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騎手魂が奮い立つ ユーザーからの耳の痛〜いご意見特集

  • 2015年06月16日(火) 18時00分
小牧太

一見すると耳の痛い質問やご意見が…。はたしてその真実は!?


「最近の小牧騎手の発言からは、GIへの熱い思いが感じられない」「以前、“太”という名前に反して繊細な神経の持ち主で、レースで気負けしてしまうことがあると聞いたことがありますが、現在は?」などなど、一見すると耳の痛い質問やご意見が…。はたしてその真実は!? 
(取材・文/不破由妃子)


小さなことからコツコツと(笑)

──のっけから、ちょっと手厳しい質問ですが、「最近の小牧騎手の発言から、GI勝ちに対する熱い思いが感じられません……

小牧 アハハハハッ!!!(質問の途中でなぜか爆笑)

──え〜、続きます(笑)。「当然、勝ちたいと思っていらっしゃるのでしょうが、その“勝ちたい”という思いは、ほかのレースと同じになってしまったのでしょうか?」という質問です。

小牧 そりゃあGIはいつだって勝ちたいけど、今はそれ以前の問題でしょう。そういう馬にめぐり合っても、すぐに乗せ替えられてしまったりねぇ。ダノンメジャーのように戻ってくる馬もおるけど、戻ってこんかったら、いくら期待したところで一緒にGIには出れんわけやし。まずはそういう馬にめぐり合うために、平場からでもなんでも、1から勝っていかんことには、(GIで)乗せてもらわれへんからね。GIを勝ちたい! と強く思うのは、そういう馬にめぐり合ってからのことでしょう。

──期待できる馬に出会って初めて、発言にもつながってくると。

小牧 そうそう。最近は重賞での乗り馬も少なくなったからねぇ。GIになかなか乗られへんのに、“勝ちたい、勝ちたい”と言ったところでね。まずはね、小さいことからコツコツとや(笑)。

──答えとしては、言葉にこそしないけど、熱い思いは変わっていないということですね。

小牧 もちろん! 僕だけじゃなくね、GIには誰しも熱い思いがあるでしょう。

──続いては、「失礼を承知で質問しますが、小牧騎手は1番人気のときよりも2番人気以下のときのほうが勝率、連対率が高いような気がするのですが、ご自分ではどう思われますか?」という質問です。調べましたが、実際はそんなことないですよ(2015年6月14日終了現在、1番人気:勝率35.3%、連対率70.6%、2番人気:勝率26.3%、連対率36.8%)。

小牧 僕自身も「そうかなぁ…」っていう感じやなぁ。人気の馬に乗ることが少ないから、そう思うんちゃう? 1番人気になったところで、「なんでこの馬が…」っていう馬もけっこうおるしね。

──そもそも小牧さん、人気はあまり気にされていませんよね? パドックの電光掲示板もほとんど見てらっしゃらないし。

小牧 うん。僕自身が勝てそうやなぁと思う馬が、必ずしも人気とは限らないからね。結果的に、人気のない馬で(上位に)きてるから、そう思うんじゃない?

──そうかもしれませんね。続いては、「以前、『“太”という名前に反して繊細な神経の持ち主で、大きなレースでは気負けしてしまう』と聞いたことがあるのですが、現在はいかがですか?」

小牧 そんなこと、誰が言うたん(笑)? 気負けって(笑)。

──どこかでそういう発言をされた覚えはありますか?

小牧 いや、ないよ。消極的なレースをすることが多かったからかな? まぁ、だから乗せ替えられたりしてたんやけど…。レッドアリオンにしても、久々に乗った西宮S(2014年9月14日)で、後ろから行って勝ったでしょ? だからその後もそういう競馬をしてたんやけど、川須に乗り替わったら好位からの競馬で2連勝やもんね。そういうイメージがあるからかな。ん〜、確かに大事に乗り過ぎてしまうことはあるかもしれないね。ただ、それがハマることもあるから、競馬はわからんよ。

──少なくとも、“気持ちで負ける”ことはありませんよね?

小牧 うん。あとあと、「ああすればよかった、こうすればよかった」って考えることはあるけど、最初から気持ちで負けるなんてことはないね。

──はい。今回の質問は以上です。話は変わりますが、春の健康診断の結果はいかがでしたか? 以前この『太論』で、小牧さんだけ引っ掛かったというようなお話があったような。

小牧 ああ、2年くらい前ね。再検査したら、結局なんともなかったんですわ。今年もどうもなかったよ……アッ!

──な、なんですか!? コワイ!

小牧 僕ね、骨密度が20歳以下やて。

──ハタチ!?

小牧 “20歳”じゃなくて、“20歳以下”(笑)。去年も“23歳”だったんやけど。まだ若いのに、骨密度が60歳代、70歳代なんて子もおるんやで。ひょっとして、ジョッキーで“20歳以下”なんて、僕くらいちゃうかな。なんでやろ? 骨がみっちり詰まってるんやな。あ、だから重いんや(苦笑)。

小牧太

僕ね、骨密度が20歳以下やて。“20歳”じゃなくて、“20歳以下”(笑)



【次回の太論は!?】
新潟大賞典に続き、目黒記念も勝利と、ここにきて追い風が吹いてきた感のある小牧騎手。次回の太論では、ダービー、そして目黒記念について、たっぷり振り返っていただきます!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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