スマートフォン版へ

【関屋記念予想】前走負けてもなお人気の実績馬が狙い目

  • 2020年08月11日(火) 12時00分

荒れにくく中穴程度にとどまるのがマイルGIIIの傾向


 関屋記念は近年堅く収まる傾向にあり、過去10年全馬を均等買いした場合の回収率単47%・複54%となっている。

 ただこれは関屋記念に限った話ではなく、古馬のマイルGIIIに共通する話でもある。2010年以降に行われた古馬芝マイルGIIIのうち、牡馬の出走できるレース、7レースを全部ひとまとめにしても、全馬均等買い時回収率は単66%・複69%。ご存知の通り中京記念の18、6、9番人気決着があってこの数字。同レースが行われる前の時点では単53%・複66%だった。

 対象7レース中4レースがハンデ戦でありながらこういう傾向を示しているのは意外だが、実際に荒れにくいというか極端な穴が出にくく中穴レベルにとどまるのがマイルGIIIの傾向。中京記念の記憶が生々しいだけに、感覚が狂わないようにしておきたい。

 さて、関屋記念の場合、過去10年間8番人気以下の連対はゼロ。3着馬も8、9、10番人気から1頭ずつ出ているが11番人気以下はゼロ。10回のうち8回は15頭立て以上で行われていることを考えると、やはり人気薄激走は少ない。

 となると、人気サイドの扱い方をしっかりするしかない。連対馬のほとんど(過去10年・20頭中19頭)を占めている単勝15倍未満馬について見ると、前走オープン1〜3着馬が複勝率27.3%なのに対し、前走オープン4〜9着馬は50.0%でこちらのほうが走っている。前走10着以下の馬を足しても42.9%で、「前走で馬券に絡んでこなかったのに今回ある程度人気」という馬が良いということになる。さすがにオープン特別4着以下だった馬は走っていないが、重賞組の中でGI組とGIII組には差がない。となると、妙味があるのはもちろんGIII組だ。

 前走がGIIIの4着以下で今回単勝15倍未満になりそうな馬というと、アンドラステ、クリノガウディ―、サトノアーサーあたり。この馬たちが予想のポイントとなる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング