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ダートでこそ能力発揮、アウォーディー/名古屋大賞典

  • 2016年03月16日(水) 18時00分


◆相手となる中央勢がどれかは迷うところ

 基礎重量54kg(牝馬52kg)に、GI勝ち馬5kg増、GII勝ち馬3kg増、GIII勝ち馬1kg増(GにはJpnも含む)という極端な設定の別定重量戦で、GI勝ちの牡馬が出てくると59kgを背負わされることになるのだが、今回はGIII・1勝のアウォーディーだけが別定1kg増というメンバー。おそらく地方馬も好走できるようにという意図があっての別定重量なのだろうが、今回は別定戦の恩恵をほとんど受けられないということでは、いかにも地方馬には厳しい。

 芝からダートに転向して2連勝のアウォーディーが中心。メンバー中唯一のグレード勝ちという昨年のシリウスSは、中団追走から外に持ち出すと直線では他馬をまったく相手にせずという強い勝ち方だった。目黒記念4着のあと1000万下に降級してなかなか勝ちきれなかったが、ダートで潜在能力を発揮した。ひとつ下の妹にエンプレス杯を連覇したアムールブリエ、3つ下の弟がドバイ(UAEダービー)に遠征するラニということでの活躍も期待される。

 相手となる中央勢がどれかは迷うところだが、オープン勝ちはないものの、2走前のオープン(師走S)で2着があるモズライジンを筆頭に挙げる。その師走Sでは実際にバンズーム(5着)、ダブルスター(14着)に先着しており、オープン3戦での勝ち馬との着差が0秒7、0秒1、0秒5と崩れていない。あとは初めての地方、それも小回りの名古屋コースが合うかどうか。

 ダブルスターは、オープン初勝利となった前走アルデバランSは、2番手追走から3〜4コーナーで先頭に立って後続を寄せ付けずという強い勝ち方だった。とはいえ敗ける時はあっさりというタイプ。前走の勝利で人気になるなら、馬券的には軽視して妙味がありそう。

 バンズームも準オープンを卒業してからダートのオープンを3戦して勝ち馬との差が0秒7差以内と、モズライジンと似たような成績。ただ後方から直線勝負という脚質ゆえ、展開やペース次第というところはありそう。

 トライアルの梅見月杯を制した兵庫のアクロマティックだが、昨年再転入した中央の500万下で勝負にならず。とはいえここにきての4連勝なので、ようやく力をつけてきたという可能性はある。それでも中央馬の何頭かが崩れたときの3着まで。

◎アウォーディー
◯モズライジン
▲ダブルスター
△バンズーム
△アクロマティック

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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