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もう一度差し+スタミナの余裕にこだわってみる

  • 2015年12月15日(火) 12時00分


2歳馬が阪神芝1600mを走った場合、差し決着になるほうが自然

 先週あちこちで「阪神JFはたいてい差し競馬」ということを強調していたらメジャーエンブレムに先行圧勝されてしまい、気まずいことこの上ない。

 しかし同馬の強さや展開ゆえにそういう結果になったのであって、やはり2歳馬が一定以上の流れで阪神外回り芝1600mを走った場合、差し決着になるほうが自然だと思う。ちなみに、昨年の朝日杯も道中2ケタ通過順馬の1、2着だった。

 阪神芝1600m外回りの2歳戦に差し決着イメージが無いのは、新馬戦は前も残るからではないかと思う。新馬は頭数が揃わなかったりスローになったりで、結果的に逃げ・先行した馬の単勝回収率は100%を超えている。しかし、それでも複は100%を切っているので、コース(2歳戦の)として逃げ先行有利なわけではない。

 これが未勝利戦になると逃げ・先行馬の回収率は単複とも100%を割る。代わって差し勢の回収率が新馬の74%から88%に上昇してくる。このコースでの未勝利戦と500万条件は堅い決着が多いのでどこを切ってもおいしい数字は出てこないのだが、そういった事情を考慮してもなお、他のコースよりは差しが届きやすいと考えておきたい。

 ところで、位置取り問題と違って、まずまず通用したのが「阪神JFでは前走1600m以上組、スタミナに余裕のある馬が良い」という主張。先週の1、2着馬はともに1800m優勝経験のある前走1600m組だった。ただ、こちらも3着は距離延長で初距離のブランボヌール。どうしても馬の地力で適性データを覆されることはあるが、それでもデータを見る以上、傾向にはこだわっていきたいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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