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外枠がやたらと強い関屋記念

  • 2019年08月06日(火) 12時00分

切り口は単純、枠順にあり


 関屋記念過去10年の位置取り別成績を調べると、複勝率や複回収率では逃げ・先行>差し・追込となる。しかし、中団や後方から馬券に絡んだ馬が1〜3着馬の約半数を占めるため、前寄りだけの馬券は組みづらい。

 そもそも、関屋記念は過去10年の均等買い時回収率が単47%・複56%で穴が出にくいという事情があるため、「単に付いていけない馬」が含まれる差し・追い込みグループは不利な立場にある。「単勝15倍未満(勝ち馬はすべてここに含まれる)」だけを対象にすると、位置取り別成績には極端な差が無くなってしまう。

 では、他になにか分かりやすい切り口は無いか。実は枠順という単純なところにあった。まず、過去10年の関屋記念・枠番別成績がこちら。

回収率向上大作戦

 これだけでも明らかに外枠有利だ。ちなみに1〜4枠から馬券に絡んだ9頭はいずれも単勝7番人気以内かつ15倍未満で、ここから大きな穴は出ていない。かといって人気サイドにフォーカスしても、単勝15倍未満馬の回収率は単71%・複87%で積極的に買うレベルではない。

 一方、7〜8枠はグループ全体の回収率が単114%・複94%。単勝7番人気以内だと単259%・複119%、単勝15倍未満だと単285%・複131%。「外枠で上位人気」だと脚質・位置取りと関係なく良いパフォーマンスが発揮されている。

 こういう原稿を書くと7〜8枠に人気薄ばかりが入ってしまったりするのだが、さすがに7番人気以内レベルの馬が1頭も入らないということはないだろう。まずはそれを軸にして、○▲あたりもなるべく外から。内枠人気馬と5枠より外の人気薄馬は、多くなりすぎない程度に△で押さえていくくらいがちょうどよいバランスかと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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