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ノンコノユメの末脚魅力だが中央3頭差はない/ジャパンダートダービー

  • 2015年07月07日(火) 18時00分


◆印はつけたがいずれも疑ってかかる点があり上位3頭に差はない

 伏竜Sではクロスクリーガーの5着に敗れてあまり目立つレースぶりではなかったノンコノユメだが、直線は馬群の中に突っ込んで持ち味である末脚を存分には発揮できず。しかしその後、青竜Sを制し、さらにユニコーンSではいつものようにダッシュがつかず後方追走も、前半ハイペースでレースの上り3Fが37秒0のところをこの馬自身は35秒5という末脚で見事に差し切った。大井の長い直線でその自慢の末脚を活かせるかどうか。ただユニコーンSが6月に行われるようになった2001年以降で、ユニコーンSを勝ってジャパンダートダービーも制したのは2005年のカネヒキリのみというデータはちょっと気になる。ユニコーンSで強い勝ち方をして、ジャパンダートダービーで人気になって負けたという馬は少なくない。

 意外に人気の盲点になりそうなのがライドオンウインド。着順でいくつか大きい数字はあるものの、それはいずれも芝のレース。ダートではデビュー戦の4着以外はすべて3着以内。鳳雛Sでは逃げたリアファルをとらえて振り切って、着差以上に余裕のある勝利だった。リアファルを負かしてということでは、クロスクリーガーと実力的には変わらないと見る。

 クロスクリーガーは、人気が集中するならということで、あえて▲に下げた。兵庫チャンピオンシップの9馬身差はたしかに圧倒的な強さだったが、その着差は割り引いて見る必要がある。兵庫チャンピオンシップを圧勝した馬でその後チャンピオン級になった馬にはコパノリッキーがいるものの、一方で兵庫チャンピオンシップで強いレースを見せながら、その後はイマイチという馬も少なくない。2歳時の兵庫ジュニアグランプリに出走していない限り、中央馬の多くにとって園田の小回りコースは初めてで、それに対応できるかどうかで実力以上に差が開いてしまうと想像するのだがどうだろう。

 とはいえ、ノンコノユメには2000mになっても果たしてあの末脚を発揮できるのかどうか、ライドオンウインドは強い相手との経験的なところ、クロスクリーガーは果たして兵庫チャンピオンシップの圧勝ぶりが本物なのかどうか、いずれにも疑ってかかる点があり、◎○▲の印はつけたが3頭に差はない。勝つのは3頭のうちのどれか。

 地元南関東勢は羽田盃を制したストゥディウム、東京ダービー1、2着のラッキープリンス、パーティメーカーと3頭が出走。しかし今年のこの世代は勝ったり負けたりで抜けた馬がなく、東京ダービーの勝ちタイム2分7秒5というのも、近年のこのレースの勝ちタイムが2分3秒台から5秒台前半であることを考えるとちょっと物足りない。ただ可能性ということではストゥディウムに期待したい。東京ダービーでは直線弾けることなく見せ場がなかったが、羽田盃で見せた直線一気の末脚を発揮できる流れになれば一発はあるかもしれない。

◎ノンコノユメ
○ライドオンウインド
▲クロスクリーガー
△ストゥディウム
△ディアドムス
△パーティメーカー
△ラッキープリンス

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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