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【福永騎手への手紙】祐一へ、母からの望み「調教師という仕事を思い切り楽しんでくださいね」

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  • 2023年02月22日(水) 18時02分
yuichi

▲右から北橋修二元調教師、福永騎手、福永裕美子氏(母)、翠夫人(撮影:下野雄規)


福永祐一騎手の引退特集。27年間のジョッキー生活をともにした仲間や、お世話になった師匠、陰で支えてこられたお母様など、縁の深い方々からのお手紙を紹介します。

祐一へ

 祐一、調教師試験合格おめでとう。デビュー当時から「いつ辞めてもいいよ」と言い続けながら、気づけば27年。よく頑張りました。

 あなたの父、福永洋一のジョッキー人生は、完結しないまま終わりを迎えました。きっと、周りのみなさんのなかでも完結していないがゆえ、そこにはずっと夢があるのでしょう。「元気だったら…」「今でも乗っていたら…」「お父さんだったらもっと…」。そんな“たられば”を聞くたびに、私はみなさんのなかにある“福永洋一”という夢の存在に気付かされたものです。

 どこまで行っても超えることができないそんな夢の存在と、ずっと比べられてきた祐一。とてもつらかったでしょうね。ただ、それもあなたの宿命です。私が言うまでもなく、祐一なりにそれを宿命と受け止め、ここまで続けてきたのだろうと思います。

 私は仕事のことを聞かないし、祐一は祐一で何も話さない。だから、本当のところはわからないけれど、さまざまなインタビューを見たり聞いたりしながら、「ああ、そうだったんだろうな」と想像していました。

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1976年12月9日、滋賀県生まれ。父は元JRAジョッキーの福永洋一。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。2005年にシーザリオでアメリカンオークス制覇。2018年にワグネリアンで日本ダービーを初制覇。2020年にはコントレイルと無敗でのクラシック三冠を達成。2023年2月末でジョッキーを引退、調教師へと転向する。

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