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なんでもありのマーメイドS

  • 2015年06月09日(火) 12時00分


ハンデ戦では「敢えてハンデが重くなった馬を狙え」と主張することが多い私だが…

 マーメイドSはハンデ戦になって既に9回が終了したが、もはや無法地帯というか、なんでもありの状況になっている。

 1〜3着がすべて5番人気以内だったという年はゼロ。一方で7番人気以下が複数馬券に絡んだ年が9回中5回ある。

 ハンデ戦では「敢えてハンデの重い馬を狙え」「敢えてハンデが重くなった馬を狙え」と主張することが多い私だが、マーメイドSについてはその看板を下ろさざるをえない。53キロ以下の馬が[7-6-6-58]で馬券に絡んだ馬の6割以上、前走から斤量減となる馬が[6-5-6-54]で、やはり6割近く。しかも前走から3キロ以上減った馬が[2-2-2-31]だ。

 前走クラス別成績で見ても、前走準オープン組が[2-2-4-26]、さらに前走1000万条件組が[2-2-0-10]で、実は前走1000万条件組の勝率・複勝率は前走重賞組よりも高い。08年には前走1000万条件(しかも牝馬限定戦)で9着だったトーホウシャインがここで勝っており、もはや「本当に重賞か!?」というレベルだ。

 ついでに年齢別成績を見ても、6歳馬が[2-3-1-13]で複勝率31.6%と、他の年齢より高くなっている。強い馬ほど早く繁殖入りする牝馬の世界にあって、これはかなり珍しい。

 ハンデ戦になって以降、マーメイドSで全馬の単複を均等買いした場合の回収率は単勝153%・複勝121%。他の牝馬ハンデG3は愛知杯が牝馬限定戦になって以降通算で単107%・複85%。中山牝馬Sは過去10年で単72%・複95%。それなりに荒れてもいるが、マーメイドSは特に波乱傾向が強い。変に理屈で予想を突き詰めるより、「格下・人気薄から振り回す」という方針で行ったほうがよい重賞だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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