中井騎手のインタビューも最終回。今回はトークテーマを一挙に3本!「後輩の脅威を感じた時」「リアルに意識しているライバル」「デビュー5年目が過ぎて、この先5年のプランは?」。気になる質問の答えとは!?
(取材・文/大薮喬介)
トークテーマ:後輩の脅威を感じた時
――では、次のテーマです。「後輩の脅威を感じた時」はありますか?
中井 たくさん勝っている後輩はいますが、“僕も頑張らないとな”と思うくらいで、脅威に感じることはないですね。そもそも、レースで騎乗している時は“自分が一番上手い”と思っていないとダメですから(苦笑)。
――確かにそうですよね。では後輩を見て、スゴいなと思うことはないですか?
中井 ビックリするくらい冷静ですよね。僕がデビューしたての頃はもっとガツガツしていましたから。
――中井ジョッキーのようにガツガツしている若手はいないんですか?
中井 いないですねぇ。あまり一緒に乗ったことはないですが、レースを観ていて気持ちがわかるのは関東の菊沢くんです。僕と乗り方は違いますが、勝ちたい気持ちが騎乗に表れていますよね。デビューした頃の僕もそうだったので、その気持ちはすごくよくわかります(笑)。
レースを観ていて気持ちがわかるのは関東の菊沢くんです
トークテーマ:リアルに意識しているライバル
――勝負の世界ですから、勝ちたいと思う気持ちは大事ですよね。では、次に行きましょうか。
中井 「リアルに意識しているライバル」でお願いします!
――やっぱり同期ですか?
中井 今は、自分ですね。でも、デビューした頃は同期の菱田を意識していました。
――ダブル裕二と言われてましたよね。
中井 はい(笑)。1年目、2年目の頃は人の成績が気になって、負けたくないという気持ちが強かったんです。でも、3年目の時にそれは違うと気づきました。菱田もたぶん僕を意識していたとは思うんです。でも、僕が“人のことを8、馬のことを2”と意識していたことを、きっと彼は“馬のことを8、人のことを2”で考えていたんだと思います。どっちに重きを置いていたかの差が出てしまったんですね。馬のことを考えていたら、自然と自分の身体作りも変わっていたでしょうから。もちろん、現状の差はそれだけではないですよ、菱田もすごく努力しているので。
今は、自分ですね。でも、デビューした頃は同期の菱田を意識していました
――当時は、負けたくないという気持ちが強すぎたんですね。
中井 そうなんです。3年目に自分を見つめ直した時に、長所だと思っていたことが、短所になっていたことに気づいたんです。だから、今は人がライバルではなくて、自分です。やっぱり、周りに支えられているからこその自分であり、そして馬あっての騎手ですから。
トークテーマ:デビュー5年目が過ぎて、この先5年のプランは?
――そこに気づけたのは大きいですよね。では、最後のテーマ「デビュー5年目が過ぎて、この先5年のプランは?」です。
中井 現状の成績に満足しているわけではないんですが、最近は少しずつ満足のいくレースが増えてきました。だから、今の攻め馬から携わってレースに臨むというスタイルは変えたくないです。この先5年はそのスタイルをもっと濃密に、そして精度を上げて続けていきたいですね。僕だけじゃなく、若手はみんな努力していますから、僕たち若手に注目していただけると嬉しいです!
(文中敬称略、了)
今の攻め馬から携わってレースに臨むというスタイルは変えたくないです
【次回のキシュトーークU25は!?】
6年目の杉原誠人ジョッキーの登場です。エリザベス女王杯でGI初挑戦したこと、所属の藤沢和厩舎のことなど、さまざまなことをお聞きしました。乞うご期待。