▲2022年12月18日福永騎手年間100勝セレモニー(c)netkeiba.com
福永祐一騎手の引退特集。27年間のジョッキー生活をともにした仲間や、お世話になった師匠、陰で支えてこられたお母様など、縁の深い方々からのお手紙を紹介します。
祐一さんへ
祐一さんが歩んだ27年間の騎手人生のうち、20年弱という長い時間を一番近くで見させていただきました。後ろからこっそり眺めていたわけですが、その背中から学ぶことは本当に多く、祐一さんに出会えて人生が豊かになったと心の底から思っています。
というのも、祐一さんと親しくさせていただけたからこそ、僕は今、こうしてこの世界で生き残っている。大げさでも何でもなく、祐一さんとの関係性が遠いものだったとしたら、僕はとっくに消えていた騎手でした。
いつも祐一さんのそばにいたから、僕という人間を知ってくれた方がたくさんいたし、祐一さんを介して出会えた方たちから、さらに枝葉のように人脈が広がった結果、今の僕がある。もし、それらがなかったら、僕は今頃どうなっていたか…。簡単に想像できてしまいます。
ジョッキーとしても、祐一さんの背中からはさまざまなことを学ばせていただきました。僕が思う、祐一さんが苦しかったであろう時間──エピファネイアの頃ですね。ダービーで気持ちのいいレースができずに2着に負け、それをとても重く受け止めていらっしゃった姿を今でもよく覚えています。