荻野ジョッキーのインタビューも今回で最終回です。今年の目標から理想とするジョッキー像、そして同期、尊敬する先輩、師匠のことをお聞きしました。
(取材・文/大薮喬介)
浜中先輩のように、若くして大きなことを成し遂げたい
――同期とは仲がいいんですか?
荻野 みんな仲はいいですよ。とくに仲がいいのは、(坂井)瑠星ですね。
――同期はそれぞれ、どんな性格なんですか?
荻野 (菊沢)一樹は明るくて、いつも前向きな性格ですね。それに探求熱心です。僕たち同期は全員、教官にお願いして毎日ビデオを撮ってもらって研究していましたが、その中でも一樹はとくに熱心に観ていました。
(坂井)瑠星はすごく真面目で努力家です。それに血統もすごく詳しいですね。あと、クールに見られがちですが、僕といる時はすごく話しますし、明るいんですよ。(藤田)菜七子は競馬学校時代の最初は弱い部分もあったんですが、最後のほうはメンタルがすごく強くなっていましたね。今は「鋼の精神」をもっていて、本当にスゴい。
(木幡)巧也くんは元々馬乗りが上手かったですし、眉毛がりりしいです(笑)。とても社交的で、すごく話しやすいタイプですね。森くんは性格が優しいです。最初は1つ上の期にいましたので先輩だったのですが、相談に乗ったりしてくれていましたから。
――木幡ジョッキーと森ジョッキーの2人は1つ上の期にいたんですよね。同期になっても、ずっと敬語で話していたんですか?
荻野 いえ、最初が肝心だと思って「巧也くん、森くん」と切り出しました。2人とも優しいので、受け入れてくれましたね。
――自分自身はどんな性格だと思いますか?
荻野 人見知りはしないタイプだと思います。最初から積極的に話せます(笑)。
――さすが空手をしていただけあって、速攻型なんですね(笑)。プロの騎手として気を付けていることはありますか?
荻野 あいさつも含めて礼儀だけはしっかりしようと意識しています。
――東京出身ですが、関西にいてギャップを感じることはありますか?
荻野 関西弁で話されると、すごく話しやすいというか、気さくな感じがしていいですよね。瑠星と一緒にいる時はお互いが関東出身なので標準語で話すのですが、周りから「お前ら気持ち悪い」と言われることがありますね(笑)。
――競馬学校を卒業する時の目標とするジョッキーですが、浜中騎手と書いていましたね。
荻野 はい。清水久詞厩舎の馬に騎乗することが多いですし、競馬学校の研修の時からお世話になっていましたから。今もいろいろとアドバイスをいただいています。
――どんなアドバイスをしてくれるのですか?
荻野 いろいろですが、例えば自分が危ない場所にいたりすると、あとで「あの位置にいたらダメだ」と教えていただいたりしています。また、「人からアドバイスを貰うのも大切だけど、自分の中で考えて工夫することも大切だ」ということも教わりました。そのためには何より、「競馬をよく見ること」だと。
――師匠の清水久詞先生はどんな方ですか?
荻野 穏やかな性格で、優しい方ですね。
――先生がおっしゃっていたことで印象に残っていることは?
荻野 「感謝の気持ち」と、「謙虚な気持ち」、そして「天狗にならない」ですね。騎乗に関して指摘をしてくださることもありますが、常日頃言われているのは「人として」、「JRAの騎手として」の立ち振る舞いです。スタッフの方々にもいろいろとアドバイスをいただいています。
――いい師匠、スタッフの方々がいて幸せですね。
荻野 はい! 恩返しができるように、早く一人前のジョッキーになりたいです。まだ清水先生の馬で勝ったことがないので、まずは、自厩舎の馬を勝利に導きたいですね。
――最後に今年の目標と、理想のジョッキー像を教えてください。
荻野 デビューして今まで得た経験や反省点を生かした騎乗をすることを心がけたいです。そして新人賞を獲れるように頑張りたいですね。あとは目先のことにとらわれずに、先輩たちに教わったことなどをちゃんと吸収して、学べる年にしたいです。
理想のジョッキー像ですが、浜中先輩は若くしてGIを勝って、リーディングも獲られましたから、僕も少しでも早く大きなことを成し遂げられるようなジョッキーになりたいですね。
僕も少しでも早く大きなことを成し遂げられるようなジョッキーになりたいですね
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