪快な騎乗(?)を見てほしいですね(笑)
【次回のキシュトーークU25は!?】
次回のゲストは藤田菜七子騎手の兄弟子、デビュー2年目の野中悠太郎ジョッキーです。表向きは大人しく見えますが、実際にお会いするととても明るい好青年! 丸山元気騎手、野中騎手、藤田騎手という“根本厩舎3人弟子”の次兄である、彼の素顔に迫ります!