スマートフォン版へ

買い方をひねって点数を絞れ!/関屋記念

  • 2014年08月13日(水) 18時00分
■関屋記念(G3・新潟芝1600m外)フルゲート18頭/登録27頭

【コース基本情報】新潟芝1600m外 Aコース使用
・コース回収率
 [低め] 単勝59%・複勝68% なんと勝ち馬の7割以上が4番人気以内

・馬連万馬券出現率
 [標準] 12.7%(平均値↑0.3% 馬連平均配当5154円)

・枠番別複勝率(18頭立て)
 [1枠〜3枠] 勝率 4.8% 連対率 9.6% 複勝率14.1% 複回率 55% 枠番値-0.2
 [4枠〜6枠] 勝率 5.5% 連対率13.2% 複勝率19.9% 複回率 69% 枠番値-0.1
 [7枠〜8枠] 勝率 6.4% 連対率10.6% 複勝率16.4% 複回率 75% 枠番値+0.3
 →フルゲートでは内枠の信頼度がイマイチ。ほんの少し外枠有利の傾向か。

・脚質別信頼度
 差し≧先行>逃げ>>追込 4角ひとケタ順位での通過なら問題なし

・推定ラップ&タイム
 [瞬発] 35.0-24.4-33.1=1.32.5 前半よりも上がりが2秒近く速い瞬発力勝負

 コース全体の単勝回収率が59%しかないという、きわめて人気馬が強いコース。その比率を調べてみると、なんと勝ち馬の70.7%が4番人気以内で、ふたケタ人気馬の勝利は126レースのうち4レースしかない。荒れるか荒れないでいえば「かなり荒れない」部類であるのは間違いなく、人気薄の1着を期待するのはかなり難しい。

 ただし、馬連万馬券の発生率や馬連平均配当はおおむね平均値であり、ガッチガチで決まるワケではないのが面白いところ。人気馬が信頼できるなら、2着〜3着には中穴を。人気馬が信頼できないならば、ソコソコ人気馬どうしの組み合わせでそれなりの配当を狙うというのが、当コースでのもっとも効率のいい立ち回りである。

 続いて枠番だが、フルゲートでは内枠の信頼度が少し落ちる傾向にある様子。勝率順は「外>中>内」で複勝率は「中>外>内」で、回収率や枠番値も内枠がもっとも低い。そこまで影響が大きいわけではないが、内枠に人気馬が入った場合などには、ちょっと割り引いて考えたほうがいいかもしれない。

 そして展開面だが、新潟芝の外回りは非常に瞬発力の要求度が高いコース。実際にラップを見ても、前半3Fよりも上がり3Fのほうが格段に速い、かなり緩急のある流れとなっている。とはいえ、追い込み脚質も買えるかといえば、こちらはかなり期待薄。中団で流れに乗れる馬であれば問題ないが、後方に置かれると勝ち負けは厳しいと捉えておいたほうがいい。

【レース基本情報】関屋記念(G3)過去10年
・レース平均配当
 単勝1219円 馬連5263円 3連複1万2643円

・1番人気馬成績
 [4-3-1-2] 勝率40.0% 連対率70.0% 複勝率80.0%

・3番人気以内馬成績
 [6-6-4-14] 勝率20.0% 連対率40.0% 複勝率53.3%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [3-2-0-25] 勝率10.0% 連対率16.7% 複勝率16.7%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [0-1-2-27] 勝率 0% 連対率 3.3% 複勝率10.0%

・10番人気以下馬成績
 [1-1-5-68] 勝率 1.3% 連対率 2.7% 複勝率 9.3%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 10.0% [先行] 40.0% [差し] 10.0% [追込] 40.0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 6.5% [先行] 25.8% [差し] 35.5% [追込] 32.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 0-0-1-6 連対率 0% 複勝率14.3%
 [4歳馬] 3-4-3-11 連対率33.3% 複勝率47.6%
 [5歳馬] 2-5-1-41 連対率14.3% 複勝率16.3%
 [6歳馬] 2-0-2-39 連対率 4.7% 複勝率 9.3%
 [7歳↑] 3-1-4-37 連対率 8.9% 複勝率17.8%

・性別成績
 [牡馬] 9-9-10-116 連対率12.5% 複勝率19.4%
 [牝馬] 1-1-1-18 連対率 9.5% 複勝率14.3%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 勝率 3.8% 連対率 5.7% 複勝率 9.4% 複回率 20% 枠番値-0.5
 [4枠〜6枠] 勝率 0% 連対率 8.6% 複勝率17.2% 複回率 57% 枠番値-0.1
 [7枠〜8枠] 勝率14.8% 連対率22.2% 複勝率29.6% 複回率108% 枠番値+0.8
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 3.3% 連対率 5.6% 複勝率12.2% 複回率 31% 枠番値-0.2
 [10番〜18番] 勝率 9.3% 連対率20.0% 複勝率26.7% 複回率 99% 枠番値+0.2

・厩舎所属別成績
 [美浦] 4-6-6-61 連対率13.0% 複勝率20.8%
 [栗東] 6-4-5-73 連対率11.4% 複勝率17.0%

・前走距離別成績
 [芝1200↓] 0-0-1-9 連対率 0% 複勝率10.0%
 [芝1400m] 1-1-3-15 連対率10.0% 複勝率25.0%
 [芝1600m] 3-4-5-62 連対率 9.5% 複勝率16.2%
 [芝1800m] 2-3-1-21 連対率18.5% 複勝率22.2%
 [芝2000m] 4-2-1-17 連対率25.0% 複勝率29.2%
 [芝2200↑] 0-0-0-6 連対率 0% 複勝率 0%
 [ダート戦] 0-0-0-4 連対率 0% 複勝率 0%
 ────────────────────────
 [距離延長] 1-1-4-24 連対率 6.7% 複勝率20.0%
 [同距離戦] 3-4-5-62 連対率 9.5% 複勝率16.2%
 [距離短縮] 6-5-2-44 連対率19.3% 複勝率22.8%

・前走クラス別成績
 [中央G1] 3-1-1-9 連対率28.6% 複勝率35.7%
 [中央G2] 1-0-0-9 連対率10.0% 複勝率10.0%
 [中央G3] 4-7-1-50 連対率17.7% 複勝率19.4%
 [OP特別] 1-1-8-53 連対率 3.2% 複勝率15.9%
 [条件戦] 1-1-1-11 連対率14.3% 複勝率21.4%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走重賞出走の4歳馬(連対率60.0%、複勝率60.0%)
 [絶好] 前走重賞で最速上がりをマーク(勝率42.9%、連対率57.1%)
 [買い] 前走重賞出走の距離短縮組(連対率25.6%、単適回値140.8)
 [買い] 7枠〜8枠に入った前走重賞組(連対率28.1%、複勝率31.3%)
 [買い] 前走中央G1出走馬(連対率28.6%、複勝率35.7%)
 [買い] 継続騎乗となる前走重賞組(連対率24.2%、複勝率27.3%)
 [不振] 5番人気以下の距離延長組(0-0-1-23)
 [不振] 馬番01番〜08番(複勝率8.8%、複勝回収率22%)

 1番人気馬が[4-3-1-2]で勝率40.0%、連対率70.0%と高い信頼度を誇る関屋記念。昨年2着のジャスタウェイ、一昨年1着のドナウブルーなど、信頼に足る人気馬が出走してきた場合は、素直に「巻かれる」ほうがいいレースだ。ただし、馬連5682円、3連複1万4101円という平均配当を見てもわかるように、ヒモはけっこう紛れる傾向にある。

 なかでも注目したいのが「3着馬」で、7番人気以下が過去10年で7頭、10番人気以下が5頭も含まれるなど、波乱傾向はかなり強め。ここをいかに上手く拾うかが、勝敗を分けるといっても過言ではない。1着〜2着は人気サイドから選び、3着には思い切った人気薄をチョイスする。これが、清く正しい関屋記念の攻め方だ。

 脚質については、コースデータよりもはるかに差し優勢。3着以内馬の7割近くが差し〜追い込み勢という、じつに瞬発力コースらしい結果が出ている。その一方で、勝ち馬の4割が先行脚質であったというのも、意識しておくべきポイント。昨年の覇者レッドスパーダも、一昨年の勝ち馬ドナウブルーも、道中は二番手の位置取りだった。

 年齢別では、飛び抜けて好成績なのが4歳馬。トータル[3-4-3-11]で連対率33.3%、複勝率47.6%と驚異的な信頼度の高さで、なかでも強いのが「前走重賞出走の4歳馬」である。今年の登録馬でこの条件に該当するのは、前走中京記念3着のマジェスティハーツただ1頭。当然、高く評価してしかるべきだ。

 枠番については、コースデータ以上に外枠優勢。単純に内外で比較しても外のほうが圧倒的に好成績で、内枠から来ているのは人気馬ばかりである。つまり、人気薄を買うなら外枠のほうが絶対にオススメ。人気サイドなら内枠でも買えるが、こちらも外枠に入った馬のほうがベターだろう。

 その他には、距離短縮組の連対率が非常に高いことや、前走重賞組が圧倒的に強いことなども、レース攻略には欠かせないポイント。軸馬は「前走重賞組かつ距離短縮組」という、ふたつの条件を満たしているのが望ましい。買うべきパターン、嫌うべきパターンがハッキリしているレースなので、馬券の対象もわりと簡単に絞り込めるはずだ。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 ひと言でいえば「いつもの新潟」で、特殊なバイアス等は感じない状況

・天候予測
 お盆〜土曜日まで小雨が降り続く。多少は渋る可能性もありそう。

・勝利数トップ種牡馬
 ハーツクライ 勝率16.9% 連対率27.1% 複勝率30.5%

・著者の注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○

 連対率24.1%、複勝率30.4%のディープインパクト産駒も強いが、それを上回る強さを見せているのがハーツクライ産駒。勝率16.9%、連対率27.1%と、その適性の高さは頭ひとつ抜けている印象だ。また、回収率も単勝157%、複勝111%とバツグンの高さ。持ち前の瞬発力をフルに生かせるこのコースは、得意中の得意といえる。

 それ以外ではダイワメジャー産駒、シンボリクリスエス産駒、キングヘイロー産駒、クロフネ産駒、キングカメハメハ産駒なども悪くない成績を残しているのだが、二強であるディープ&ハーツの産駒とは、ちょっと差がありそう。エキストラエンド、ダノンシャーク、マジェスティハーツの人気馬3頭だけを、プラス評価の対象としたい。

★総論×各論

 レースデータ分析でも解説しているように、1着〜2着は人気サイドから選び、3着には思い切った人気薄をチョイスするのが、関屋記念の正しい買い方。では、今年の登録馬で人気サイドではどの馬を、そして人気薄では「どの馬」を狙うのが正解となるのか? そのあたりを、じっくり考えていこう。

 上位人気に支持されそうなのは、安田記念4着以来となるダノンシャークと、中京記念3着のマジェスティハーツ。あとは、サトノギャラントやクラレントあたりも、上位人気に推される可能性アリか。まずはこの4頭について、序列をつけていきたいと思う。

 プラス評価の項目がもっとも多かったのはマジェスティハーツ。「前走重賞組の4歳馬」であり、前走の中京記念でも2位タイの上がり3F順位で3着に好走。プロフィル、臨戦過程の両面が高く評価できる上に、ハーツクライ産駒であるという血統面での後押しもある。ここは鞍上の森一馬ジョッキーも、かなり力が入る一戦となりそうだ。

 二番手評価に、実績断然のダノンシャーク。新潟芝は初出走だが、東京芝マイルでの好走例の多さから考えて、何の問題もないはずだ。ここは有力馬に後方待機組が多く、スッと好位につけて楽に追走できそう。これは、ここ2年の勝ち馬とまったく同じパターンである。58キロでも、そうそう軽くは扱えない。

 三番手評価にサトノギャラント。末脚のキレはいつも素晴らしいが、そのぶん器用さに欠けるのがこの馬の特徴。新潟替わりは大歓迎のクチで、あとは位置取りと展開がハマるかどうか次第。上位に食い込める余地はじゅうぶんにあると見て、枠番次第では積極的に買いたいところである。

 対照的に、評価が伸び悩んだのがクラレントだ。前々でソコソコの脚を使えるのが同馬の持ち味で、最速上がりを計時したのがデビュー戦のみという馬。スローの超・瞬発力勝負がバチコイというタイプではなく、コース適性の面で一抹の不安を感じる。能力上位であるのは間違いないが、ここは割り引いて考えたい。

 次に3着候補の人気薄だが、こちらはざっくりいえば「5枠〜8枠・前走非重賞・前走ひとケタ人気」というのが必要条件。枠番に関しては現時点では判断不可能だが、ミトラ、ブレイズアトレイル、レオアクティブ、シルクアーネスト、サンレイレーザーの5頭に激走の気配を感じる。この5頭のうち、5枠〜8枠に入った馬をマークカードの「3着」に塗る、ピンポイントで決め打った買い方をオススメする。

 エキストラエンド、エクセラントカーヴ、シャイニープリンス、ショウナンアチーヴの4頭については、可もなく不可もなしといった印象。マークカードの「2着」に塗る候補となるが、押さえるかどうかはオッズ次第だ。現時点では、5枠〜8枠なら買い、1枠〜4枠なら消しというのが当データ分析でのジャッジとなる。

 以上、かなりややこしい解説となってしまったが、1着候補、2着候補、3着候補をそれぞれ分けて考えるというのが今回の要旨。あとは、枠番が超重要であるのも重ねて強調しておきたいところだ。

※コースデータ&血統データは2011年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング