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ミスターピンク☆浦和に再登場

  • 2012年04月25日(水) 18時00分
 南関東には「通算勝利数が1000以上(冬季休催場は800以上)の騎手は2か月間の短期免許を取得できる」という制度があり、今年度は南関東で合計8名のジョッキーが、各地で磨いた騎乗技術を披露してくれることになっている。しかし今年2月23日に発表されたそのラインナップのなかには、南関東ですっかりおなじみとなっている内田利雄騎手の名前がなかった。2012年度はどういう「さすらいジョッキー」になるのだろう……。そんなふうに案じていたら、4月12日に浦和競馬場からビックリの発表があった。

『ミスターピンク(内田利雄)騎手が移籍します』

 浦和競馬場さん、あのですね〜、内田利雄騎手(ミスターピンク)が正しい書き方だと思うんですけど……。

 それはともかく、これからは内田騎手が南関東で騎乗するのは一年のうち2か月だけではなくなるわけだ。2005年3月14日に宇都宮競馬場が廃止されてから7年間。内田騎手の功績のおかげで地方競馬の騎手が所属地以外でも活躍できるように制度が広がっていったように感じているが、そのフロンティアである内田騎手が所属する競馬場を定めたわけだ。「さすらい」はカッコいいけれど、やはりいつまでもさすらい続けるのは厳しいかも。だからこのニュースを知ったときは個人的にとてもうれしく思った。

 でも、アレレ? 内田騎手は春から福山競馬場で騎乗するって聞いていたのだけれど。

「ハイ。浦和に所属するということになりましたけれど、今年は今までのお礼の気持ちをこめて、全国を回る予定でいますよ。といっても全部の競馬場に行けるわけではないですけれど」

 なるほど。さすがはミスターピンク。と思っていたら、アレレ? 4月23日に浦和競馬場で「紹介式」が行われるって? さらに4月24日の浦和競馬で早くも実戦騎乗をしているじゃないの!

応援幕

内田騎手の応援幕

 確かに騎手免許的には、すでに「浦和の人」だから騎乗していてもおかしくはない。とはいえ、短期免許最終日だった3月30日の大井競馬では上限いっぱいである8鞍に騎乗していたのに、4月23日の浦和では2鞍だけ。しかも両方とも所属する小嶋一郎厩舎の馬だ。いったいピンクさんは今どうなっていて、そしてこの先のピンクさんはどうなっていくのだろう?

「いやあ、今開催は手配とかぜんぜんやっていなかったですからね。みんな、僕が浦和にいるってことを知らないんじゃないかなあ」

 と、ご本人。今は浦和競馬の野田トレセンに滞在しているそうだが、それ自体が競馬関係者にとってはサプライズという状態なのかもしれない。

「この浦和開催が終わったら宇都宮に帰って、いろいろと準備してからさすらいの旅に出ます。競馬関係者にあいさつするだけなら僕が行けば済むわけですけど、それじゃあファンに顔を見せられないですからね」

 これまでの期間、内田騎手を受け入れて、そして応援してくれた各地の競馬ファンへの感謝の気持ちから、そういうスケジュールになったようだ。

内田騎手さすらいの旅へ

内田騎手さすらいの旅へ

「浦和では秋に1開催だけ騎乗できるかな。本格的に浦和に腰を据えて騎乗を始めるのは来年4月からの予定です」

 ということで内田騎手は、大型連休明けに宇都宮から愛車で次の所属地へと出発予定。ちなみにそこまではおよそ900kmの距離がある。

「サービスエリアにこまごまと寄るから大丈夫ですよ。高知に行ったときは13時間かかりましたね(笑)」

 トップアスリートは長距離ドライブでも体力的に問題なし!?

 みなさんもぜひ、さすらいジョッキーとしては今年度でラストとなる内田利雄騎手を応援に、各地の競馬場へ突撃を!

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グリーンチャンネル・中央競馬中継キャスターを経て、4月からは同じくグリーンチャンネルの新番組「競馬ワンダラー」の案内人を務める。そのほかにも生産牧場や育成牧場の取材、執筆、各地の競走馬セリ市の進行役も。3月には単行本「廃競馬場巡礼」を上梓。競馬のよき語り部としての研鑽を積んでいる。

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