昨年の東京盃はキタサンミカヅキがネロとの接戦をアタマ差制して連覇となった(c)netkeiba.com、撮影:高橋正和
1967年、当時の地方競馬では珍しい古馬の短距離重賞として創設。交流元年と呼ばれた1995年から中央地方交流重賞となり、97年のダートグレード導入により統一GII(現在のJpnII)に格付けされた。
交流重賞となった最初の年である1995年には、中央から船橋へ転入していたサクラハイスピードが優勝。その後カガヤキローマン(連覇)、サカモトデュラブ、ベラミロード、アインアイン、ハタノアドニス、フジノウェーブ、ラブミーチャン、キタサンミカヅキ(連覇)と地方馬が8頭・10勝をあげており、かなり地方馬が活躍しているレースだ。
レースの性格がはっきりとしていることもあって、複数回好走する馬がいる点も東京盃の特徴と言えるだろう。ラブミーチャンやタイセイレジェンドは前年2着から優勝を果たしたし、ドリームバレンチノは2着2回のあと9歳時に優勝した。2着と3着が各1回あるコーリンベリー、2着のあと5着を挟んで1着したスーニ、間に1年あけて3着2回のセイクリムズンなど、過去10年に限っても「リピーター」がかなり多い。同じコースで行われる東京スプリントを含めたこのコースのリピーター好走馬もいるので、前年・2年前の両レース好走馬がいたら軽視しないようにしたい。
大井1200mは向正面の入り口付近がスタート。外回りコースなので最初のコーナーまで距離があるし、直線距離も地方競馬としては長い386mある。コース形態自体は紛れが少なくなりそうなものだが、フルゲートの16頭かそれに順ずる15頭立てになることも多く、「短距離で頭数が多い」ということによる紛れはある。
枠順による有利不利は番号だけを取ってみればほとんど無く、過去10年を見ても幅広い馬番から優勝馬・好走馬が出ている。ただ、逃げや2番手に行く馬は、内枠だとスタート次第で無理に出していくことになり、そのぶん終いが甘くなることがある。前へ行く馬こそやや外めからの枠に入ったほうが無難のようにも思える。外回りコースということで脚質的にもあらゆる馬にチャンスがあり、短距離だからといってスピードだけで押し切れるとは限らない。過去10年、5番人気以内かつ3角3番手以内だった馬は[4-1-1-5]。勝ち切るか着外かのような極端な形になっている。
須田鷹雄の勝負予想はレース前日に公開予定です。